食品のカラクリシリーズ イチゴジャム/ジャム
市販のイチゴジャムは果実の含有量が半分から1/4程度
秋の台風シーズンになると落ちるリンゴを期待するジャム業者
■外国産果実を使ったジャムは果実含有量が多いほど農薬の危険も
市販の苺(いちご)やブルーベリーなどの「ジャム」には果実が100%入っていると思われますが、糖分も加味されることから果実含有量は半分程度でしょうか。ある調査では、主要メーカーM社が55%、A社が50%の製品があります。紙容器の低価格ジャムは、40%~26%とバラツキがきつい結果です。同じジャムでも、メーカーや製品によって果実含有量が違うことを理解しておきましょう。
果実量の多いジャムを見分けるには、ラベルが特級JASマークのものです。因みに、「プレザーブスタイル」と書いてあるものは果肉の原形が残っているもので、果汁だけを煮込んだものは「ゼリー」表示です。
一概に、果実含有量が多ければ良いとは言い切れない面があります。果実が多ければ農薬も多く、特に原材料が外国産だと「ポストハーベスト農薬」(米国産柑橘系のように、収穫後も農薬を吹き掛ける)の危険が心配です。一方、果実含有量が少なければ、糖分が多く糖尿病や健康に影響します。各自の基準で、選ぶしかないでしょう。特にマーマレードは残留農薬が多いので、有機認定品を選びましょう。
■農家の丹精込めた林檎も落ちれば悪質業者がイチゴジャムに
林檎(りんご)農家には、秋の収穫シーズンの台風は最大の心配ごとです。その陰で、ウキウキ心待ちしているのが、一部のジャム業者です。長野や青森を始め東北に台風が直撃しそうものなら、台風が来る前から総出で現地にトラックを走らせます。傷が少ない林檎は“理由(わけ)あり商品”の道があっても、多くはジャム業者がタダ同然で買い取ってしまいます。
問題は、落ちた林檎を買い取った悪質業者は、芋やでんぷんで粘り気を出して、高く売れるイチゴジャムやあんずジャムに変身・誤魔化してしまうことです。着色料や合成香料、保存料のソルビン酸、増粘剤のアルギン酸、その他食品添加物のオンパレードです。食品添加物の効用で、材料によらずどんなジャムも作れることです。
主な用途先は、品質が悪くても分からない業務用のジャムです。パン・ケーキ・スイーツ・ファストフードなどに使われる業務用ジャムを始め、市販ジャムにも怪しいものが多く出回っていることです。主要メーカーの製品であっても、安いジャムは質が悪く香料や食品添加物が多いため、買わないようにしましょう。