偽装魚の実態シリーズ 貝類の偽装 帆立貝(ほたてがい)
偽装貝類名 イタヤガイ・アメリカイタヤガイ
回転寿司の帆立貝は中国で養殖・着色されたアメリカイタヤガイ
ベビーホタテも帆立貝ではなく同じイタヤガイやアメリカイタヤガイ
■帆立貝は国内産が豊富でも回転寿司店は儲けのために偽装貝を使う
回転寿司店では、帆立貝とは別種の中国・韓国産のイタヤガイやアメリカイタヤガイを使います。それは中国で日本の回転寿司店向けに、アメリカイタヤガイの養殖が行なわれているからです。さらに問題なのは、身の色が白いので、帆立貝に偽装するために着色料でやや赤く染めて日本に送られます。中国の加工だけに、着色料の成分が分からず不安です。アレルギーの懸念も大きいのです。
天然では帆立貝が北の海域に対し、イタヤガイは暖かい南の海に生息します。帆立貝は養殖技術が進み、90%が北海道と青森で生産されます。そのため比較的安価で、新鮮な帆立貝が食べられます。国産が豊富なため、このネタぐらいは回転寿司店でも本物で賄えばと思います。にも関わらず中国からわざわざ偽装貝を輸入することは、回転寿司店の体質が、お客への健康より儲け主義で腐っている証拠です。
もう1つ、回転寿司店や居酒屋で小振りな「ベビーホタテ」を見受けます。名前を真に受けている方が多いのですが、これも中国や韓国産のイタヤガイやアメリカイタヤガイです。本物の帆立貝のほうが甘みが乗って、数段、美味なのは言うまでもありません。
■本物・帆立貝のミニ情報/食の用途が広く・貝柱も美味
本物の帆立貝は、オホーツク海・北海道・北朝鮮などに生息し、殻長20cmも達する大型貝です。10~30mの海底で、ヒラヒラと泳ぎます。大きな貝柱は、二枚貝では一番甘みがあると言われています。寿司通は貝柱でなく、赤い精嚢や淡い肌色の卵嚢を寿司ネタにしたものが、とろけるような食感と甘みが珍味とされています。
その他バター炒め・干し貝柱、また中国料理には欠かせない食材です。新幹線車内販売、おつまみ用の“ほたて貝柱”もロングセラーです。名前の由来は、貝が開くと帆掛舟(帆を立てた)のように見えることからです。昔は養殖業者が貝殻の処理に困りましたが、今では学校のチョーク・校庭のライン引き・国道の融雪剤など、身も殻も役立っています。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。