十二月の初め、達也はゆみを伴って実家を訪れ、母と祖母に会ってもらった。
母からはいきおい彼女への質問が多くなり可愛そうになり早々に帰ることにした。
達也は彼女が愛しく二人きりになりたく、
「二人だけになれるところに行こう」と言ったら
「留守だから家へ行こう」との提案に乗りゆみの家に向った。
途中彼女のことが愛しくてたまらず車を止めて手を握り合ったり、キスを求めたりしながら彼女の家に初めて入った。
明るい時に見るゆみの家は旧家のたたずまいであった。
達也の家も主立ちの家柄であり、今まで紹介していただいた方は本人だけでなく家のバランスも考慮していただいたことが分かった。
先祖の姻戚関係はまさに家と家との関係に重点が置かれており、当時はそれなりの秩序が保たれていたのであろう。
達也の伴侶を求める判断基準は当然のことながら本人の人格そのものであるが、育った家はその人の価値観、習慣にも影響しており出来れば似通った家柄にこしたことがなくありがたかった。
さらには、達也とゆみの遺伝子なら先祖に恥じない家庭を築けそうに思い、二人で両家を守って行かなければならないという義務感よりは、いけるという確信を抱くことができた。
それは、以前にゆみが達也に「良い男(ひと)は皆、長男なんだから」と言っていたし、恩師に「姉はサッサとお嫁に行ってしまった」とも言ったそうである。このことから察するに、ゆみは出来ることなら婿養子を迎えて、実家を継ぎたかったのであろう。達也は長男であり婿養子にはなれないが、二人の子供の一人をゆみの両親と養子縁組するなどしてゆみの気持ちに応えなければと思うのであった。
部屋にはピアノがあり、ゆみに弾いてもらっていた。
演奏しているゆみを見ていて、何気なく彼女の足に目が留まった。
その足は達也の甲高な足とは違い、脚に続いて細くスラッとしていることに初めて気付いた。
ハイヒールを履いたら綺麗だろうなあと想像していると、愛しくさが込み上げてきて思わずゆみを抱き締めてしまった。
ところがゆみは達也の意に反して嫌と言って達也の腕から逃げてしまった。
それからコタツに入るにも二人並んで入りたいと言っても拒否され、コタツの周りで鬼ごっこのように走ったが捕まえられずに諦めてしまった。
仕方なく対面に入り今度は足を伸ばしてゆみの足に触ろうとした、これは彼女も許してくれ子供の頃のように互いの足を蹴りあって戯れた。
また、スタイルが良いゆみの水着姿が見たく写真を見せてくれと要求したが、とうとう見せては呉れなかった。
話も他愛ないもので特に内容は思い出せないが、只二人一緒に居るだけで楽しく時間の経つのも気づかずにご両親が帰宅されてしまい、正式にご挨拶に伺う前に挨拶する羽目になってしまった。
結局夕食までご馳走になり夜の九時ころ漸く辞することにし、
「車まで送って欲しい」と要求したところ
「キスするからダメ」と言われ玄関で別れた。
今日は出来ればゆみを抱き、二人で結婚を約束しようとしていた達也としては最後まで“おあづけ”で何か気持ちが満たさなかった。
独身寮への帰途、戴いた“自家製のなめこ”を届けるため実家に立ち寄ったところ、母もゆみに対する印象がよく「いい人だね」と言ってくれた。
その後こんなこともあった。達也が車の中で愛おしさのあまり彼女の手を弄んでいると肉体的にも反応し我慢できなくなってしまった。そこで、ゆみの手をそっとズボンの上へ誘導したら、激しく抵抗し達也の手を抓り
「そういうことは結婚している人がやることでしょ! 抓ってやるから」と厳しく拒絶されてしまった。
達也は相手への愛しさが増すにつれ、肉体的にも互いに接触したい気持ちが高まると思っていたのに。
せめてゆみが「あなたの気持ちは分かるけど、結婚までは我慢してね」などと言ってくれていたら、また可愛さが増したのに。
拒絶されることが続くと、理性的には結婚相手として申し分のないゆみであったが、
ゆみには接触していたいという気持ちが湧かないのかな?
ゆみは本当は達也のことををあまり好きではないが、客観的な条件が良いという理由か
ら結婚してもよいか位に考えているのではないだろうか?
甘く蕩けるような新婚生活は期待できないのかな?
などと、否定的な思いが次第に頭をもたげ、結婚しようという気持ちも確信から迷いへと移ってしまった。
母からはいきおい彼女への質問が多くなり可愛そうになり早々に帰ることにした。
達也は彼女が愛しく二人きりになりたく、
「二人だけになれるところに行こう」と言ったら
「留守だから家へ行こう」との提案に乗りゆみの家に向った。
途中彼女のことが愛しくてたまらず車を止めて手を握り合ったり、キスを求めたりしながら彼女の家に初めて入った。
明るい時に見るゆみの家は旧家のたたずまいであった。
達也の家も主立ちの家柄であり、今まで紹介していただいた方は本人だけでなく家のバランスも考慮していただいたことが分かった。
先祖の姻戚関係はまさに家と家との関係に重点が置かれており、当時はそれなりの秩序が保たれていたのであろう。
達也の伴侶を求める判断基準は当然のことながら本人の人格そのものであるが、育った家はその人の価値観、習慣にも影響しており出来れば似通った家柄にこしたことがなくありがたかった。
さらには、達也とゆみの遺伝子なら先祖に恥じない家庭を築けそうに思い、二人で両家を守って行かなければならないという義務感よりは、いけるという確信を抱くことができた。
それは、以前にゆみが達也に「良い男(ひと)は皆、長男なんだから」と言っていたし、恩師に「姉はサッサとお嫁に行ってしまった」とも言ったそうである。このことから察するに、ゆみは出来ることなら婿養子を迎えて、実家を継ぎたかったのであろう。達也は長男であり婿養子にはなれないが、二人の子供の一人をゆみの両親と養子縁組するなどしてゆみの気持ちに応えなければと思うのであった。
部屋にはピアノがあり、ゆみに弾いてもらっていた。
演奏しているゆみを見ていて、何気なく彼女の足に目が留まった。
その足は達也の甲高な足とは違い、脚に続いて細くスラッとしていることに初めて気付いた。
ハイヒールを履いたら綺麗だろうなあと想像していると、愛しくさが込み上げてきて思わずゆみを抱き締めてしまった。
ところがゆみは達也の意に反して嫌と言って達也の腕から逃げてしまった。
それからコタツに入るにも二人並んで入りたいと言っても拒否され、コタツの周りで鬼ごっこのように走ったが捕まえられずに諦めてしまった。
仕方なく対面に入り今度は足を伸ばしてゆみの足に触ろうとした、これは彼女も許してくれ子供の頃のように互いの足を蹴りあって戯れた。
また、スタイルが良いゆみの水着姿が見たく写真を見せてくれと要求したが、とうとう見せては呉れなかった。
話も他愛ないもので特に内容は思い出せないが、只二人一緒に居るだけで楽しく時間の経つのも気づかずにご両親が帰宅されてしまい、正式にご挨拶に伺う前に挨拶する羽目になってしまった。
結局夕食までご馳走になり夜の九時ころ漸く辞することにし、
「車まで送って欲しい」と要求したところ
「キスするからダメ」と言われ玄関で別れた。
今日は出来ればゆみを抱き、二人で結婚を約束しようとしていた達也としては最後まで“おあづけ”で何か気持ちが満たさなかった。
独身寮への帰途、戴いた“自家製のなめこ”を届けるため実家に立ち寄ったところ、母もゆみに対する印象がよく「いい人だね」と言ってくれた。
その後こんなこともあった。達也が車の中で愛おしさのあまり彼女の手を弄んでいると肉体的にも反応し我慢できなくなってしまった。そこで、ゆみの手をそっとズボンの上へ誘導したら、激しく抵抗し達也の手を抓り
「そういうことは結婚している人がやることでしょ! 抓ってやるから」と厳しく拒絶されてしまった。
達也は相手への愛しさが増すにつれ、肉体的にも互いに接触したい気持ちが高まると思っていたのに。
せめてゆみが「あなたの気持ちは分かるけど、結婚までは我慢してね」などと言ってくれていたら、また可愛さが増したのに。
拒絶されることが続くと、理性的には結婚相手として申し分のないゆみであったが、
ゆみには接触していたいという気持ちが湧かないのかな?
ゆみは本当は達也のことををあまり好きではないが、客観的な条件が良いという理由か
ら結婚してもよいか位に考えているのではないだろうか?
甘く蕩けるような新婚生活は期待できないのかな?
などと、否定的な思いが次第に頭をもたげ、結婚しようという気持ちも確信から迷いへと移ってしまった。
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