そろそろ、新しいアンプを作ろうと思っています。
先日オークションで落札したステンレスシャーシのアンプをしばらく触っていたのですが、シャーシ上の球の構成が、パラプッシュであり、かつ出力トランスが、10kΩppの構成、しかもトランスが大きいなどデザイン上の制約もあり、すぐに別の球を使って何かできるような構成になっていないことが判明し、ちょっとこのアンプを再構築するのは難しそう、という判断をしました。
そこで、この夏休みを利用し、新しいアンプを組むことにしました。
決まったのは、”800”という球を使用したダイナミックカップリングによるシングルアンプです。
800という球は、下記に示すようなナス型の送信管で、グリッドとプレートキャップが頭に突き出た形の球です。ご多分に漏れず内部抵抗が高く、グリッドを正バイアスで使用するか、プレートに高電圧を印加しないとプレート電流が流れない球ですが、その容姿は、如何にも真空管然としており、ザ真空管の称号を与えても良いほどの形をしております。
そして、あの宍戸アンプ(いわゆるイントラ反転型アンプ)にも使われているほど知る人ぞ知るような球で、オークションでもかなり高額な球の部類に入ります。
この球を入手したのは、もう15年以上前になると思いますが、ニューヨーク在住のアマチュア無線家からebay経由で購入しました。2本の落札でしたが、5‐6本持っているということだったので、全部くれとお願いし、落札金額×本数で購入しました。現物はまだ倉庫に置いてあり、写真はまた今度にでも。
先方からは「こんなに沢山買ってどうするんだ」とのことでしたが、アンプを作ると説明し、完成したら見せてあげるよと伝えて、しばらくメールのやり取りをしていましたが、その後15年ほど何も進捗がなく、連絡も終わってしまいました。
以来このことが気になっていましたが、なかなか作る機会がなく、放置されたままでしたが、この際と思いようやく重い腰が上がりました。
そこで、まずはこのアンプの回路(仮)とシャーシの設計図を夏休み前半に製作し、昨日今日でシャーシの加工、まだ継続中という状況です。
では、作業の様子です。
まずは、いつものようにアルミの角パイプを切断します。
今回はシャーシの部材にいつもオフ会会場を提供いただいている堺のA氏からいただいたものを使用してみます。
これに切断したアルミ角材を合わせてみますと、シャーシのようになりました。
そして穴あけです。
小さな穴はドリルで開けるだけですのでらくちんですが、この作業だけで1日が終わりましたので、夜に再度シャーシの状況を確認しました。
とまあ、こんな状況でシャーシの加工を傍から見ても何も楽しくないですが、作っている本人は大変です。暑くて汗だくになりながら、また近所にパワーツールの騒音をまき散らしながら作業しています。
なお、上記の写真から、鋭い方はお分かりになるかもわかりませんが、出力管サイズの球の配置が2つと、MT管が2つの構成にしており、800アンプが飽きたら、出力トランスを同サイズのプッシュプル用に変更して、プッシュプルアンプも楽しめるように設計しております。
シャーシはモノラル構成で、これを2台加工しています。ちょっと電源トランスと出力トランスが近すぎて、しかも電源トランスの向きを考慮していないのでノイズを心配しており、設計ミスの可能性もありますが、もうここまで加工してしまいましたので、まずは作ってみます。
続きは、また明日にでも。