〝近大マグロ〟を食べに東京駅のグランスタにある近畿大学水産研究所 「はなれ」に行ってみた。
近畿大学が32年の歳月をかけ、世界で初めてクロマグロの完全養殖を成功させたのは2002年のこと、ニュースになったことをよく覚えている。
クロマグロの漁獲量が年々減少して心配されていた。
〝近大マグロ〟は登録商標で、2010年からは総合商社である豊田通商と共同で、完全養殖クロマグロの量産化事業を進めている。
海から稚魚を採って生け簀で育てるのが「天然養殖」、養殖したマグロから稚魚を得て(人工稚魚)、それを育てるのが「完全養殖」という区分を知った。
マダイやヒラメ、シマアジ、サーモンは完全養殖が進んでいるが、マグロは輸送コスト、生存率の低さ、奇形の発生などの課題があって、近大から稚魚を入れて育てる養殖業者はまだ数社らしいが、出荷された〝学士マグロ〟の市場評価は高いとのこと。
注文したのは近大生まれのマグロのトロ、赤身、真鯛、ヒラメの定食で2,300円位だったか、定食メニューが中心で2,500円前後だ。
マグロは脂肪が乗っていて好みが分かれるところだが、どの魚も新鮮でコクがあり美味しかった。
天然養殖と言っても資源への負担が伴うはずで、その点完全養殖は持続可能な環境維持に配慮されたものであり、店から小さな〝協力照明書〟を貰った。
課題の「品種改良」と「消費者のマインド」が解決されて、安くて美味しいクロマグロが沢山食べられる時代が一日も早く来ればいいなと思いながら店を出た。
2024.3.22 東京駅グランスタ・エリアの近畿大学水産研究所 「はなれ」