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統一教会18|松尾貴史氏コラム◇岸田首相の「質問権を行使する」表明、またもや時間稼ぎでは?/少数派

2022年10月27日 | 政治情勢2
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/政治情勢
統一教会18|松尾貴史氏コラム◇岸田首相の「質問権を行使する」表明、またもや時間稼ぎでは?

Matsuoiwakan
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムからの記事をご紹介します。
松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*投稿タイトルは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が行ったものです。


 ↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム

■全国霊感商法対策弁護士連絡会「いたずらに時間を費消しその間に被害が拡大する懸念」
岸田文雄首相が、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対して「質問権の行使をする」と表明した。宗教法人法に規定されている権限で、調査するに当たって宗教法人に法令違反等が疑われる場合、文部科学省や都道府県の職員が運営実態について報告を求めたり、質問したりできるというものだそうだ。地下鉄サリン事件など多くの刑事事件を起こしたオウム真理教による所業を鑑みて「質問権」の規定が追加されたが、これまで行使されることはなかった。この質問権、厳格な印象があったが、質問に応じなかったり虚偽説明したりした場合は「代表役員に10万円以下の過料を科す」という罰則がある。一説には、数千億円もの大金が信者から吸い取られ、韓国の統一教会本部に流れたともいわれる一連の事件について、罰則が「10万円以下」とは生ぬるくも感じるが、ないよりはましなのだろうか。

この「質問権行使」については、旧統一教会の被害者家族が評価しているようだが、それはこれまであまりにも何も進まなかったことに比べれば、0と1の果てしない差とも捉えることができる。かつて自民党総裁の秘書を務めた私の知人は、岸田首相の質問権の行使についての発言を「弁慶が安宅(あたか)の関で、義経の頭をたたいて見せているような話だ」と歌舞伎の「勧進帳」になぞらえて評していたが、言い得て妙である。全国霊感商法対策弁護士連絡会は「既に旧統一教会については解散請求を行う要件が満たされており、速やかに解散請求がされるべきというものである。今から質問権行使を行うことは、いたずらに時間を費消し、その間に被害が拡大する懸念も否定できない」といった内容の声明を発表した。

■共犯にも見える自民党勢力のトップが音頭を取って「質問」「調査」をすると言っても・・・
オウム真理教の一連の事件が解決を見た時、警察関係者は「次は旧統一教会をやる」との方針を述べていたのに、一切何も進まなかった。そのことについて、被害者の救済に奔走していたジャーナリストの有田芳生氏が「『政治の力』が働いた」と証言している。数十年も前から大問題になっていて、多くの被害者を生み、多くの家庭が破壊されている現状を見ても即刻解散請求すべき状況だと思うが、いまだに岸田政権は「調査を検討」などと緩く、ぬるい言い回しで時間稼ぎをしようとしている印象は拭えない。「質問権の行使」とは言うけれど、まずは「質問権行使の基準作りのための専門家会議を設置する」のだという。既に解散請求する材料はそろっているはずなのに、解散命令とは別のラインにある「質問権」でけむに巻こうとしている印象がある。岸田政権が「国葬」を「国葬儀」と呼び続けたような「技法」ではないことを祈る。

前述の有田氏の言う「政治の力」とは、もちろん旧統一教会と癒着し、多大なる恩恵を得ているであろう「政権党の力」に他ならない。そして、その政権党の代表である首相が「質問権を行使して調査を検討する」と言っている。岸田首相扮(ふん)する弁慶が、旧統一教会である義経の頭をフェイクでたたくという、その場しのぎの時間稼ぎによって、また国民がだまされてしまう、あるいは忘れさせられてしまうのではないかという心配が湧いてくるのも当然である。信者の息子に銃撃され、死亡した安倍晋三氏をはじめ、自民党所属の、それもおびただしい数の政治家が旧統一教会の広告塔となったのに「知らなかった」「選挙で応援してくれるなら、どういう団体か分からなくても頼るさ」などとうそぶいている。数十年にわたって政治的なお墨付きを与え続け、被害を拡大させてきて、ある意味では共犯にも見える勢力のトップが音頭を取って「質問」「調査」をすると言っても、はたして弁慶が自らの泣きどころを打ちのめすようなことを本気でするのだろうか。

■投稿者の文章|山際大臣更迭=瀬戸際大臣・窓際大臣・往生際悪し大臣、ヤメギワも悪かった
瀬戸際大臣・窓際大臣・往生際悪し大臣と言われた山際大臣が、追い込まれた末に更迭された。揶揄された通り実際も往生際が悪く、コメントも他人事で反省や当事者意識がなかった。ヤマギワではなく、ヤメギワも悪かった。こんな大臣を延々と引っ張った岸田首相は国会本会議で陳謝したものの、却って優柔不断、決断力のなさ、”決められない総理”であることが露呈した。岸田氏は自民党と統一教会の癒着が発覚してから約3か月経過してから、やっと「関係を切る」と言い出した。遅過ぎる、今になって言い出しても説得力がなく、誰も信用しない。最初から言い切れば、また展開も変わっていたかもしれない。実態は、これからもズルズルと行くのだろう。それでは騙され続ける信者、2世信者が救われない。岸田政権や自民党の混乱ぶりは知ったこっちゃないが、早く法律化・救済措置を講じ、統一教会=カルト集団の芽を摘むことが肝心。そして今後新たなカルト集団が発生しないような社会にすべく、国会議員や法曹界、関係者の努力、さらなる厳しい国民の意思で、厳しい対策を望む。

Sankoub
次号/統一教会19|被害者救済新法も結局は政府自民党による緩い規制の「触らぬ神」路線だった
前号/統一教会17|衝撃!内閣支持率続落の29%危険水域に、統一教会対応「評価せず」72%

Ntopkeiji

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