家庭用品の危険シリーズ ■ボタン電池/子供・母親
乳幼児がボタン電池を誤飲すると最悪は気管や食道に穴が開く恐れ
子供が飲み込んだと思ったらすぐ病院でレントゲンを撮ること
■保護者の6割がボタン電池誤飲の重症化を知らない
乳幼児が誤ってボタン電池を飲み込むと、短時間で気管や食道などの消化管に潰瘍ができる重大事故につながる恐れがあります。国民生活センターや消費者庁によると、乳幼児のボタン電池の誤飲は3年間で93件の報告がありました。年齢別では3歳以下が大半を占め、特に0~1歳児が非常に多く見られました。食道に穴が開いた事例もあり、注意を呼び掛けています。ボタン電池内蔵の機器の蓋が開いている、機器が落下した際に電池が床などに飛び出し、口に入れてしまうことです。
重症化に至る経緯は、ボタン電池を飲み込んだ際に消化管に接触した電池から電流が流れ、電気分解によって電池の外側にアルカリ性の液体が作られます。アルカリ性の液体は、タンパク質を溶かす性質を持っており、短時間に消化管の壁に損傷を起こします。鶏肉の上にボタン電池を置いた試験では、20分で電池の形の窪みができるほど「化学やけど」が起こりました。しかし消費者庁の保護者への調査では、6割がボタン電池の誤飲が「重症化」することを知らなかったそうです。
■子供を守るには機器そのものを乳幼児の手の届かない場所に置くこと
ボタン電池を飲み込んでも、短時間で体外に出てしまえば問題ありません。乳幼児だけに気が付かないうちに便から排出されていることも多く、実際の誤飲は数字に現われている以上に多発していると見られます。但し恐いことは、食道に引っ掛かると電池が化学反応を起こして潰瘍ができ、放置すると穴が開いてしまうことです。さらに胃に落ちて停滞してしまうと、内視鏡で取り出さねばなりません。もし子供が飲み込んだと思ったら、すぐ病院でレントゲンを撮ってもらうことです。
ボタン電池は、時計・リモコン・ゲーム機・体温計など様々な用途に使われています。ボタン電池には、直径が短く厚みがあるボタン型と薄く偏平なコイン型があります。国民生活センターでは誤飲事故を未然に防止するため、各業界に安全な構造、機器の落下によって簡単に電池が飛び出さない、容易に電池が取り出せないなどの仕組みを求めています。しかし基本中の基本は、機器そのものを乳幼児の手の届かない場所に置くことです。大人が気を付けて、小さな子供を守りましょう。
■■危険への対策■■
ボタン電池内蔵の機器は、乳幼児の手の届かない場所に置くこと。
子供が飲み込んだと思ったら、すぐ病院でレントゲンを撮ってもらうこと。
時々は、機器の電池蓋(蓋やネジの緩み)を点検する。