小池知事の本質はテレビのメインキャスター(MC)であると、著書『ハダカの東京都庁』にも書いたとおり、メディアを操る術で彼女の右に出る者はほとんどいない。
毎週金曜日に開かれる記者会見では、自分に好意的な記事を書く記者しか指名しない。登庁時や退庁時のぶら下がり取材では、質問に正面から答えずに論点をすり替えたり、質問に途中でぷいと背を向けて立ち去ることも珍しくない。
一方で、新型コロナウイルス対策を語る際には常に、菅義偉政権との対立軸を意識して、自身の責任回避に余念がない。
しかし最近は、その能力にも陰りが見えてきたように感じる。都独自の大規模ワクチン接種会場を巡って、右往左往ぶりが目立ったからだ。
かと思えば、築地跡地は東京オリンピック・パラリンピックの車両基地に使用するため6月末までしか使えないとして、今度はそのライブサイト会場の代々木公園で実施すると突如発表。これは、公園の樹木を剪定が必要だとする会場設営への批判を回避する魂胆が見え見えだった。
当初、大規模会場を設置しないとしていた小池知事だったが、他県が次々手を上げる中、突如、築地市場跡地でやると言いだした。
批判をかわすための思い付き発言が、さらなる批判を引き起こし、その批判を抑え込むために、次なる思い付きを口にする――。