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500億円以上も掛かる水泳会場アクアティクスセンターは無駄過ぎる/東京五輪の危うさR2-12

2021年04月13日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.21
ROUND2 迷走する会場選定・巨額の建設費編12 <3会場見直し>
500億円以上も掛かる水泳会場アクアティクスセンターは無駄過ぎる

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2016年11月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

■新聞世論調査では74%の人が今ある施設を使うべきと回答
東京オリンピック3会場見直し(3)の水泳・飛込・シンクロ競技会場は、投稿者は既号で「東京辰巳国際水泳場」がよいと言いました。しかし残念ながら、そこからたった300mしか離れていない「オリンピックアクアティクスセンター」に決定してしまいました。決まったこととは言えいかに無駄なことか、またまだまだ改善できることもあるので、しぶとく説明します(苦)。客席2万席、8レーンプールが2か所も設置されます。当初683億円、圧縮案でも530億円も掛かるのです。十分使える東京辰巳国際水泳場を改修し客席を仮設増席すれば、683億円の1/3程度と聞きます。東京都は新施設を作りたい一心で、ろくに辰巳水泳場の改修検討もせず決定したのは残念でなりません。

他に全く適する水泳場がなければともかく、たった2週間程度のオリンピックなら、既存の辰巳水泳場を使えばいいのです。東京都は、作る前からアクアティクスセンターは、毎年、7億円もの赤字になると言う始末です。しかしこの数字は極めて甘く、有明アリーナの投稿時にも申し上げましたが、新設すれば今後50年間の維持管理費が建設費と同じとなり、別途に530億円相当も掛かるのです。それが、建築物の常識です。全て若い方へのツケとして、税金を払わせられるのです。毎日新聞の世論調査では、会場全般について74%の方が、「できるだけ今ある施設を利用して費用を抑えるべきだ」の回答でした。「計画通り作るべきだ」は16%で、圧倒的に見直しを求める意見が強いのです。

■東京の東側地域に3つのプールが集中し無用の長物に
当初の選手村から8km圏内の会場コンセプトが、ここでも支障を及ぼしています。それは東京オリンピック後に、市民がどうプールを使うかの問題です。同じ場所に、3つのプールは必要ないでしょ! 8km圏内に拘らなかったら、都内のもっと良い場所に新設できたと思います。都民や近隣県の方が市民プールとして使用する場合、ご自分の在住場所によって近くの~(本来なら他の地で建設された)アクアティクスセンターへ、別の方は現在の辰巳水泳場といった使い方ができます。また私は会場のある江東区に住んでいるので分かりますが、東京のかなり東側の辰巳地域は、都心から離れ交通の便も良いとは言えません。競技会にみならず市民プールの場所としても、極めて行きにくい会場と思えます。そんな場所に3つもプールを作れば、無用の長物になる恐れがあります。

一方、ロンドン大会の水泳会場は2万席も、大会終了後は会場が縮小できるよう、最初からそうした基本設計をしました。2,500席のこじんまりとした基本会場を作っておき、施設の両サイドに簡易な17,500席の仮設席を設けました。大会後は仮設席を取り壊し、最初から作ってあった市民プールに壁を張って原形に戻したのです。因みにデザイン者は、あの新国立競技場で話題になった故ザハ・アディド氏です。東京も会場の在り方として、数百億円を掛ける以上はトップの競技選手のみならず、大会後にいかに多くのアマチュアレベル・市民がその施設を使えるかを重視すべきです。税金の使い方に厳しい欧米は、見栄や面子よりも合理主義を尊びます。その後の施設の使い方を予め考慮する見本が、ロンドンにあります。にも関わらず東京都や大会組識委員会は全く見習わずに、ひたすら恒久的な「大きな器」を作ろうとしています。

■金メダリストに「新設会場建設を」と言わせる動きは見苦しい
このようにアクアティクスセンターは、大会後に大規模に改修できる基本設計をしようとしていません。最初から建物の器自体を、2万席(圧縮案では1.5万席)にするのです。これでは建築費が高くつき、また大き過ぎて市民用のプールとしては使えません。大会時は、2万席は一杯になるでしょう。しかし現在、辰巳水泳場での国内・国際試合でも、定員の5,000席が埋まることは全くありません。東京オリンピックが終わった通常の水泳大会も、そんなものでしょう。2万席のうち数千席しか埋まらなかった却ってみすぼらしく、選手もテンションが上がらないと思うのですが? 2020年以降、再び日本にオリンピックが来るのは当分先です。その頃には、アクアティクスセンターも老朽化し建て直しが必要でしょう。ならば5,000席程度の基本設計にして、後は仮設席にするほうが賢明です。

スケベ心の大会組織委員会や水泳競技連盟は、ロンドンオリンピックメダリストやアテネ大会の日本の金メダリストを使い、ここでも「レガシー(遺産)」という美名の下に、「選手のために新設会場に作ろう」と言わせています。他の競技連盟も含めて、見苦しい限りです。皮肉にも、日本のある金メダリストが優勝後に名ゼリフを吐いたアテネの水泳会場は、巨大ゆえの損壊・廃墟化が進んでいるのです。同じく野球や金メダルを勝ち取った女子ソフトボールの会場はもっと荒み、大会後は全く使われず草ぼうぼうの有り様です。日本では、ここまでには至らないでしょう。しかしバレーボールやフィギュアスケートの人気ぶりに比べ、水泳競技に巨大過ぎる2万の席がいつも満席になるかは甚だ疑問です。身の丈に応じたサイズが相応しく、大きな器は無駄過ぎます。

▽最終決定会場 追記 再見直し検討も変更せず
水泳競技  アクアティクスセンター (新設)

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