少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.16
ROUND2 迷走する会場選定・巨額の建設費編 7
無駄の象徴!オリンピック会場・アクアティクスセンターと海の森水上競技場
オリンピック募金切手のご案内・第2次(水球) 1962年発行
ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年12月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。
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2015年も年末、やっと東京オリンピックの全会場が最終決定されました。当初のコンセプトでは、80%以上が中央区・晴海の選手村から8km圏内とされていました。しかし決まってみれば、28競技・37会場のうち、全く正反対の85%が「8km圏外」でした。極めて、当初案が杜撰だったかが分かります。最後まで難航した自転車競技(トラック、マウンテンバイク)は、有明ベロドローム(仮設・江東区)の予定から、既設・伊豆ベロドローム(静岡県・伊豆市)に変更されました。サッカー決勝は新国立競技場ですが、予選会場は全国各地です。
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IOCにはできるだけ既設会場を使うことを約束しても、巨額の新設会場建設が目立ちます。無駄遣いの典型は、水泳・シンクロ・飛込競技が行われる「アクアティクスセンター」(新設・江東区)の683億円です(初期段階)。客席2万席、8レーンプールが2か所も設置されます。オリンピック以外に、そんな客が集まるのでしょうか?すぐ隣りには、日本選手権や国際試合が行われる既存の「東京辰巳国際水泳場」があるのです。既存会場を客席増加する改修より、新設のほうが楽との理由から新設されます。本当に、無駄です。新設する以上は大会後の使用を考え、同じ場所に2つの競技場(計3プール)は要らず、都内別々の場所に作ったほうが一般都民の利用が便利です。
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もう1つの無駄は、ボート・カヌー(スプリント)会場の「海の森水上競技場」(新設・東京湾中央防波堤) 491億円です。当初の69億円が⇒1,038億円⇒491億円に。こんなバカな変更は、おかしいでしょ。そのカラクリは、491億円は会場建設費だけなのです。1,038億円に世間から批判を食らい、都は周辺設備や橋の撤去費用その他を、オリンピック予算ではなく都環境局の事業に移し替えたのです。つまり実質的には、1,000億円以上を要します。さらには埋立地の液状化対策など、今後も数百億円・1,000億円台の軟弱地盤の改良工事・追加工事もある得る事態です。
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競技環境が良く予算も遥かに少なくて済み、ボート関係者が懇願する埼玉県「彩湖」会場に、都は全く眼を向けません。なぜならオリンピック予算名目で、東京湾中央防波堤地域(実質はゴミ処理場)を開発できるからです。しかしボート競技を海水で実施するのは極めて稀で、選手は塩水による僅かな浮力でもコントロールを要すると言います。ただでさえ横風が強く(普段でも風が強く、その証拠に、近くに風力発電施設があるほど)、さらには数分おきに羽田に着陸する旅客機が超低空で轟音を響かせる場所なのです。度々のレース中断や順延が予想されます。そもそもゴミ最終処分場のすぐ近くで競技をするなんて失礼なことで、全く選手のことを「思っ・て・なし」。
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武蔵野の森総合スポーツ施設(調布市)の整備に351億円、有明テニスの森(江東区)の改修に144億円、バレーボールとして有明アリーナ(江東区・新設)404億円を予定しています。これらの予算額は現在時点のもので、今後、さらなる高騰が予想されます。関係者は、ほとんどの建設が2018~19年ぐらいに重なるため、建材費・人件費の大幅アップなど、到底、現在予算の数十%増しや倍額になる恐れがあると推定しています。そして一斉に工事が完了する2019年から、極端な構造不況がやってきます。東京オリンピックって、やはり選手や国民のための開催じゃないですね!
▽最終決定会場 追記 再見直し検討も変更せず
水泳競技 アクアティクスセンター (新設)
ボート競技 海の森水上競技場 (新設)
カヌー(スプリント)競技 海の森水上競技場 (新設)