2006年7月12日
保護された時、
アキルの肩の傷口はまだ腫れていて診察が無理だったので
本当に右肩の手術が必要かを見極めてもらうため
7月に入って、再度病院へ連れて行き、レントゲンを撮ってもらった
事故か人による故意かはわからないが、
やはり手術はした方がいいということになった
肩の中に残った骨が、折れた木の枝のように尖っており
肩が何かにあたる度に内側から皮膚を傷つけていることがわかったからだ
アキルは腕がないから、
肩を床につけてトイレもするしびょこびょこ歩いたりもする
手術すれば、歩き回るたびに肩から出血してキィキィいうこともなくなる
いつ膿んでもおかしくない状況なだけに、手術は早い方がいいということで
すぐに予定を入れてもらい、一週間後と決まった
当日、アキルにはOさんはもちろん、Sさんとかあちゃんが付き添った
手術のために、前夜から絶食させられているアキルはご機嫌斜め
これから自分の身に何が起きるか知るよしもない
骨のヒビがどうなっているのかは開いてみないとわからないという
12時から始まった手術は3時間半かかって終わった
心配症のOさんはその間うろうろうろうろ
手術着のまま現われた先生は小さな器をもっていた
中に入っていたのは、黒っぽい肩胛骨だった
予想以上にヒビがひどく、肩甲骨をも取り除いたとのことだった
傷口がふさがれば、もう歩き回っても痛い思いはしなくて済みますよ
という言葉にほっとした
もうすぐ麻酔から覚めるとのことで手術室に入ると
ピンクのぶ厚いタオルが敷いてある50センチ四方のケージに入ったアキルが
目を閉じたまま3本の足をかたかた震わせて横たわっていた
麻酔から覚めるときの症状で心配ないということだが
見ているだけでつらい
首から胸にかけて10センチにわたる傷が痛々しい
小さな体に23針
覚醒しかけてきたアキルは、
狭いケージの中で震えながら立ちあがろうとして何度も転ぶ
それでなくても右肩が完全になくなり、バランスが取れない
自分の身に何が起こったのか、全然わからないんだろう
その日はそのまま入院となり、翌日退院となった
仕事で動きのとれないOさんに代わって、Sさんと二人で迎えに行った
アキルは強かった
痛がりもせず、気丈に元気な顔を見せてくれた
抜糸は二週間後
アキルに負担を与えないよう、なるべくキャリーを揺らさず、
時間のかからないルートを選んでOさん宅へ送り届けたが、
その後、抜糸までは我が家で過ごすことになった
つづく