季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

データ

2008年05月03日 | Weblog
インターネットなどという、得体の知れないものを利用して、こうして文章を書き連ねているのだが、社会全体が、その有効な利用法を考え出してはいないように思う。

年金の問題の報道などでも、役所の金の流れがあまりにも複雑、且つ不透明で、本当の姿をちょっとでもとらえたかったら、国民は仕事を捨てて、データを収集する以外ないように思えてくる。それくらい複雑だ。

僕は実に平凡な国民で、それにふさわしく、一連の不祥事(かれこれ5,60年続いている点だけが気になるが)に不平不満を述べるだけの男だ。

僕は経済とか政治の方面にはまったくの無知であるから、ニュースを見て人並みに憤慨する以外方法がない。あらゆる乱脈と破廉恥が横行しているのは、いつの時代も変わらぬだろう。実態は深く隠されているのもきっと変わるまい。

しかし、ちょっと考えると、現代には実態を知る、少なくともかなり正確に知る方法自体はいくらでもあるのではなかろうか。

たとえば市の会計報告はと、ためしに自分の住む市の会計報告を調べてみたら、歳入と歳出がデンとあるだけと言った方がよい。もしかしたら、詳しく知る方法はあるのかも知れない。当然あるだろう。

でも、僕のような門外漢が、ふと思いついて、検索をかけたらこんなものを見せられるだけだ。実態の解明にはほど遠い。

ちょっと覗いてみたら、市の予算をどう使ったか、細目にわたって知ることができれば、僕のような思いつきだけの人間でも、行政の予算の使い道を詳しく知るではないか。それを知ろうと思うならば、市民ネットワークだの、なんとか運動だの、かんとか会だのに属す以外ない、といった不健康な事態から脱却できるではないか。

何か、僕たちの生活に密着したことが問題になる場合、マスコミのとる態度に納得がいかない。

消費税を例にとろうか。必ず出てくる声は、ヨーロッパ諸国に比べると、日本の消費税は格段に低い税率だというもの。これは本当だ。しかし、これを報道するのは正当か、と問うひとはあまりいないようだ。

また、消費税を上げることに賛成ですか?という世論調査もある。これなどは、さっさと止めちまえばよい。誰も喜ぶやつなんぞいないのだから、結論は見るまでもない。

サッカーで、ゴールした選手に「得点したときのお気持ちはいかがでしたか?」と訊くでしょう?答えは聞くまでもない。嬉しいです、これさ。その選手に代わって僕が返事してあげても良い。こうした予定調和的な質問が単発的にある。中田選手なんかは、それが我慢ならずに、「フッ、それは嬉しいですよ、それで?」といった反応をしていて、嫌う人もいたが、彼の言うことが正しい。

ちょうどそんな感じの質問だ。いくら嫌でも財政が本当に破綻していて、方法が他にないなら、税を取る以外あるまい。しかし、消費税だけを諸外国と比較するようなごまかしを、メディアがするようでは駄目だろう。

所得税、何とか税、(ほら、とんでもない経済音痴でしょう)の他に、例えば高速道路の通行料金、これだって僕たちの側からみたら、税と見なして良いわけでしょう。ドイツは無料だし、有料の国でも非常に安い。

これらをトータルな収入と考え、支出の細目をチェックする、それがメディアの仕事だろう。

僕には、消費税の引き上げに賛成か、反対かを判断する材料すら与えられていない。なぜそうした素朴な疑問を持つ人が少ないか、分からないね。

税が上がってどう思いますか?嫌ですね。どうです、試合後のインタビューと似ていないですか?答えはすでに用意されている。