春秋
2012/10/18付
破格の安値である。1867年の今日、米国がロシアから購入したアラスカの値段だ。土地1エーカー当たりで2セントというから、現在の為替相場で単純計算すれば1ヘクタールでわずか4円弱だ。それでも、当時は無駄な投資といわれたそうだが、金鉱や油田が発見されて一変した。
▼アラスカほどではないが、日本でも1平方メートル当たり1円で宅地が買える。北海道中部にある人口2700人の街、秩父別(ちっぷべつ)町の話である。3年以内に家を建てて、住民票を移して暮らすことが条件だ。1期分の13区画はほぼ完売し、2期分を現在分譲している。札幌や旭川のほか、東京や千葉から移り住むシニア層もいる。
▼さらに格安な例もある。栃木県那珂川町などのように土地代はタダという町だ。しかし、立地に難点があるためか、問い合わせは多くても秩父別のようにはいかないらしい。田舎暮らしにあこがれる人は多いが、見ず知らずの土地では腰が引けるのだろう。そこで、将来の定住を狙って知恵を絞ったのが鳥取県智頭(ちづ)町だ。
▼地震などで家を失ったら、年1万円の会費で1週間、町で宿と食事を保証する事業を打ち出した。名付けて「疎開保険」。災害がなければコメや野菜を贈る。契約者は大阪、東京を中心に350人に上るそうだ。契約者に限った疎開体験ツアーもある。まずは、とにかく縁をつくる。やはりそこから始めるしかあるまい。
2012/10/18付
破格の安値である。1867年の今日、米国がロシアから購入したアラスカの値段だ。土地1エーカー当たりで2セントというから、現在の為替相場で単純計算すれば1ヘクタールでわずか4円弱だ。それでも、当時は無駄な投資といわれたそうだが、金鉱や油田が発見されて一変した。
▼アラスカほどではないが、日本でも1平方メートル当たり1円で宅地が買える。北海道中部にある人口2700人の街、秩父別(ちっぷべつ)町の話である。3年以内に家を建てて、住民票を移して暮らすことが条件だ。1期分の13区画はほぼ完売し、2期分を現在分譲している。札幌や旭川のほか、東京や千葉から移り住むシニア層もいる。
▼さらに格安な例もある。栃木県那珂川町などのように土地代はタダという町だ。しかし、立地に難点があるためか、問い合わせは多くても秩父別のようにはいかないらしい。田舎暮らしにあこがれる人は多いが、見ず知らずの土地では腰が引けるのだろう。そこで、将来の定住を狙って知恵を絞ったのが鳥取県智頭(ちづ)町だ。
▼地震などで家を失ったら、年1万円の会費で1週間、町で宿と食事を保証する事業を打ち出した。名付けて「疎開保険」。災害がなければコメや野菜を贈る。契約者は大阪、東京を中心に350人に上るそうだ。契約者に限った疎開体験ツアーもある。まずは、とにかく縁をつくる。やはりそこから始めるしかあるまい。