11日朝、
居間に毛布を持ち込んで、アキルの横で寝ていたかあちゃんは
ガタガタという音で目が覚めた
気付くと、いつものケージで、チャメとチーちゃんが…
ゴハン、ゴハン! とブーイング…
いつものとおりのにぎやかな朝が始まった
ただ違うのは、アキルが二度と起きてこないということだけ…
まだ5時…
荼毘にふすのは廣済寺付属城東動物霊園で
3時に予約してあったので、Sさんと駅で待ち合わせ
アキルを入れた箱を手提げ袋に入れて、1時に出かけた
さすが、災害女のかあちゃん
はりきる時ほど雨が降り、
泣きたいくらい悲しい時ほど晴れてくる(-_-;)
電車の中で、ともすれば泣きたくなるのを我慢できず
友人に「なんとかしてくれ」メールをしていたら
隣で寝ていた3歳くらいの女の子がしっかり私にもたれかかってきた
窓からの日差しはきついし、女の子はあつい……
汗だく…
ちらっとその横にいる父親を見るに、
子どもなんかほっといて(じゃないだろうけど)、すでにしっかり寝ている
これも慰めじゃ と、友からのメール…
早稲田駅で、誰かがダイブして、命を粗末にしたらしく、
ダイヤが乱れているので、遅刻したらごめん、
とSさんからのメールが入った
捨てるんなら、その命、アキルにくれ!
Sさんとかあちゃんの切ない共通の思い
お寺の待合室の畳の上で、箱の中のアキルを二人で撫でながら
アキルがうちの子になってからの3年を思い出していた
さびしがり屋のアキルはほかの子と仲良くしたかったのに
片腕のないハンデのためにそれもかなわず
かあちゃん以外は、やさしいパフだけが唯一の友達だった
時々パフと一緒に昼寝しては喜んでいたが
あまりにべたべたとくっつきたがるので、
やさしいパフも根をあげ
はい、そこまでぇ
遊ぶのも大変だった
片腕を振り回して、ネズミのおもちゃをつかまえようと必死だった
ガシガシして要求することはなく
何かしてほしい時は、ケージの中から
ひたすら私を見つめる
ゴハンないの…
出してほしいの…
あのまなざしに、かあちゃんとことん弱かった
はいよぉ アキちゃん、ただいますぐに!
放牧途中の軍団を早めにケージに押し込め、アキルをだしていた
3時
アキルはお花に囲まれて、30分後にはお骨になった
翌日、最期を看取ってくれた病院から思いがけずお花が届いた
フェレットは、最近のペットなので
病気などの研究もまだまだこれから
アキルの提供した内臓は貴重な資料となるらしく、感謝された
まだ、病理解剖の結果は来ていないが
アキちゃん、最後に大仕事をしたみたいよ
おつかれさま