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忘れぬ女-(その7 愛の深まり)

2014-11-21 09:18:48 | 小説
[お断り]
この小説はOCNのマイHPで発表してきたが、OCNでは個人のHP、ブログを廃止することになりました。
そこで、gooのブログに移行しつつあります。
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その日を境に、達也はいつもゆみと一緒に居たくなった。
また、一緒に居れば居ったで彼女に触れていたくなっていった。
 人目につくところでは触れられない反動から、車を運転しているときは常に左手で彼女の手を握っており、運転操作が必要なときは慌てて手を離し、用が済めばまた握るのであった。


 あるとき、達也がゆみを抱き寄せたとき偶然におっぱいに触れてしまった。
彼女はすまなそうに
「小さいのよ」と言う、達也はおっぱいの大きさに関心がなかったので
「大きい女は頭が良くないと聞いたことがあるから、小さくていいよ」
と言い、彼女のいじらしさがまたたまらなくなった。

 また、ゆみの手をもてあそんでいると、
「学校で土方みたいなこともするのよ、あなたの手のように綺麗ではないわ」と言う彼女に
「きれいな手だよ。僕だって油まみれになることもあるし、こんなに大きなホクロがあってみっともない手でごめん」と、愛おしく彼女の手の甲と指に口づけするのであった。
 さらには、達也はゆみのものは何でも受け入れたいと言う気持ちになり、あるときなど肩を抱き寄せると「風邪がうつるわよ」と言われたのに
「ゆみさんの風邪ならうつりたい」と言って唇を寄せるのであった。


 達也はゆみと結婚したいという気持ちが増して来るのとは逆に、こんなに浮かれて本当に大丈夫なのかと言う気持ちも頭をもたげるのであった。
 今はいいけれど将来にわたって相性がいいんだろうか?
気懸かりになり、相性に関する本を調べているうちに、血液型に関して達也のA型と由美のO型は不適合な場合があるという記述に遭遇してしまった。

 達也とゆみの血液型の組み合わせは達也の両親と同じであった。両親の夫婦仲が必ずしも良い様には思われなかった小学生の頃の記憶がまた達也を不安にした。
 早速、知合いの産婦人科医に電話で相談したところ
「血液型不適合に関して学会では定説になっていないし余り気にすることはない。それより遺伝的な問題がないか調べなさい」
との見解をもらい安堵したが、彼女にも手紙で内容を伝えた。

 ゆみからは、綺麗な文字で
「出会った直ぐの頃でまだ好きにならないときなら、問題があるなら止めればいいだけなんだけど」と言う趣旨の返信があった。
 達也は字には劣等感を持っていたので、ゆみの綺麗な文字を見て改めて好きになるのであった。
 最近の統計的な男女の相性は、男性のA型と女性のO型は最高に相性が良いとされている。当時も最近のようなデーターがあれば二人の関係は違った形になっていたかも知れない。


 あるとき、達也は行き付けのスタンド割烹のママさんに
「愈々私も結婚しようと思っている」と言ったところ、
「お相手はあなたと同じくらいの歳で、学校の先生か何かでないの」と言われ、商売柄とは言えさすが人を見る目が鋭いなと感じいった。
あるいは、何気なくゆみのことを話の端に出していてママさんのデーターベースに蓄えられていたのかもしれない。

 また、以前に交際していた会社の受付をしていた美人と言うよりも可愛い女の子を店に連れていったことがあったが、後でママさんから
「彼女はあなたに合わせるのに、いじらしいくらいよ」と言われたことがあった。
事実交際を重ねるにつれて価値観の違いが意識され、なんとなく終わったことを思い出し、ママさんの観察洞察力によればゆみとは似合いの夫婦になれそうに見えるのかなあ、と期待を膨らませるのであった。


 この頃になると、結婚後についての話題も多くなっていった。

「新婚の一年間は親とは同居しない」
「家事は交替にして欲しい」
「でも帰宅は七時過ぎになっちゃうよ」
「子供が出来たら育児に専念するため勤めを辞めて欲しい」
「転勤になったらどうする?単身赴任なら浮気しちゃうかも」
「そうしたら私も遊んでやるから」
などと真剣なものでなく楽しい言葉遊びみたいなものであった。


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