拙稿「日本は平和主義を貫いて欲しい」に頂いたコメントに書きましたお返事を、
又記事に仕立ててみました。



日本国憲法の中の9条を問題にしておられるのだと思いますが、
海賊が居ても、自国民を守らないのかと言われますが、海賊はソマリアの海に居るのであって、日本の領海に居るのではないのですよ。
日本の領海に来た不審船は、海上保安庁が、日々見張りをしているし、攻撃する事もあることは知られている事ですよね。(北朝鮮の不審船を攻撃したニュースは、記憶に残っています。)
ただ、どんな事が有っても、外国に出かけてまで軍を動かす事はしないと言うのが、
太平洋戦争で懲りた日本人の喜んで受け入れた、憲法9条の精神なのではないでしょうか?
それが国際紛争に巻き込まれたり、他国を巻き込んだりしない為に、守るべき一線であるとして、戦後憲法9条は日本人にずっと尊重されてきていました。
アメリカはこの憲法を作って日本人に押し付けたのですが、この憲法の所為で自国の戦争に日本人を動員する事ができない事にいらだってきています。
韓国の軍隊はベトナム戦争にも従軍し、アメリカと一緒にかなり残酷な事もさせられていたようですね。
しかし日本は憲法9条に違反するからと外国に軍隊を出す事を断る事ができました。
アメリカはアイゼンハワー元大統領も心配しておられたそうですが、
今や軍産複合体の牛耳る国となっています。
(アメリカを牛耳っているものにもうひとつイスラエルも含まれているとも言われていますね)
軍事産業は兵器を買ってもらわねば次の仕事になりません。
アメリカとソ連が冷戦構造の間は、戦争をしないでもソ連の脅威に対抗する為と言って武器を作り続ける事ができましたが、ソ連が崩壊してからはその言い訳も出来なくなったからか、アラブと永久戦争になりそうな戦争を始めてしまいました。
開戦の理由はそのつどそれないりにつけるけれど、次から次に戦争をしています。
昔アメリカは徴兵制の国だったけれど、徴兵制だと反戦運動が激しいので、
ベトナム戦争以後徴兵制をやめにしたのだそうです。
そうすると兵士を希望する者があまり無く、人員が全然足りない為、
民間の軍人派遣会社を許可する事にして、軍人をまかなうようになっているらしいです。
日本人を国際協力という名の下、駆り出す事ができたら、
軍事会社の職員に出す給料の何分の一かでまかなう事がでると思えます。
アメリカは日本政府に憲法9条の改正をさせたくて仕方ないのです。
そして憲法改正に手間取っている間も待ちきれないで、理由をつけて外国に進軍するように仕向けて、なし崩し的に自衛隊の海外派兵を容認させようとしている模様です。
そういう情勢の下でのソマリアへの海賊退治の出動です。
ソマリアを避けて迂回しても、日本としてかかる費用は返って安い位だと思います。
>自衛隊を派遣して、反乱民を蹴散らしてしまえ、何でこんな例え話になるのやら?
との疑問をお持ちのようですが、
「海賊けしからん」から
「日本がこの国の資源の採掘権を買ったのだから、例え現地民が公害に苦しんでいるからと言って、それを暴力で邪魔するとはけしからん」に向かうにはそれ程の時間はかからないと思えるのですが?
要するに自分に都合の悪い事態を、軍事力と言う暴力で解決しようと言う考え方は今後日本は取らないと、憲法9条で謳っているのです。
日本だけが平和ならよいのかと言われますが、日本だけでも平和な方がそうでないよりはよ良いのではありませんか?
世界の警察よろしく外国を制裁などしていて、良い結果が生まれるでしょうか?
アメリカ人はこりごりしておられるようですよ!
生物は生まれた所の環境にしたがって生きるしか道は無いのです。
今の世界に、残虐と不正義が満ちているからと言って、生まれた以上生きていかなければなりません。
(これはお釈迦様が悩まれて出家された原因のひとつ「生」の問題でも有りましたね。
尤もお釈迦様の悩まれた「生」弱肉強食は、人間界の事では無くて、動物を含む世界の事だったのでしょうけれど)
だから日本人としては、出来うる限り残虐な事にかかわらないように勤めて、
人類の生を豊かにする物を開発し、作り続けていくということで良いのではないでしょうか