家庭用品の危険シリーズ ■殺虫プレート/台所
天井から吊り下げられた長箱の殺虫プレートがある台所は劇物が充満
今も工場・倉庫・トイレ、温泉旅館で見掛ける強烈な有機リン系殺虫剤
■急性中毒になるとめまいや嘔吐、胃けいれん・下痢・頭痛などの症状
ご年配の方なら、ハエやカ・ゴキブリ退治に、飲食店や自宅の天井から吊るした、細長い窓空きの箱のような形状をした「殺虫プレート」をご存じだと思います。若い方なら、各地の温泉旅館や国民宿舎のロビーや廊下に、“箱”が吊るしてあるのを見掛けませんか?今でも、こん危険な殺虫剤が売られているのですね。
現在でも、アース製薬のVAPONAの名前を見ます。これが、とんでもない成分で作られたものです。主な成分は有機リン系殺虫剤のジクロルボス、凄まじい神経毒で劇物に指定されています。箱の中の樹脂にジクロルボスが塗られ、空気中に蒸散させてハエなどを殺す製品です。揮発性が高いので、人間は肺や皮膚からも大量に吸収してしまいます。
急性中毒になると、めまいや嘔吐、胃けいれん・下痢・頭痛などの症状が出ます。さらには家や職場で慢性的に吸い続けていると、記憶障害や重度の抑鬱(よくうつ)、錯乱、会話困難などを引き起こします。英国では販売が規制され、米国でも発ガンの恐れがあるとしています。台所に吊るした殺虫プレートの化学物質によって、主婦が体調不良に陥った例が多々見られます。
東京都の調査では、室内に置かれた殺虫プレートから、大人の1日の許容摂取量の4.7~13倍、子供の10~22倍のジクロルボスが摂取されたそうです。昔は、どこの家庭の台所や飲食店など全国的に使われていました。当時は殺虫プレートが原因と分からないまま、相当な方が具合を悪くしたのではないでしょうか。
■使用場所は規制されても徹底されなければジクロルボスを吸い込むことに
遅きに失した感は否めませんが、健康被害が明確になったことから、2004年に厚労省や東京都では、居室(事務所・教室などを含む)、食堂など飲食する場所、調理場、食品倉庫、食品加工場などの使用を規制しました。使用場所は規制されても、こんなにキツイ化学物質の製品の規制はされずそのままです。
ご存じない人や取扱説明書を見なければ、何にもなりません。その結果、往々にして第三者が被害を受けることは目に見えています。そのため問題は、工場・倉庫・地下室・トイレ、下水槽・浄化槽、ごみ箱・戸棚・キャビネットなど、今も使われているケースがあります。また虫が多い田舎の民家や集合建物では普通に吊り下げられており、また観光地の宿泊施設では取付が常態化している所もあります。
一時、薬事法の改正によって、第1類医療品として、購入には署名・捺印などが求めれました。しかし現在は解除され、スーパー・ホームセンターなどで簡単に買えます。吊るしてあるだけで簡単にハエや虫が落ちることは、その場所にいる人間は、常時、有機リン系殺虫剤・ジクロルボスを吸っていると考え、即時にやめるべきです。
■■危険への対策■■
網戸を設置したり、自宅内を清潔にすることが基本です。
温泉旅館などで見掛けた時は、その場で指摘するには勇気がいります。アンケートなどお客の
声が届けられるシステムなら、後日、メールやハガキなどで危険性を伝えたらいかがでしょうか。
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