本朝食鑑に見る河太郎(カッパ)
2019.10
「本朝食鑑」より
最近、水辺に河童なる者がいて、能く人を惑わす。
或いは、大鼈(おおすっぽん)の化けたものとも云う。
それ故、顔は醜くく、体は、童児のようである。
皮膚は、青黄色である。
頭上には、凹んだ処があり、常に水を蓄えている。
水があれば、則ちが力が強く、制しがたい。
水が無ければ、力が弱く、捕まえることができる。
それで、もし人がカッパに出会ったら、必ず先に腕を持ち上げ、拳で、頭の水を取ってしまえば、カッパを倒すことができる。
伝え聞くところによれば、海西諸国には、このカッパが、人をだますことが多く、人を妖力で害する。
土地の人は、大鼈(おおすっぽん)ではなく、老いた川獺(かわうそ)の化したものである、と言っている。
その物のたぐいは、変化(へんげ)して、どのようになるのかは、測りがたい。
海国には、この族(やから)が最も多い。
編者注:「本朝食鑑」は、文字通り解釈すれば、本朝すなわち日本の食品についての書である。
しかし、カッパを食品とみなしてはいないし、食べたとの逸話もない。
この場合の「食鑑」は、食品を中心とした博物誌と解釈した方が、妥当でしょう。
2019.10
「本朝食鑑」より
最近、水辺に河童なる者がいて、能く人を惑わす。
或いは、大鼈(おおすっぽん)の化けたものとも云う。
それ故、顔は醜くく、体は、童児のようである。
皮膚は、青黄色である。
頭上には、凹んだ処があり、常に水を蓄えている。
水があれば、則ちが力が強く、制しがたい。
水が無ければ、力が弱く、捕まえることができる。
それで、もし人がカッパに出会ったら、必ず先に腕を持ち上げ、拳で、頭の水を取ってしまえば、カッパを倒すことができる。
伝え聞くところによれば、海西諸国には、このカッパが、人をだますことが多く、人を妖力で害する。
土地の人は、大鼈(おおすっぽん)ではなく、老いた川獺(かわうそ)の化したものである、と言っている。
その物のたぐいは、変化(へんげ)して、どのようになるのかは、測りがたい。
海国には、この族(やから)が最も多い。
編者注:「本朝食鑑」は、文字通り解釈すれば、本朝すなわち日本の食品についての書である。
しかし、カッパを食品とみなしてはいないし、食べたとの逸話もない。
この場合の「食鑑」は、食品を中心とした博物誌と解釈した方が、妥当でしょう。