偽装魚の実態シリーズ 貝類の偽装 蛤(はまぐり)
偽装貝類名 シナハマグリ・チョウセンハマグリ・ボンビノス貝
居酒屋や惣菜の蛤は中国産シナハマグリ・韓国産チョウセンハマグリ
国産の蛤は環境省の絶滅危惧種、どこの店でも中国・韓国産の“似蛤”
■国産蛤の貝に中国産シナハマグリを載せて国産と思わせる
蛤と言えば、回転寿司店だけでなく焼き蛤・串焼き・酒蒸し・潮汁・クラムチャウダーなど、多彩な料理が楽しめます。しかし居酒屋や惣菜の蛤は、中国産シナハマグリや韓国産チョウセンハマグリです。国産の本蛤は、環境省の絶滅危惧種としてレッドリストに載るぐらい減ってしまいました。
あるいは20世紀末ごろから、千葉県幕張・船橋沖で大量発生したボンビノス貝がシロハマグリや大浅蜊と称して偽装されます。外来生物で、北米大西洋岸が原産地です。恐らく現地の船舶に取水されたバラスト水に混ざってきたのが、東京湾で排出されたことにより、生息したものと言われています。いずれにしても国内の蛤は無理なので、中国・韓国産の“似蛤”・ボンビノス貝で我慢するしかないようです。
そこで、居酒屋・飲食店の貝や殻の騙しテクニックをお伝えします。本蛤と中国産の“似蛤”では貝の紋様が違うので、本蛤の貝に中国産シナハマグリを載せて国産と思わせる手です。これは牡蛎(かき)の殻に剥き身の牡蛎を載せたり、エスカルゴの殻に安い缶詰のエスカルゴを入れ込んで、高級そうに見せる方法と同じです。商売人は、情けないほどにセコイ手でお客を騙します。
■本物・蛤のミニ情報/非行少年の“ぐれる”は蛤が語源
本物の蛤は、昔は日本各地の淡水が混じる内湾で獲れました。生で食べる習慣はなく、寿司屋ではさっと茹でて、醤油・酒・砂糖などで調味した煮汁に1日漬け込み、握る際にツメを塗るのが一般的です。
食べること以外では、平安から江戸時代まで上流階級に伝わった「貝合わせ」が有名です。蛤の内側に、金箔や綺麗な彩りの絵が描かれています。いくつも貝が広げられ、貝は左右一対しか合わないため、トランプの“神経衰弱”のような遊び方です。
また非行少年のことを、“ぐれる”と言います。はまぐりを倒語にして“ぐりはま”、それが転じて食い違って合わないことを“ぐれる”になったとされます。回転寿司ネタが本物の蛤でなかったら、店で“ぐれてやる!”
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。