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パリ五輪で日本勢が大量メダル獲得の活躍ができたのは前回が開催国だったため/少数派

2024年08月17日 | スポーツ
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パリ五輪で日本勢が大量メダル獲得の活躍ができたのは前回が開催国だったため



■メダル獲得数は各国とも自国開催に向けての選手強化費の増加と相関が強い
2024年パリオリンピックでは、日本勢は金メダル20、銀22、銅29、計65個のメダル獲得(※下記資料参照)に沸いた。しかしその感動に水を注すことになるが、日本選手が活躍できたのは前回2021年が東京オリンピック開催国(※補足)だったからだ。16年のリオ大会から東京五輪開催に向けての2大会に渡り、選手強化費を注ぎ込み増強した結果と言える。誤解して欲しくないことは、メダリスト(選手)は、個人の身体や技術能力が卓越していることは言うまでもない。問題はただそれだけでは、厳しい国際試合には勝ち続けることはできない。能力の高さを前提に、選手強化費、監督・コーチへの指導など国の支援と予算(国民の税金)、さらにはtotoスポーツ振興くじの援助があったからこそと考えるのが妥当だ。若い選手でも、早い時期から選手強化予算によって伸ばす意味も含まれる。投稿者はけっして選手の努力を軽視するものではなく、昔も今も、また日本だけでなく世界各国の選手強化の結果を冷静に見た故だ。
※補足/タイトルや本文は「開催国」としているが、正確には五輪は「都市」が開催するもの。

例えば東京招致が決まった13年には全体の強化予算が32億円/年だったものが、16年には約3倍の87億円に拡大した。以降、「直接」の選手強化費だけでも100億円を突破、東京五輪が近づくに連れ200億円以上に膨れ上がった。1964年の前回東京大会では、国威発揚もあり16個の金メダルを獲得した。しかしその後、国は強化を怠ったため、96年のアトランタ大会のメダル数は金3・銀6・銅5と、どん底に落ち込み2000年のシドニー大会も低調が続いた。その惨敗から選手だけの努力では限界があると判断され、国も重い腰を上げ税金による選手強化として、370億円の東京北区のナショナルトレーニングセンター開設を始め、計600億円以上を掛けて数か所の選手強化専用センターを設立した。21世紀に入ると成果が表れ、メダル数が確実に伸びてきている。スポーツ評論家の玉木正之氏・為末大氏・当のJOC幹部も、選手強化費とメダル獲得数はかなり相関関係が強いと指摘する。世界でも強化費の拡大に舵を切った国々は、実績が強烈に表われていると言う。繰り返すが選手の才能と努力が土台であり尊重するが、率直なところ大国の経済規模と選手強化費でメダルが決まることも否めない。

 エッフェル塔からの夜景

■日本の選手強化が本物か東京大会だけのためだったか28年ロス大会で試される
そこで投稿者は、開催国の大会を芯に前後2大会、計5大会におけるメダル数を図表化した。対象を08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ、21年東京、そして今回のパリ大会とした。パリ大会までは、開催都市は7年前に決定された。従って2大会前は自国開催が決まっていないことから通常の選手強化が行われ、1大会前から選手強化の効果が表れてくる。開催各国のメダル獲得数の変遷を上図で表すと、見事なまでに共通した傾向が見出せる。招致後の他国大会(自国開催の4年前)にはメダル数が伸び出し、そして自国開催大会になると“驚異的”に増え獲得数がピークに達する。地元の有利さ・応援の多さもさることながら、やはり開催国の面子から強化費が「爆発的」に増えたからだ。選手のたゆまぬ努力と苦労の結果が、メダルを勝ち取ったとオリンピックを純真に見る方も多いことだろう。それはそうだが、しかし現実を見れば、もはやオリンピックは選手の才能や努力だけでは勝てなくなってきている。

ここからが本題で、日本勢が東京五輪の結果より劣るがパリ五輪で活躍できたのはいわゆる<人的レガシー>で、東京五輪で強化された選手が健在、あるいは3年前に強化された若く有望な選手がその後の努力が実を結んだと思われる。逆に自国開催の1大会後、2大会後にはメダル数は徐々に減ってくる。選手強化において、顕著な悪い例は中国だ。“国威発揚”~大会成功だけが目的だったから、その後は選手強化を疎かにした。結果はすぐ出て、その後のロンドン大会・リオ大会と中国は続けて惨敗に終わった(東京大会以降では復活)。さて肝心な日本も、2大会・7年後の28年には選手の世代交代が進み強化の効果が薄まり、徐々にメダル数を落とすと予想される。つまり日本勢の本当の実力=選手強化は、4年後のロサンゼルス大会で試されることになる。国や競技団体が本気で「日本のスポーツ」を強化したか、あるいは自国開催=国威発揚型の“東京大会のためだけ”に選手強化したのかの「真価」が示される。

▽資料1/東京五輪とパリ五輪の金メダルの比較
陸上0→1 水泳2→0 体操2→3 レスリング5→8 柔道9→3 フェンシング1→2 卓球1→0 ボクシング1→0 スケボー3→2 ブレイキン不採用→1 野球・ソフト2→不採用 空手1→不採用 合計27→20
※パリ五輪では、野球・ソフトボール、空手が採用されなかった。もし採用されていれば、日本が得意な競技だけに野球、女子ソフトボール、空手は“連覇”と仮定し、金メダルが3個追加され計23個の考え方も取れる。

▽資料2/ロス五輪の新規採用・廃止競技
①野球・女子ソフトボールが、東京大会以来「復活」される。一方、ブレイキンは不採用になりパリ大会の1回限りに。米国開催だけに野球の開催は理解できるが、ブレイキンは米国が本場とされるのに不採用の理由が分からず。
②新規採用は、クリケット・ラクロス・スカッシュ・フラッグフットボール。
※投稿者の感想/五輪競技は継続性が求められ、“開催国特権”のように開催国に人気がある競技を1回限りで採用するのは、競技団体や競技者を軽視している。IOCのご都合主義である。

Sankoub
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Ntopkeiji

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