婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

歯ぎしり

2015-01-19 11:28:15 | Weblog
昨年11月22日
もう あなたのところに しばらく来れないかもしれないと無理をおしてきた友
「あのね 左鎖骨のリンパと骨に転移したかもしれないと思う」
「あなたの憶測でしょう?」

それから暮れに ペットCT

「リンパに転移はあったんだけれど うれしい!骨の転移はないだろうって!」
「良かった良かった」

しかし 年明け早々 仙骨のMRI

「ちょっと 恐れていた通り仙骨にべったりガンがあるってさ」
「なにそれ」

暮れから一緒に一喜一憂して 笑ったり涙を流したりしていた。

それが最近
「あんた 覚悟しなよ 私 この状態でもって一年~二年。内臓に転移があったらこのかぎりではないといわれちゃった」
「覚悟なんてできないよ。あんたのいない人生なんて考えられない」
「約束どおり 夏に飼った犬をよろしくね」
「・・・」
「余命については、主治医の先生が 冷たいことを言うようだけれどと言ったんだよ」
「そう・・でもね その先生も私も 明日 交通事故なんかで突然亡くなるかもしれないし 人の命はわからない」
「そうだよね」

私に覚悟しろなんて・・
不憫にも自分に言い聞かせているのであろうか

「月並みなことを聞くけれど やりたいことは?」
「ない」
「温泉は?」
「それは行きたい」
1/5から左鎖骨のあたりに土日休みでピンポイントの放射線25回がはじまった。

ビールもタバコも仕事もやめてはいない。

「ついに麻薬の薬がでたんだよ」
「オキシコンチンじゃないかしら?」
「何で知ってるの?」
「昔 本を読んでいたとき コンチン教なんて茶化して書いてあったのを思い出したの・・」
彼女は、どういうわけかこの薬を飲まないで 痛みのあまり立ち上がれなくなった。
「薬の管理ができなければ 病院の先生が入院させるって言ったんだ」
おそらくビールが飲めなくなると思ったのかな?


あのさぁ これから電話で 『大丈夫?』なんて聞かない。
大丈夫なわけがないだろうし 返事に困るよね?


寝ていて 歯と歯を強く噛み締めているとわかる夜が増えた。


  木製パレット屋のつぶやき