ようやく楽しみにしていたHY-69の音の確認ができました。
まずは、HY-69の写真を。
HY-69は、モバイル用途で使用される、AF, RF用の直熱ビーム管です。モバイル用途では即起動する必要性があるため、スタンバイ状態時にはフィラメントの電源を切っておき、動作時はONにすると即起動できるというわけで直熱管となっているようです。また特徴的なこととして、HY-69はトリタンフィラメントを持っており、その明るさは電球なみに明るく、うす暗い部屋で静かに音楽を聴くには目の保養にもなり、よいかもわかりません。HYTRONにはほかにも同じような用途の球でもう少し小型のHY-65や、5516という球も存在しています。
しかし、この大きさでモバイル用途という通信機はいったいどんな大きさになるのでしょうね。車載用ということなんでしょうか。モバイルという言葉に隔世の感があります。
さて、回路は基本的には307Aと同じですが、フィラメントは、0.6Ωに0.49Ωをパラって使ったので、PMC-170Mの6.3V-3Aのヒータ巻線には、約0.27Ωを繋いだ状態でブリッジダイオードに接続し、10,000μFで平滑化してちょうど直流の6Vが得られました。
ただし、やはり内部抵抗が高めなので5kΩのロードラインでは、出力を大きくすると1Wを超えたぐらいで、正弦波の片方が飽和してしまうようです。ま、しかし試聴は1Wも出力を出さないのでこれで十分です。ちゃんと製作を考えている方は、5kΩよりも大きめの負荷抵抗とした方が良さそうです。
出力1W時の波形と、1Wを超えたあたりの波形を写真に載せておきます。
さて、いつものように試聴は下記の実験ステーションで行いました。フィラメントがまぶしい~。
試聴結果は、下記のようになりました。
今までで一番の高評価です。ちゃんと低音がしっかり出ていて、音の全体的なバランスがよく、この辺りが高評価につながりました。もっとちゃんと組めば結構よい音になるんじゃないでしょうか。
あ~、いよいよ次の球でラストになりました。ちゃんと音が出るのか不安ですが何とか頑張ってみます。
この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。