Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

次のアンプに向けた準備、球くらべUY-510B編(その1)

2021-09-18 22:43:15 | 自作真空管アンプ

いよいよこの球比べも最後の球となりました。

最後の球は、型番を伏せていましたので、数あるUY型の中でどんな球になるのか少しでもご興味いただいている方がいらっしゃれば、大変うれしく思います。

その球は、タイトルにもありますようにUY-510Bという球です。

これは日本が開発した5極送信管で、私の手持ちにはマツダと理研のものがありますが、同一メーカで2本は持っていません。

球自体は戦前の開発と思われ、ネットで調べたところによると、”94式3号甲無線機”という、わが帝国陸軍が開発した中距離用無線機に採用されていたようです。

ここでUY-510Bの写真を、他の球と比較する形で載せておきます。

真ん中2本のデカいのが、UY-510Bで左手側から理研、マツダとなります。

ちなみにこの”94式3号甲無線機”は、昭和6年から開発が開始され、送信出力10W、送信周波数は400kHz~5,700kHz、騎兵旅団司令部と直属指揮官、師団騎兵または騎兵斥候との間で連絡を行うための無線機と位置づけられていたそうです(Wikipediaより)。

まだ大戦に突入する前の開発による真空管で、真空管を見ると当時の技術力の高さをうかがい知れます。写真を見ても、他の列強の球と全く遜色なく、後の大戦によりほとんど失われた球となっていることが残念です。私の手持ちの球は、マツダが昭和14年12月製と記載があり、まだこのころはこんな素晴らしい製造技術があったのだと実感できます(理研の球は製造年は不明)。なお、当時の歴史を確認すると昭和14年に第2次世界大戦勃発、翌15年に日独伊三国軍事同盟条約調印、昭和16年には、日本は真珠湾攻撃を行います。

主にその造りがわかる写真を載せておきます。

さて、これをオーディオ用に料理するにはその特性を知っておく必要があります。そこでいつものように、3結特性を測定してみました。下記がUY-510Bの3結特性になります。

ここで、もう一つの理研の球も測定してみましたが。

なんと下記のようにグリッド電圧-20~30Vでプレート電圧が高いところでは、放電による動作不具合が発生しているではありませんか。ま、これは古い球ですし仕方ないのですが、うまくアンプに使うことができるのか・・・

(なお、下記の写真は、デジタルオシロで測定した素のままの状態。上の図は、こういう図を手書きで加工しているのできれいに見えます)

この放電が心配ですが、次回はとりあえずアンプに組んでみてうまくいくかの確認と、成功すれば音質の確認と行きたいところ。それはまた明日の続きということで。

お楽しみに~。

 

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神戸で小鯖釣り

2021-09-12 21:26:08 | 釣り

久々神戸に釣りにやってきました。

親父が車の免許を返上して好きな釣りにも行けなくなったので、連れて行ってあげようと近場の神戸に。以前近所の人とよく来ていたそうですが、もう近所の人も入院したりの状態。

私も数年前1回来たことがるのですが、全く場所の記憶がなくさっぱりわからなかったので、親父の記憶に頼ることに。車を返上したのはもう認知症が結構進んで、息子の私の名前さえもよくわかっていない状況で、車なんかとっくに乗れなくなったからなのですが、この状態で以前の記憶に頼り場所を特定するのは至難の業。

トンネルがあり、近所にコンビニがあるところ、だそうで・・・

確か空港の近くにそんなところがあったかもと、とりあえず空港に行ってみることに。そして確かにトンネルがありました!早速くぐり、出口は空港かそうでないところですが、空港でさすがに釣りはしてないでしょうし、空港でない出口を出ると、なんとセブンイレブンが!

そこの近所の波止場が、以前来たところのようで、首尾よく釣りができました。私も何となくそういえばこんなとっころだったと記憶がよみがえってきました。

早速、サビキで釣り開始。1本竿を作り、次の竿の準備のため餌もつけずに海中に垂らしていたら、いつの間にかサビキに魚が食いつく状態。もう入れ食いです。

20㎝ぐらいの小鯖が沢山いてほんの2時間程度でクーラーがいっぱいになりました。

釣果は御覧のように小鯖ばかりで100匹以上。この時期の小鯖は、脂の乗りも悪くおいしくないそうで、不人気なのだとか。本当はアジがよかったのですが、親父は大満足のようで、めでたしめでたし。

釣果がよかったので、また数週間後ぐらいに来てみよう。次はアジか大きくなったサバか釣れるかも。

サバは、母が3枚におろしたものと、つみれにしたものを奥様が竜田揚げと、つみれ汁に料理し、皆でおいしくいただきました。

 

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次のアンプに向けた準備、球くらべHY-69編

2021-09-11 21:05:26 | 自作真空管アンプ

ようやく楽しみにしていたHY-69の音の確認ができました。

まずは、HY-69の写真を。

HY-69は、モバイル用途で使用される、AF, RF用の直熱ビーム管です。モバイル用途では即起動する必要性があるため、スタンバイ状態時にはフィラメントの電源を切っておき、動作時はONにすると即起動できるというわけで直熱管となっているようです。また特徴的なこととして、HY-69はトリタンフィラメントを持っており、その明るさは電球なみに明るく、うす暗い部屋で静かに音楽を聴くには目の保養にもなり、よいかもわかりません。HYTRONにはほかにも同じような用途の球でもう少し小型のHY-65や、5516という球も存在しています。

しかし、この大きさでモバイル用途という通信機はいったいどんな大きさになるのでしょうね。車載用ということなんでしょうか。モバイルという言葉に隔世の感があります。

さて、回路は基本的には307Aと同じですが、フィラメントは、0.6Ωに0.49Ωをパラって使ったので、PMC-170Mの6.3V-3Aのヒータ巻線には、約0.27Ωを繋いだ状態でブリッジダイオードに接続し、10,000μFで平滑化してちょうど直流の6Vが得られました。

ただし、やはり内部抵抗が高めなので5kΩのロードラインでは、出力を大きくすると1Wを超えたぐらいで、正弦波の片方が飽和してしまうようです。ま、しかし試聴は1Wも出力を出さないのでこれで十分です。ちゃんと製作を考えている方は、5kΩよりも大きめの負荷抵抗とした方が良さそうです。

出力1W時の波形と、1Wを超えたあたりの波形を写真に載せておきます。

さて、いつものように試聴は下記の実験ステーションで行いました。フィラメントがまぶしい~。

試聴結果は、下記のようになりました。

今までで一番の高評価です。ちゃんと低音がしっかり出ていて、音の全体的なバランスがよく、この辺りが高評価につながりました。もっとちゃんと組めば結構よい音になるんじゃないでしょうか。

あ~、いよいよ次の球でラストになりました。ちゃんと音が出るのか不安ですが何とか頑張ってみます。

 

この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

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次のアンプに向けた準備、本日休業

2021-09-05 21:26:07 | 自作真空管アンプ

テレビでは、ワクチンの予約さえできないとか、まだ打てない人が多いようですが、うちは、私が2回目はお盆休みのうちに完了、そして昨日は、うちの奥様が2回目の接種を済ませました。私はモデルナだったのですが、40度近く発熱しダウン。一方、奥様は接種会場が異なりファイザーのもの。ファイザーは副反応がまだ優しいとのことだったのですが、今日は奥様も38度ほどに発熱しダウンしました。

そこで、今日は家事やらなにやら忙しく、趣味どころではなく休業としました。

ただ、次の予定のHY-69の特性曲線を測定しており、こちらの掲載と、若干の机上の解析結果を記載しようと思います。

まずは、HY-69の3極管接続特性です。

ぱっと見、曲線が横に寝ており、やや、プレート内部抵抗が高めの印象があります。送信管によくある特性かもしれません。わかりやすいところではVT-62(801)なんかも横に寝転がった特性ですが、こちらはHY-69よりもっと内部抵抗が高い球ですね。

一方、昨日確認した307Aは少し異なる性質で、電圧を上げればそれに応じたくさん電流が流れましたので、受信管に近い特性かもわかりません。

以下が、それぞれの解析結果ですが、プレート電圧250V近辺ではHY-69のプレート内部抵抗rpは1.72.1kΩ、307Aは1.3kΩ、μはそれぞれ、6.5と7になりました。

 

HY-69の場合、負荷インピーダンスが5kΩだと、出力が十分とれないかもしれないですが、まあ、小出力で音質を確認するだけなので、問題ないでしょう。というよりもこの内部抵抗などの影響がどう音質に影響するかですね。VT-62のような感じの音に近いのでしょうか。少し楽しみです。

(一部、HY-69の内部抵抗計算で数値の読み取りミスがあり訂正しました)

 

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次のアンプに向けた準備、球くらべ307A編

2021-09-04 19:41:39 | 自作真空管アンプ

早いもので9月。最近は関西では雨が多く、じめじめした日々ですが、ようやく涼しくなり秋の気配が感じられるようになりました。今日は、307Aの音質比較を行いました。

まずは、307Aの写真をどうぞ。

前回のブログでも書きましたが、307AはRF・AF増幅用真空管で、フィラメントが5.5V-1Aの直熱管です。トランスの6.3Vの巻線には、減圧用に0.6Ωの抵抗を接続し、その後にVf=1Vぐらいのブリッジダイオード、フィルタに10,000μFのコンデンサをつけて、ちょうどいいフィラメント電圧にすることができました。

外観は、ST-16のサイズでトッププレートタイプ。プレートは5段リブ入りでごつい大きさがいかにも送信管らしく、また、その中にあるフィラメントも4往復しており、造りは結構手が込んでいます。恐らくは、価格もそこそこ高かったのではないでしょうか。

フィラメントの様子を下記に載せておきます。

さて、手持ちの307Aは、Ken-RadとSylvaniaのものですが、まずは、この2つで比較し、よかった方をメインの球比べ用としました。

心の中では、グラスにカーボンが塗布されたKen-Radが勝ちかなと思っていたのですが、結果は、Sylvania製に軍配が上がりました。以前、2A3でカーボンが塗布されたKen-Rad製とSylvaniaの釣りフィラメントタイプを比較した際、Ken-Radに軍配が上がったのですが、今回は違う結果になったようです。

そこで、Sylvania製でいつものように比較した結果、下記のような点数となりました。

直熱管だけあり、高域の透明感は良い評価です。また、出力も結構出せ、抜けの良さも感じられました。前回の47と比較して、抜けの良さだけ上回ったような気がしています。しかし、低音のボリューム感が今ひとつでもう少し欲しいところ、この点がよいと結構な高評価になると思います。

残すは、あと2種類となりました。そろそろ次のネタを考えておかないと・・・

 

この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

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