Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

現行システムの3ウェイ化(3)

2022-06-11 20:06:55 | スピーカシステム

先週から引き続き、スピーカシステムの3ウェイ化です。

先週オシロを繋いで波形の確認をしていましたが、ウーハとスコーカのクロス付近の波形を今日は確認していました。それらの波形が下記になります。

【800Hz】

【1kHz】

【1.5kHz】

【2kHz】

クロスオーバー周波数が1.4-1.5kHzなので、これより低い800Hzや1kHzあたりの周波数で位相がほぼ逆になっていることがわかります。12dB/octのネットワークの場合、位相が逆になるので、ドライバの接続は逆にせよ、というのは聞きますが、その通りの結果となっています。

で、うちの場合、逆にするとなんだかこもったような感じになり、これが何だろうな~、と不思議に思っていました。もう少し、カットオフを変えてみようかなと思い、スコーカのハイパスフィルタ側のコンデンサに下記のように緑のコンデンサ(3.3μF)を追加してみたりしていましたが、この作業によって原因が判明しました。

ネットワークを元に戻す際に気が付いたのですが、スピーカに向かって左手側のネットワークの接続で、スコーカの入力と出力が逆に接続されていたのです。つまりINとOUTが逆でした。ネットワークは、左右同じ向きに作ったのではなく、対称になるように作ったので、ボーっとしていて間違ってしまったようです。そのため、ドライバの接続を逆接続するとおかしな状況になっていたものと思われます。

また、測定はすべて右側のスピーカで実施していたので、左側は完全ノーマークでした。^^;

これを元に戻し聞いてみると、やはりスコーカの極性は逆にした方が、聴感上、良い音となりました。ツイータは元通り同相接続に戻します。

これでしばらく聞いていましたが、前回記載したような低音がなぜかしっかりしたように聞こえるようなこともなく、なんだかかなり聞きやすくなりました。恐らくは、クロスするあたりの周波数が打ち消されてしまったため、より低い音が強調されてしまってそのように感じたのではないかと思います。

ともあれ、とりあえずはこの状態で、もう少し確認してみたいと思います。

 

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現行システムの3ウェイ化(2)

2022-06-05 18:52:41 | スピーカシステム

昨日は、とりあえず3ウェイ化を行いましたが、今日は測定と試聴を行いました。

が、当然昨日の内にある程度確認しています。その際、ちょっとツイータの音が気になっていました。なんだかシャキシャキしないメリハリのない音だなあと。

そこで、コンデンサを変更しました。元のコンデンサは誘電体がポリカーボネートのフィルムコンデンサでしたが、同じ容量のオイルコンに変更。古そうな外観なので、多分オイルペーパーコンではないかと。

そして、計測開始。計測はいつぞや実施した方法で行いました。こんな感じでスピーカの前にノートPCを置き特性を確認しています。

まずは、ツイータの特性を計測。赤のラインがツイータの特性です。

そしてスコーカの特性。ピンク色のラインがスコーカの特性です。

この2つを合成すると下記になります。

この状態では、スコーカが高域に伸びすぎていてツイータと重なる部分が結構あります。音的にもあまり良い音だとは思いませんでした。そこで、スコーカのローパスフィルタのカットオフ周波数をもっと下げます。コイルの手持ちは少ないので、7.1μFのコンデンサを追加し、合計9.1μFとしました。下記の回路赤枠部分が変更点です。

そこで、再度確認してみます。スコーカの特性が下記のようになりました。

これをツイータと合成してみます。ついでにウーハ(青のライン)も合成しました。

先ほどよりスコーカとツイータが交わる部分が減りました。しかしツイータのレベルが少し高いようなので、抵抗を調整して下げます。

結構よくなりました。が、聴感上は、もう少しツイータが強い方が聞きやすいかもわかりませんので、ここは音質を確認しながら調整です。

ここで実はまだ変えたところがあります。ツイータの極性を逆接続にしてみました。なんだかうまく言えないのですが、逆にした方が音がよかったからです。

そうすると、各ユニットの位相はどうなっているのだろうと、気になってきました。そこで、スピーカの出力を拾うのは難しいのですが、スピーカに加わる電気信号は手持ちのオシロで確認できますので、色々な周波数の正弦波を入力して確認してみました。

こんな感じで、各ユニットに加わる電気信号をデジタルオシロに取り込み、位相を確認してみます。

ウーハとスコーカのクロスするあたり1.5kHzでは下記のような波形が計測出来ます。因みに色は、ウーハが黄色、スコーカが青色です。

1/4波長90度?ぐらいずれているのかな。

次にスコーカとツイータのクロスするあたりの6.5kHzです。赤がツイータです。

位相ずれは135度ぐらいでしょうか。合成すると、お互いの波形を弱めあう方向になると思います。これがツイータが正相接続だと強め合う方向になると想像できます。このことが音質に影響していたのでしょうか。

とにかく、これで一応完成。

早速試聴をしていますが、今までよりも一気に帯域が広がった感はありますが、音はまだ細かな調整がいりそうな気がしてます。また高域を追加したのになぜか低域がしっかりした感じがします。しばらくはここから細々と触って楽しめそうです。

ところで、昨日オーディオオフ会のS氏宅のスピーカについて少し記載しましたが、S氏宅のスピーカシステムは、2ウェイでした。S氏宅のドライバは驚異の性能で、私も欲しいのですが、ホーンからすべて交換が必要になりますので、あまり考えないようにしています。

 

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現行システムの3ウェイ化(1)

2022-06-04 22:25:36 | スピーカシステム

現在使用中のオーディオシステムで今までずっ~と気になっていたことがあり、やろう、やろうと思っていたことがありました。それは、スピーカシステムの3ウェイ化。なぜ、3ウェイ化にしようとしていたかと言いますと、オーディオオフ会に出席するたびに自分のアンプの音の傾向がわかり、改善点が見えてくるのですが、悲しいことに自分の家ではものすごくよい音でなっているのです。他のアンプと比べるから違いが分かる、というのはあると思いますが、それでも、何か欠けているものがあるのではないかと疑心暗鬼になるものです。

この疑心暗鬼というのは、オーディオの怖いところで、何せ、オーディオには”絶対”というものはなく、”相対”的なもので、比較して初めて気が付き、「あのシステムよりも良くしよう」と思うと、何から始めていいのやら。とにかく違いを見出そうということで、まずはわかりやすいスピーカシステムが気になっていた、というわけです。

しかし、今使用しているシステムは2ウェイですが、本当は、自分にとってはこれで十分耳なじみのいい音なのですが、まあ、気になるならやってみようと。ただし、スピーカシステムを考えるなら、それこそユニット丸ごと全部オフ会のS氏宅と同じものにしないと意味ないのかもわかりませんが、”安月給+子供の学費で汲々+家狭”のサラリーマンには無理な話なので、とりあえずはシステムの再生帯域が伸びるであろう3ウェイ化に対応です。

前置きが長くなりましたが、まずは、クロスオーバーネットワークの改造とツイータの追加になります。

現行のシステムから追加する部分は下記の赤枠で囲んだ部分になります。

ドライバ類も本当はもっといいものが欲しいのですが、今は銭なし!

今回追加するドライバーユニットは、今は無きコーラルのH105ツイータです。このユニットは、私が16歳の時に長年貯めていたお年玉をはたいて買ったものです。当時は1個ちょうど1万円でした。日本橋の河口無線で購入。その他、ウーハ類も購入し、全部で10万ぐらい使ったと思います。当時は結局、ウーハにFostexのFW407(¥4万ぐらいだったけ?)にしましたが、TADのTL1601a(確か¥6-7万ぐらいだったような)と悩んでいた、今よりも羽振りのいい高校生でした。

当時は、38㎝のウーハに、ホーンを使った3ウェイが夢でしたが、予算の都合でウーハとツイータしか買えず、このシステムで2ウェイで鳴らしていました。小中学校の時、日本橋に出向いては、ショップで売っているスピーカユニットがまぶしく見え、いつかはこういうので鳴らしたいと思っていたものです。ラジオのパーツの購入で通ったスズキ無線(だったか?)にもユニットが沢山並べて販売されていましたが、ある時、すべて格安で販売されていました。コーラルのベータシリーズのユニットや、部品類がすべて格安です。なんだか店じまいするとのことだったのですが、当時は中学生くらい(80年代半ば)だったのでぴんと来ず、今思えばこの頃がオーディオが廃れ始めた時期だったのかなと思います。

ウーハはとっくに手放し、H105だけ残っていましたが、今の手持ちは悲しいかな、これが一番性能が良いものです。

では早速、クロスオーバーネットワークの製作開始です。

部品類も、悲しいかな、コイルは別のスピーカシステムで使用されていたものから取り外した物です。まあ今回は、周波数の高い領域で使用するものなので、コイルは小容量のものでよく手持ちの部品で済ませましょう、と言い聞かせます。

まずは、土台作りから。2つに分けた土台の板をサンダーでさっと磨きます。

そして塗装。何事も外観は重要。

部品を組みつけていきます。この土台は、ツイータのクロスオーバーネットワーク用です。

とりあえず、ツイータ用は完成。

そして、スコーカ用のクロスオーバには、ローパスフィルタを追加します。

そして、システムに組み込んでみました。

前から見ると、こんな感じです。

ということで、今日は、システムの3ウェイ化の改造を行いました。次は、測定と試聴になります。次回また。

 

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