Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

次の真空管アンプ、何しようかな。

2021-08-08 22:55:02 | 自作真空管アンプ

今日は次に製作するアンプを検討しようと思い、実験用に使うアンプを整備しました。

元は、2016年頃に製作した、下記写真のVT-25ドライブ300Bシングルアンプでしたが、いまいちな音質で製作後しばらくしてアンプの実験ステーションと化しました。

実験ステーション後の様子。

中身は、いろいろな球で実験などを行っていたため、もうぐちゃぐちゃ。

これをまた別の球で実験するため、きれいに整備します。

さて次のアンプですが、どんな球を使うか、まだ決まっていません。今のところは、UYソケットを使用する出力管を候補にしようかなと思っています。UY型の出力管はいろいろ種類がありますが、相対的に見てあまり人気がないように思います。なにゆえにかというと、オークションの落札価格がそれほど高くならないからです。面白そうな球は結構あるのですが。

例えば、代表的なのは、UY-807で、これは6L6の改良版。ザ・真空管というようなスタイルが見栄え良く、4つ並べたプッシュプルは壮観です。ただ、この球もポピュラーな割にトッププレートだったりしてあまり人気がないようです。807と同じような球で、HY-69という球があります。これはHytronの球ですが、トリタンフィラメントを持った直熱5極管になります。

また、面白いところでは、46という球。これはダブルグリッド管でその名の通りグリッドが2つあります。この2つのグリッドの接続方法で、A級増幅用、B級増幅用と別の特性の球として作用します。あるいは、通常の4極管みたいにG2を一定電圧にした使い方をするのも面白いかもしれません。A級増幅用として動作させた場合、45のような特性とのことですが、本当でしょうか。その辺も確かめられれば。今から25年ぐらい前に一度製作しましたが、結構いい音だったように記憶しています。

あとは、306A、307Aという球があり、807ような外観ですが、こちらも直熱5極管になります。開発はかのWestern Electricのようです。プレートが大きく、いかにも送信管のような感じの球ですが、増幅管としても音は良さそうな印象です。

あと800番代では、814という球があります。この球は、かなり大型でクラスとしては211や845のような球ですが、ソケットはUYとなんだか尻すぼみな球です。3極管接続時の特性は、直線性がよく使ってみたい球の1つです。折角なので以前測定した3結特性図と211との比較写真をUpしておきます。

814(T)の特性曲線です。

フィラメントは、確か211などど同じなので、今回の実験ステーションでの使用は規模的には無理かなと思っています。

その他、47など、6F6の原型といわれている球もありますが、いまいちパッとしない感じのようです。さあどうしようか、悩み中ですがとりあえず何かやってみようかなと思っています。

ということで、また今度。ではまた~。

 

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古いトランジスタアンプ(Sound SAQ-202)のレストア・改造(Part3)

2021-08-07 22:25:40 | トランジスタアンプ

前回(Part2)までに一通り修理して、音が出るところまで対応しました。が、残念なことに強烈なノイズが片側chから発生し、恐らくトランジスタの劣化から来るノイズだろうと予測しました。

そこで、どのトランジスタがノイズの発生源になっているのか、確認していくこととしました。これは、トランジスタを別のものに入れ替えて確認していくのですが、数が少ないので案外あっさりと分かりました。出力トランジスタのドライバーである2SB56が原因のようです。

下記写真の左手側のトランスのすぐ近くにあるトランジスタになりますが、ここをシリコンのPNPトランジスタに置き換えてやると、強烈なガサガサ・ゴソゴソノイズはなくなり、一応聞けるようになりました。

しかし、残念ながらまだ少し、カサカサ・コソコソというノイズが。どうも、前段のトランジスタにも不良があるようです。

仕方がないので、ここもシリコンに変えようと検討しました。しかし、ただ交換するだけでは芸がないので、ここはひとつトランジスタのオス・メスを組み合わせてもっとシンプルな回路を実現しよう!と。

ここで、ネットから拾ったSAQ-202の回路を示します。すべてゲルマニウムのメス(PNP)型のトランジスタで構成されており、各段はカップリングコンデンサを介したAC結合となっています。これを真ん中にオス(NPN)型のトランジスタを入れることで、回路はもっとシンプルになります。

なお余談ですが、実際の回路と下記の回路で若干の定数の違いがあることがわかりました。いちいち記録していないので、どこかは忘れてしまいましたが。

 

この回路を下記のように全段直結回路へ。手持ちのPNPタイプのトランジスタに小さいのがなかったので、見たは少し目ちぐはぐになりましたが、ちゃんと機能するのでまあよしです。初段の2SA1280の抵抗値はオリジナルの回路と同一です。またトーン回路はなくし、初段のみのNFB回路としました。電源も、前段とドライバー段で電圧が異なっていましたが、全箇所同一電圧(-20V)を供給しています。

また電源回路もオリジナルの回路はやめて、下記のようなトランジスタによるリップルフィルタを追加しました。

で完成したのが下記の写真です。

上の写真のようにかなりシンプルになりました。

さて、早速音質チェックですが、前の状態(カサカサ・コソコソとなっていた状態)と比較し、一気に中低音に量感が増した感じです。

一方、中高域ですが、ほんの少し安っぽい音かなという印象。最近の低ビットレートの圧縮データの音と似ています。この音は前の状態と同じで恐らくトランスがこの音の原因ではないかな、とにらんでいます。NFBを出力から初段にオーバーオールでかけて、改善したかったのですが、うまくかけることができず、上記の回路のような部分部分でかけるNFBとなりました。

キャロルスローンや平賀まりか(ボーカル)では、結構いい感じでなっていますが、村治佳織のギターの音はあまり好みの音でなってくれていません。

しかし一方で、この安っぽくて古い小さなアンプでこの音?という見た目のイメージとのギャップが結構楽しませてくれます。なかなか面白いアンプになりました。

残念ながら電源SWを入れてアンプが安定するまで少しスピーカからハムが出るのが傷です。何とかならんかな、と思っている次第です。

ではまた~。

 

 

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古いトランジスタアンプ(Sound SAQ-202)のレストア・改造(Part2)

2021-08-01 17:52:33 | トランジスタアンプ

昨日からの続きですが、こういう古くて錆だらけの汚いアンプは、まずはきれいに磨く必要がありますので、シャーシの錆落としと、全体の洗浄、再塗装です。

幸いにもシャーシはすべてねじ止めされており、ねじを外すとすべてのパーツに分解できるようになっていました。

下記は前面パネル取り外しで、スイッチやボリュームのパーツを外しているところ。

前面パネルが外れました。

次に背面。TO-66型のトランジスタのネジを外します。出力段は、三洋電機のゲルマニウムトランジスタ2SB474のSEPP構成。段間トランスで、位相反転回路を形成しています。まるで真空管アンプのような回路です。

次に基板も外していきます。

ついにシャーシだけとなりました。錆が目立ちますので、これをサンダーできれいに磨きます。

細かい部分は手でも磨きます。

そして塗装します。シャーシ類は、”プレサフ”(下地処理剤)をぬります。

ふたの部分は、オリジナルと色は異なりますが、濃いグリーンです(が、どう見ても黒に見えます)。

そして基板もきれいにするために、基板を水で丸洗いします。昔の製品は、今のように細かい部品もなく取り外しやすいですが、濡れたらダメな部品以外はそのままです。トランスは、案の定、コアがさびていました。心配なのは断線かショートですが、これは大丈夫でした。写真は撮っていませんが、コアの錆もある程度落とし、基板もこの後水洗いしてきれいにしています。

そしてこの基板の電解コンデンサも取り外し、丸洗い後、再度、部品を組みつけていきますが、電解コンデンサはやはりすべて不良でしたので、新しいものに付け替えます。ソリッドタイプの抵抗も抵抗値がずれているものがありましたので、変更。

その他、電源回路もコンデンサが心配なので、すべて取り外し、新しい部品で再構成しました。途中経過の写真は撮り忘れたたため、完了後の写真を載せます。

上の写真が、オリジナル回路に沿って修理したアンプになります。全体的に磨いて塗装したのできれいになりましたが、その後、音出しをしてみると、片方のCHからガサガサ、ゴソゴソと強烈なノイズが・・・

このノイズは恐らくトランジスタがもう劣化しているため発生するのでしょう。といっても部品がない。前段のトランジスタは、2SB54と2SB56で調べてみると昔はポピュラーだったようです。今更入手も面倒なので、ここはひとつシリコンで置き換えようかと思いますが、PNP型はあまり持っていなくてどうしようかなと思案中。また次回何かできれば。ということで、オリジナル回路での修理は終了。あとはノイズをどうするか、また考えます。

ではまた~。

 

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