福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

板材への白色塗装

2012-12-01 00:26:35 | 日記

塗装といいましても、様々な種類と方法があると思います。

ウチでつくっている家具では、ほとんどが自然塗料のオイルで仕上げています。


まず、どうして自然塗料か?といいますと、

「エコで安心・安全」という、今ではすっかり標語みたいになってしまった理由

という訳でもありますが、体質的に化学塗料は苦手なんです。


気分が悪くなります、頭痛がしてきます、おまけに喉も痛くなってきます、という具合で、

あまり仕事にならなくなってしまうので、極力使わないようにしています。

まあ、気分的な問題でもあります。


今回は、オイルベースでの白色塗装をすることになったのでちょっと紹介。

数年前に一度、白色のオイル塗装をしたことがあるのですが、

思ったように白色にならなくて断念した記憶があります。


自然塗料のオイルだけでは強力な着色ができないのですね。

特に白色のように明るい色を、茶色の木材へ塗ってもうっすら白色が被る感じで、

白にはなりません。


ですので、その後、白系の着色をする場合には、割り切ってペンキを使っておりました。

ペンキの場合、極端な話、塗装する材は、木だろうが、鉄だろうが、コンクリだろうが、

なんでも有りで、塗ってしまえば下地の材の存在感は隠れてしまいます。

木材の個性が隠れてしまうのは、ちょっと残念な気分になることもあります。


前置きが長くなりました。

塗装の前にやっておくこと。

それは素地研磨。

塗る材にペーパーがけすることです。

今回塗る材は、既製品の杉板(本実加工品)。

既製品でカンナ仕上げしてあり、本当はそのままでもいいのですが、

着色する場合はペーパーをかけたほうがきれいに仕上がります。

カンナがけしてあるとはいえ、近くでよーく見てみると、

毛羽立っていたり、傷がついている箇所がちらほらとあります。

クリア塗装する場合は、それほど問題はありませんが、

着色の場合は、その部分に色むらがはっきりと出ることがあります。

塗った後から修正するのは大変ですので、予め研磨しておけば安心。


塗装する板材とサンダー ↓






240番のペーパーできれいにしていきます。

番手が高くなると非常にきめ細やかに仕上げることが出来ますが、

その分、ペーパーが薄く、すぐに磨り減ってしまうので、

まめに交換が必要です。


サンダーがけする時はコレ ↓





防塵マスクと防振手袋。

この防振手袋は、手のひらと指の部分に細長いバネが何本も入っており、振動を吸収してくれます。

ごわごわしているので、道具を握るくらいしか使えませんが、

連続長時間のサンダーがけをする時には、手がしびれにくく重宝します。



次に塗料と塗装道具 ↓






今回は、オイル塗装の前に、水性ステイン(写真左)を使うことにしました。

水性ステインとは着色剤のことです。

木目を残しながら、結構濃い目に着色することが出来ますので、

その後に、白のオイル塗装をすれば、それなりに白色に仕上げることが出来ます。


写真中央下にあるのは、コテバケです。

スポンジ状のパットにハンドルがついています。

パットは交換できるようになっています。

平面を均一に塗り伸ばすことが出来ますので、早くきれいに仕上げることが出来ます。


すーと楽々です ↓






塗る前 ↓






塗った後 ↓




写真では木目はつぶれているように見えますが、実際には薄っすらと残っています。



1m前後の板を90枚近く塗装しました ↓






薄曇だったのが、曇ってきて、空の様子を伺いながらの塗装。

広ーい屋根付きの作業場があるわけではなく、半屋外での作業ですので、

天気には気を使います。


塗装し終わって、乾く前のタイミング(←これが難しい)でウエスでふき取り、

そこそこ乾いてきた頃に、小屋の中へ持ち込み、一枚一枚立てかけて養生。

やっと終わったー、という時に雨がパラパラと。

こんな時、なんかちょっと快感です。




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