2024年11月2日映画八犬伝について、いろいろぼやきました。
しかしまだ何か虚のパートについてしっくりきません。
今日一日城攻めしながら、いろいろ考えて、ようやく引っ掛かったところが分かりました。
再度おつきあい下さい。NGな方はパスしちゃって下さいね。
ポイントは、やはりことの発端なのです。
もう一度おさらいしましょう。
里見義実の経歴は以下の通り。
若くして結城合戦に父と参加、落城して父は戦死、重臣と相模に落ち延びる
白龍を見て、安房に渡り、安西と麻呂に知己を得るが、無理難題を言われ途方に暮れるところを金碗孝吉に助けられる
人食い馬の山下定包を倒して、長狭郡と平群郡を手中にするが、ここで山下の愛妾である玉梓の呪いを受ける
安西と里見は交互に凶作となり、里見家は安西を助けたが、里見家の時には援助を受けられず困窮する。更に安西は攻めてきて、里見は滝田城に籠城する
ここで、里見義実は八房に安西を倒せば伏姫を嫁にやると戯れ言を言う
八房、安西の首を取り、里見家は戦に勝って安房一国を手に入れる
ということです。
一方映画では、すでに安房のどこかの領主である里見家は、安西に食糧を貸し与えたのにも関わらず、逆に攻め込まれた
一週間の籠城で困窮した里見義実は、安西を倒せば伏姫を嫁にやると戯れ言を言う
八房、安西の首を取り、里見家は戦に勝つ。ここで安西の愛妾である玉梓の呪いを受ける
良く似ていますが、違うところが分かりますかね。
物語では八房はすでに呪いを受けており、それで人語も解する様になって、安西を倒し伏姫に執着する。
映画では八房は呪いを受けておらず、なぜか人語を解して、安西を倒し伏姫に執着する。
(もっとも玉梓の死後、呪いを受けたのかもしれませんが)
呪いの発動時期が違うんですよ。
これがスッキリしないところなんでした。
玉梓の呪いを受けて、煩悩の犬の呪いを受けたからこそ、八房にも不思議な力が宿り、伏姫を妻としたのに、映画ではそこがスルーされていました。
魔性の犬八房がなぜ人語を解して、安西景連を倒したか。
玉梓の呪いにより老狸によって育てられたからです。そして、里見家の姫に恋慕して遂には妻としてしまったのです。
やっぱりここが描かれていないとダメだと思うんですよね。はあーさっぱりしました。
蛇足ですが、映画の中で、馬琴翁はこう言っていました。
キッパリと安房には行ったことがない(笑)
そして葛飾北斎に鉄砲っていつ伝わったんだ、と聞かれて、
キッパリとこの話の70年ほど前だな(笑)
虚の世界だからいいんだそうです。嘘も方便なんですかね。
でわ!
200年も前の事ですしね…
戦も無くなった泰平の世に、鉄砲は薄れたものになってたんでしょうね。
ちょうど今、西南の役の話をする感じでしょうかね?
二つ玉が謎なのも、それもありですね。
なぜなに八犬伝Ⅲで記したのは、
③鉄砲伝来の謎
鉄砲伝来は、通説では1543年天文12年8月25日、大隅国の種子島、西村の小浦に一艘の船が漂着したことが、始まりとされています。
えーと第十三回で金碗大輔が鉄砲を撃ったのは1458年長禄二年ですから、あれ?計算が合いませんよ。
85年くらいですから許容範囲ですかね。
そこ、変だとわかってて、北斎は指摘するために聞いた?
どうなんでしょう?
芳流閣(まだ未訳ですが)の信乃対現八戦前とか。
確かに、北斎は伏姫が昇天する話の後で聞いていましたので、時機が気になって聞いたと思います。