少数派シリーズ/政治情勢
与良政談★「小池にやられた」は本当か?「小池劇場」を過大評価しないほうがいい
毎日新聞の夕刊、「熱血!与良政談」というコラムからの記事をご紹介します。
コラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*投稿タイトル付けは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が編集したものです。
◆自民党票の伸び悩みと都民ファ善戦は菅政権への不信や不満が予想以上に大きかった
「小池(百合子・東京都知事)にしてやられた」――。言い訳なのか、愚痴なのか。自民党からこんな声が漏れているという。もちろん、東京都議選の話。自民党は前回選挙から復調はしたものの、公明党と合わせて獲得議席は過半数に届かなかった。低投票率で、組織力がある自民、公明両党に有利なはずなのに、この結果では敗北感が漂うのは当然だ。一方、小池氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」は何とか踏みとどまった印象だ。当初、選挙戦で表に出ない姿勢を見せていた小池氏は一時、過労を理由に入院。ところが退院後、選挙戦最終日になって突如、都民フの候補者事務所を相次いで訪問する行動に出た。「小池にやられた」とは、これを指す。
入院への同情論もあったろう。最終盤の予想外の行動が大きく報じられ、改めて小池氏に世間の関心が集まったのも確かだ。ただしマスコミも含めて、「小池劇場」をそんなに過大評価しない方がいい。例えば入院に関しては、麻生太郎副総理兼財務相が「自分でまいた種」等々と無神経な発言をしたことで、小池氏への同情論が増した面もあった。過大評価はかえって本質を見失わせることになる。自民党が伸び悩んだ理由は、もっと根本的なところにある。混乱が続く新型コロナウイルスのワクチン接種。コロナ対策では菅義偉首相が専門家の意見を軽視する場面も目立つ。「森友学園」問題をはじめ、前政権以来の数々の疑惑も決着がついていない。こうした今の菅政権に対する不信や不満が予想以上に大きかったということだ。
自民党執行部は選挙結果をしっかり分析するというが、なぜ選挙に弱いか、もはや分析するまでもないではないか。元々、小池氏の劇場型政治を嫌っている菅首相もいまいましく思っているに違いない。しかし、これで政府と東京都がますますぎくしゃくして、コロナ対策が停滞するようでは、「勝者なき都議選」が示した民意を理解していないというべきだ。喫緊の課題は東京オリンピックである。最低限、すべての競技で無観客にすべきだと私も思う。その無観客方針を小池氏がいち早く明言し、それが面白くない菅首相が難色を示して、また迷走する……。そんな展開だけは勘弁してもらいたい。<新聞掲載7/7付>
◆投稿者の文章/小池氏は都知事のイスをあっさり捨てて「初の女性総理」を目指すのか?
政治評論家は「選挙は最後の3日で決まる」と昔から言っていたが、まさしく都議会選挙はその通りになった。「菅政権に対する不信・不満」の有権者が自民党を避け都民ファに投票したが、既号で申し上げたように却って混乱に拍車を掛けた。自民党(33議席)・公明党(23)で過半数が取れず、都民ファにしても31議席(除名者含む)。従って自公・都民双方とも、互いに連携を模索することになる。都民の自民党批判は理解できても、都民ファに期待を掛けるのは意味がない。意味がない理由の2つめ、小池都知事はオリパラさえ終われば、都知事のイスに未練はないと言う。過去から都議会を混乱させるだけさせて、遂に野望だった「女性総理」を狙う。
過去も、次々と政党を変えて常に勝つ政党を渡り歩いてきた前歴を持つ。典型的な“政界風見鶏”(元祖:故・中曾根康弘氏)。都議会にも都民ファにも、本当は関心がない(次回都議選で都民ファは消滅する?)。どちらも己が頂上に立つ道具に過ぎない。だから平気でウソをつき、人を斬る。秋の総選挙に打って出る噂がある。過去の朽ちた自民党が、社会党の村山富市氏を総理に担いで再生した例がある。菅首相で落ちぶれた自民党は、いきなり小池氏を「初の女性総理」として大躍進を図る案も聞こえる。既に二階幹事長とすり合わせ済みか?(二人は度々会っていた) 果たして国民がどう受け止めるか? 民度が試される。
与良政談★「小池にやられた」は本当か?「小池劇場」を過大評価しないほうがいい
毎日新聞の夕刊、「熱血!与良政談」というコラムからの記事をご紹介します。
コラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*投稿タイトル付けは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が編集したものです。
◆自民党票の伸び悩みと都民ファ善戦は菅政権への不信や不満が予想以上に大きかった
「小池(百合子・東京都知事)にしてやられた」――。言い訳なのか、愚痴なのか。自民党からこんな声が漏れているという。もちろん、東京都議選の話。自民党は前回選挙から復調はしたものの、公明党と合わせて獲得議席は過半数に届かなかった。低投票率で、組織力がある自民、公明両党に有利なはずなのに、この結果では敗北感が漂うのは当然だ。一方、小池氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」は何とか踏みとどまった印象だ。当初、選挙戦で表に出ない姿勢を見せていた小池氏は一時、過労を理由に入院。ところが退院後、選挙戦最終日になって突如、都民フの候補者事務所を相次いで訪問する行動に出た。「小池にやられた」とは、これを指す。
入院への同情論もあったろう。最終盤の予想外の行動が大きく報じられ、改めて小池氏に世間の関心が集まったのも確かだ。ただしマスコミも含めて、「小池劇場」をそんなに過大評価しない方がいい。例えば入院に関しては、麻生太郎副総理兼財務相が「自分でまいた種」等々と無神経な発言をしたことで、小池氏への同情論が増した面もあった。過大評価はかえって本質を見失わせることになる。自民党が伸び悩んだ理由は、もっと根本的なところにある。混乱が続く新型コロナウイルスのワクチン接種。コロナ対策では菅義偉首相が専門家の意見を軽視する場面も目立つ。「森友学園」問題をはじめ、前政権以来の数々の疑惑も決着がついていない。こうした今の菅政権に対する不信や不満が予想以上に大きかったということだ。
自民党執行部は選挙結果をしっかり分析するというが、なぜ選挙に弱いか、もはや分析するまでもないではないか。元々、小池氏の劇場型政治を嫌っている菅首相もいまいましく思っているに違いない。しかし、これで政府と東京都がますますぎくしゃくして、コロナ対策が停滞するようでは、「勝者なき都議選」が示した民意を理解していないというべきだ。喫緊の課題は東京オリンピックである。最低限、すべての競技で無観客にすべきだと私も思う。その無観客方針を小池氏がいち早く明言し、それが面白くない菅首相が難色を示して、また迷走する……。そんな展開だけは勘弁してもらいたい。<新聞掲載7/7付>
◆投稿者の文章/小池氏は都知事のイスをあっさり捨てて「初の女性総理」を目指すのか?
政治評論家は「選挙は最後の3日で決まる」と昔から言っていたが、まさしく都議会選挙はその通りになった。「菅政権に対する不信・不満」の有権者が自民党を避け都民ファに投票したが、既号で申し上げたように却って混乱に拍車を掛けた。自民党(33議席)・公明党(23)で過半数が取れず、都民ファにしても31議席(除名者含む)。従って自公・都民双方とも、互いに連携を模索することになる。都民の自民党批判は理解できても、都民ファに期待を掛けるのは意味がない。意味がない理由の2つめ、小池都知事はオリパラさえ終われば、都知事のイスに未練はないと言う。過去から都議会を混乱させるだけさせて、遂に野望だった「女性総理」を狙う。
過去も、次々と政党を変えて常に勝つ政党を渡り歩いてきた前歴を持つ。典型的な“政界風見鶏”(元祖:故・中曾根康弘氏)。都議会にも都民ファにも、本当は関心がない(次回都議選で都民ファは消滅する?)。どちらも己が頂上に立つ道具に過ぎない。だから平気でウソをつき、人を斬る。秋の総選挙に打って出る噂がある。過去の朽ちた自民党が、社会党の村山富市氏を総理に担いで再生した例がある。菅首相で落ちぶれた自民党は、いきなり小池氏を「初の女性総理」として大躍進を図る案も聞こえる。既に二階幹事長とすり合わせ済みか?(二人は度々会っていた) 果たして国民がどう受け止めるか? 民度が試される。