偽装魚の実態シリーズ 貝類の偽装 栄螺(さざえ)
偽装貝類名 トルコアカニシガイ・トルコニシガイ・チョウセンボラ・国内産のアカニシ
磯野家もビックリ!回転寿司のサザエさんはトルコアカニシガイ
「栄螺に金平糖」のことわざは角を突き合わせ自論を譲らないこと
■チョウセンボラやアカニシは貝の形や色が違うので壷焼きにできない
回転寿司店の栄螺ネタは、トルコアカニシガイやトルコニシガイ、あるいはチョウセンボラです。トルコアカニシガイ・トルコニシガイなどは巻貝でも貝の形が違うので、一般の和食店では栄螺の壷焼きとしては使えません。そこで回転寿司店や和食店では、栄螺の軍艦巻きや刻んで刺身として偽装されます。
国内産のアカニシも、栄螺ネタにされます。殻の内側が赤いことから、その名が付いたとされます。チョウセンボラ(朝鮮法螺)は、日本海西部・黄海・東シナ海に分布し、栄螺のようなゴツゴツした感じではなく、ツルツルした巻貝です。どちらも刺身で食べられ、見掛けも食感も栄螺のようです。
■本物・栄螺のミニ情報/壷焼きも良し薄切りも乙なもの
本物の栄螺は、北海道以南から朝鮮半島南部の沿岸に生息し、殻径8cm・殻高10cmのこぶし状の貝です。10本ほどの角を持ち、内臓はほとんどが生殖腺で、緑色が卵巣、黄白色が精巣です。
棘(とげ)の有無は、種類によって異なります。海流や波の激しい場所に棲息する栄螺は棘が長くなるようです。春から夏が旬で、刺身や壷焼きにされ、寿司ネタでは薄く切って軍艦巻きにされます。
名前の由来は、「ささ(小さな)え(家)」から転じたものです。栄螺は、“海底の小さな家”ということでしょうか。縄文時代から、食されてきました。「栄螺に金平糖」ということわざもあり、お互いに角を突き合わせ自論を譲らない者同士を皮肉った言葉です。サザエさん一家のように、仲良く暮らしましょう。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。