昨日は、子宮内膜症は雑草という比喩をした。
伊藤先生のブログ(伊藤病院)を見ると、チョコレート嚢胞を虫歯に例えた話をしておられる。
「虫歯は自然に治らないどころか、徐々に進行し、放っておくと抜歯しなければならなくなってしまいます。」
お腹の中なので見えないが、チョコレート嚢胞も同じである。チョコレート嚢胞が自然に消失することはまずない。(消失したとしたのなら、それは、出血性の機能性卵巣嚢胞だったのだろう)放っておくとどんどん大きくなるか、破裂してしまう。破裂したらメチャクチャ痛い。破裂をくり返すと状況はどんどんひどくなっていく。おまけに痛みもひどくなる。
チョコレート嚢胞が出来ている時点で、子宮内膜症としてはほぼ三期以上である。本当は放置してはいけないのだ。
伊藤先生のブログ(伊藤病院)を見ると、チョコレート嚢胞を虫歯に例えた話をしておられる。
「虫歯は自然に治らないどころか、徐々に進行し、放っておくと抜歯しなければならなくなってしまいます。」
お腹の中なので見えないが、チョコレート嚢胞も同じである。チョコレート嚢胞が自然に消失することはまずない。(消失したとしたのなら、それは、出血性の機能性卵巣嚢胞だったのだろう)放っておくとどんどん大きくなるか、破裂してしまう。破裂したらメチャクチャ痛い。破裂をくり返すと状況はどんどんひどくなっていく。おまけに痛みもひどくなる。
チョコレート嚢胞が出来ている時点で、子宮内膜症としてはほぼ三期以上である。本当は放置してはいけないのだ。
経膣で刺針することについてはいかが思われますか?(アルコール固定はしないとして)
私は経膣穿刺吸引を行いませんので、エビデンスに乏しいコメントかもしれないことをはじめにお詫びいたします。
経膣的な穿刺吸引はチョコレート嚢胞の治療としては不十分ではないかと思います。この手技は診断的に行うのならよいと思いますが、治療としては再発率は非常に高いと言われています。
嚢胞が小さくなるために一時的に卵巣機能がよくなる可能性はあるかもしれませんが、1年以内にもとどおりになるのではないでしょうか?
その間に体外受精などで妊娠できればいいのですが、妊娠しなかった場合には、事態はもっと複雑になってしまう可能性があります。
チョコレート嚢胞のエタノール固定や経膣穿刺の既往のある患者さんのチョコレート嚢胞は多房性になっていることが多く、手術手技は難しくなっていきます。
私は、チョコレート嚢胞の穿刺や破裂が、多房性チョコレート嚢胞の原因になると考えていますので、できることならこのような手技は避けていただきたいと思っています。
もっとも、私のところには子宮内膜症の重症化した人が集まってくるために、このような印象を持っているのかもしれません。穿刺後、経過のいい方は決して私のところには来られないでしょうから・・・
ちなみに欧米の文献を見ますと、嚢胞切除、嚢胞焼灼、ドレナージなどでは、嚢胞切除が妊娠率においても最も成績がいいそうです。再発率、疼痛治癒率などにおいてもそうです。
まあ、手術手技については、術者により巧拙の差は非常に大きいわけで、これが日本においても当てはまるのかどうかはわかりません。
チョコレート嚢胞の理想的治療は、卵巣の正常組織をできるだけ残し、病変を切除することだと考えています。(とくに卵巣血流のために髄質を傷つけずに残す。)それができる術者の手術を受けるのがもっともベストな結果となるでしょう。
残念ながらチョコレート嚢胞は切除したり焼灼しても、じきに再発します。何度でも。なので、一度目ならともかく、再発の場合は、2,3cmの嚢胞なら入院して腹腔鏡を受けるのではなく穿刺か経過観察ですませるものならそうしたいものです。
虫歯では、小さいものは治療しません。良いところまで削ってしまうからです。また、嚢胞があっても良い卵胞は得られることもありますし、嚢胞がなくても過度のストレスや冷え、卵巣の疲れがあれば良い卵胞は得られないからです(経験上)。(とはいえ、医師によっては卵胞の発育遅延を嚢胞があるから仕方ないよ、という一言で片付ける方もいましたが・・)
ただ、そうやって嚢胞だけを見ていると癒着はどんどん進行していくのでしょうが・・。また、チョコレート嚢胞の穿刺で内容物が拡散してしまうリスクもあるようですね。
昨年まで通過していた片側卵管采までもが閉塞したのは内膜症のためか穿刺のためかわかりませんが・・・頻発する嚢胞にはどう対処したものかと思います。
ただ、最近は、嚢胞の治療だけが目的ではなく、知らないうちに進行していく内膜症の癒着を早い時期に改善するため、という意味で2,3年に一度は検査をかねて手術をした方が良いのでは、とも思います。
私は4年前、腸まで広がった癒着を開腹で剥離したのですが、昨年腹腔鏡検査を受けたときには一方の卵巣、卵管周りの癒着が再びひどく進行しており、ほとんど手をつけてもらえませんでしたので。。チョコレート嚢胞も切除してもらえませんでした。腹腔鏡検査で有名な病院でしたが・・あまり意味がありませんでした。
(なお、腸には癒着防止シートを処してあり、開腹後、生理痛は全くなくなりました。巨大筋腫もあったので開腹となりました。)
いずれにしても、個人差はあるものの、生理痛など自覚症状はなくても、チョコレート嚢胞などのサインがあれば癒着には注意しておいた方がよいのでしょうね。
ところで、先日ご相談しました手術の件ですが、主治医先生のご尽力のおかげで、予定していた執刀医先生に9月初めに日程を設けていただけることになりました。その節はありがとうございました。元々関西人ですので、いずれお世話になるかもしれません。その節はよろしくお願い致します。
追記:先生のコメントを拝見して、ふと南淵明宏先生の著書「ブラックジャックはどこにいる?」のP.166を思い出しました。正直なご見解で好感を持ちました。ありがとうございました。
随分長くなってしまいましたが・・ありがとうございました。最近、偶然にも良い先生方に巡り合え、まだがんばれる、と勇気をいただきました。
(関東ではTH大学の先生方にお世話になっています。)今後も全国の患者のために尽くしていただけますように。