南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

さよならプリントゴッコ

2013-01-09 11:16:15 | Weblog

プリントゴッコを販売してきた理想科学工業がプリントゴッコ事業の終了を発表した。

1977年に発売されて以来の長年日本の年賀状作りに貢献してきた昭和の遺物がまたひとつ消えて行く。近年はどの家庭でもPCを駆使して年賀状を作るのが一般常識でありここ何年もプリントゴッコで作られた年賀状など見たことなかった。もうとっくにプリントゴッコなるものは販売が終わり今の世には存在しないものと思っていたが、まだ事業が続いていたことにビックリした。一斉を風靡したプリントゴッコもやがて昭和歴史博物館にでも飾られる日が来るのだろうね。

我が家でも年末になるとプリントゴッコの箱を押入れから取り出し年賀状作りの準備にかかっていた時代があった。不足している絵具、それから黄色いフラッシュ電球を買い足しにいかねばならなくて結構費用はかさむのである。特に一回しか使えない電球がものすごくもったいない様な気がしてならなかった。だから体重を乗せてプリントゴッコを抑え込みバチっと光らせる作業の瞬間は全神経を傾け家族全員でそのフラッシュの様を見届けたものだった。あれをやると一仕事をやり遂げたような不思議な達成感があった。おそらく日本の津々浦々で年末にはピカピカという光景がみられたのであろうな。その結果大量の黄色い電球がゴミとして出されていたのも事実だ。

プリントゴッコは費用もかさむが手間もかかるという難点があった。特に印刷したハガキを乾かすのには時間がかかった。年賀状の数が多い場合は床の上にまるでカルタみたいに並べて乾かすこともあった。そも上を猫が歩いたりすると困ったもんだった。確かに年賀状作るのも大変ではあったが何故かプリントゴッコは爆発的に売れた。所ジョージのCMも良かったのだろうがゴッコという遊び心が良かったのかもしれない。

最近の若者たちは年賀状はわざわざ書かないようでメールで済ますというのが普通になって、LINEなどのアプリを使って文字どころかスタンプだけで済ましてる場合もある。これじゃ年賀状ハガキも売れていない訳である。うちの近所の郵便局では元旦から職員さんたちがテント出して年賀状の販売をやってたくらいだ。もしかしたら将来は正月に年賀状をわざわざ出すという恒例行事が消えてしまうかもしれない。それこそ昭和歴史博物館に、大昔の日本では年賀状というものが存在して年に一度のハガキのやり取りをするというおもしろい風習があったらしいと記される。



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