食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

大阪地裁判決「生活保護減額は違法」削減ありきを断罪・歴史的な原告勝訴*赤旗だより/少数派

2021年02月24日 | 改悪進む社会保障
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/改悪進む社会保障(赤旗だより)
大阪地裁判決「生活保護減額は違法」削減ありきを断罪・歴史的な原告勝訴

Akahatar4

■厚労相の裁量権逸脱や乱用、判断過程や手続きに過誤・欠落があると指摘
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/安倍晋三前政権が強行した生活保護基準の引き下げを違法とする判決が2月22日、大阪地裁で出されました。当時の厚生労働相の判断には「過誤、欠落」があり、行政の裁量権を逸脱していると指摘し、減額処分を取り消すという判決です。生活保護利用者の暮らしの実態を踏まえず、「削減ありき」で基準を引き下げた政府の姿勢を断罪した判決は画期的です。利用者の粘り強いたたかいが切り開いた大きな勝利です。政府は、判決を真摯(しんし)に受け止め、引き下げを撤回すべきです。この裁判は、大阪府の生活保護利用者42人が、基準引き下げを決めた政府と、それに基づいて減額を決めた府内12市を相手取り、処分取り消しを求めて起こしました。

原告は、2013~15年に安倍前政権が段階的に実行した最大10%の保護基準引き下げは、憲法が保障する生存権を侵害し、生活保護法に違反すると訴えました。原告が勝訴した今度の大阪地裁判決が重要なのは、厚生労働省が基準引き下げの口実にした物価下落の算定方法の誤りを明確に認めたことです。引き下げを正当化するため同省は08~11年の物価下落を反映させたとする「デフレ調整」という理屈を持ち出しています。これに対し判決は、08年は世界的な原油価格や穀物物価の高騰を受け、11年ぶりに消費者物価指数が1%を超えて上昇した年だったことを挙げ、「08年の特異な物価上昇」を起点にしたことで物価下落率が大きくなることは明らかだったとしました。厚労省の恣意(しい)的なやり方に対する厳しい批判です。

■生活保護利用世帯の消費実態に沿わない手法で基準を引き下げたことを批判
また判決は、厚労省独自の算定方法も問題視しました。この手法は、生活保護利用者が購入する機会が少ないテレビやパソコンの物価下落が大きく反映します。一般的に使われる消費者物価指数より著しく大きな下落率にもなります。生活保護利用世帯の消費実態に沿わない手法を用いて基準を引き下げたことに「合理性は乏しい」と判決が批判したのは当然です。13~15年の基準引き下げは過去最大規模で、多くの生活保護利用者の暮らしは窮迫しました。さらに生活保護基準は就学援助など暮らしに関わる多くの制度にも連動していたため、利用者以外の国民にも深刻な影響を及ぼしました。

この引き下げについて司法から、「統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠いており」「最低限度の生活の具体化にかかわる判断の過程や手続きに過誤、欠落があった」と違法の判断が出されたことを菅義偉政権は深刻に受け止めなければなりません。基準引き下げの違憲・違法を問う裁判は全国29都道府県で1000人近い原告がたたかっています。政府は今回の判決に従い、引き下げ前の生活保護基準に戻すことを決断する時です。コロナ禍で生活に困窮する国民が急増する中で、「最後の安全網」である生活保護の役割はますます重要です。世論と運動、野党の国会論戦で、厚労省も「生活保護の申請は国民の権利」とホームページで呼びかけ、申請の障害になっている親族への扶養照会も「義務でない」と認めました。国民が使いやすい生活保障の仕組みに改定することが急務になっています。

投稿者によって一部割愛やそれに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。

投稿者からのひと言/生活保護の引き下げに、画期的な判決を出した。判決はテレビやパソコンなどの物価下落が算定根拠にはならないとしたことは、現実をよく見極めたと思う。一方、安倍・トランプ会談で、不要な米国製最新鋭戦闘機を150機・2兆円もの金額で購入する反面、生活保護や年金は冷淡に減額する。菅首相に至っては、コロナ禍で生活が厳しい方へ補償せず、自助(自己責任)だ! 自分で生活保護を申請しろと無情な発言をする始末。

Akahatatop

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 蓮舫議員の菅首相追及質問は... | トップ | 米国感染死50万人・第2次... »
最新の画像もっと見る

改悪進む社会保障」カテゴリの最新記事