現在、キャビネットを製作しております。
このような箱物の製作は、見た目よりも結構手間が掛かるもので、
設計は緻密に、墨付けは正確にしなければなりません。
一つのパーツに間違いがありますと、すべてに影響してきます。
(今回の基本設計は建築士の方から図面を頂いておりますので楽させて頂きました)
特に抽斗(ひきだし)や扉などが含まれてくると、
それはもう緊張した作業になります。
キャビネット作りには、棚や背板などの板材のパーツがあり、
本体フレームに溝を掘って、そのパーツを嵌め込んで組んだりします。
このような溝堀には、毎度おなじみ溝切りカッターの出番です。
今回は、自在カッターの紹介。
溝切りカッターに、自在カッターを取り付けたところ ↓
見た目は、普通の丸ノコ刃を小さくしたような感じですが、
よーく見てみますと目盛りのようなものが ↓
3から21までの数字があります。
これは、3mmから21mmまでの幅の溝が自在に掘れますよということです。
本来ならば、一枚一枚用途に合わせて、その刃幅のカッターを用意するのが理想なのですが、
個人でほそぼそとやっているウチとしましては、そういう訳にもいきませんので、
大変に有難いアイテムなのです。
どうして、たったコレ一枚でいいのか?
といいますと、この写真をよーくご覧ください ↓
わかりますか、
カーター刃が斜めになっています。
数字のメモリダイヤルを回しますと、
ダイヤル自体の厚みが変わるようになっており、
これに伴い、カッター刃も斜めになったりするのです。
ですので、スイッチを入れますと、カッターはグニャグニャとブレながら回転する訳です。
そのブレ幅分が、溝掘りの幅分となります。
そのため、回転中はちょっと振動がありますが、切削中はそんなに気になりません。
今回の使用箇所は、厚み12mmの本実加工板を、
キャビネットの背板として、フレームの内側四方ぐるりと溝を掘って嵌め込むため。
12mmの板材を嵌め込むのだから、溝掘りの幅は12mmでいいのかというと、
そうは簡単にいかず、プラスαした幅に設定します。
といいますのは、嵌める板材を塗装する場合、その方法や種類によって、
12mmの厚みが、実際の仕上がり寸法は、例えば12.3mmだったりする訳で、
さらに、嵌め込む時に、板材が反って変形していることもあり得るので、
スムーズに作業することも考慮して、この場合は12.5mm以上に設定しておくのが望ましいです。
理論上の数値は出ましたが、
本番前に、試し掘りをしておいて、板材の嵌め込み具合を確かめておきます ↓
緩すぎず、きつ過ぎず、材を滑らしてみて感触を確かめます。
まあ、手作業ですので、仕上がりには多少のズレは出てしまいますが、
このように一つ一つ注意を払って、誤差が少なくなるようにしていきます。
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