毎日新聞クロスワードサポート
【や】気になる言葉の辞書 P.50/54
いつも毎日新聞クロスワードサポート(気になる言葉の辞書)にお越し頂き、誠に
ありがとうございます。
●チコ情報/NHK番組「チコちゃんに叱られる」、林修情報/テレビ朝日・林修先
生の「ことば検定」、池上情報/池上彰氏のTV情報番組を参考にしたことを示す。
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文字が見にくい場合は、右サイドバーの「文字サイズ変更」の『大』をクリック。
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【や】
▽家移り(やうつり) = 引っ越すこと。林修情報/引っ越しの「引っ」は当て字で、引くことの意味はない。「ひっぱたく・ひっとらえる・ひっくるめる」など、勢いを強める強調言葉の1つ。引っ越し蕎麦は、引っ越し先で食べることではなく、引っ越し先で近づきのしるしに近隣に配る蕎麦が本来の意味。
▽八重咲き(やえざき) = 花弁が幾枚も重なって咲くこと、重弁であること。八重咲きの花を、「重弁花」(じゅうべんか)と言う。投/「八重咲き」の言葉に情緒あり、八重山吹(やまぶき)・八重の椿など。大河ドラマ「八重の桜」(主演:綾瀬はるか)、こちらは新島(にいじま)八重のこと。八重山は、幾重にも重なっている山。八重歯(やえば)は、歯のわきに重なったように生える歯。
▽八重洲<ヤン・ヨーステン>(やえす) = 八重洲は東京駅東側の商業地区、屈指の地下街。ヤン・ヨーステンは、オランダの船員・貿易家。1600年、乗っていた帆船が豊後に漂着。徳川家康に用いられ、江戸に居住。その場所がヤン・ヨーステンの名に因み、現在の八重洲と名付けられた。投/船が漂着しなければ、家康が重用しなければ、あるいは外国人名が異なっていれば、今の八重洲の地名も違っていただろう。
▽八百万の神(やおよろずのかみ) = 八百(やお)は数が極めて多いこと、万(よろず)は様々であること。八百万の神とは、多種多様な数多くの神。毎年、旧暦10月には全国の八百万の神が出雲の国に集まり 縁結びや来年の収穫・諸事の会議をするいわれ。
▽焼きが回る = ①刀の刃などを焼く時、火が行きわたり過ぎて却って切れ味が悪くなる。 ②転じて、年を取ったりして能力が落ちることを言う。
▽矢切の渡し = 江戸川の渡し場。東京都葛飾区柴又と対岸の千葉県松戸市下矢切(しもやぎり)とを結ぶ。1632(寛永9)年創設。松戸側は、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」の舞台でもある。歌は、細川たかし・ちあきなおみ・瀬川瑛子などの競作。1983(S58)年、細川たかしが第25回日本レコード大賞を受賞した。投/元々は、作曲の船村徹がちあきなおみに提供。投稿者も、ちあきの歌のほうが情感が溢れ好き。生前、船村氏は、ちあきなおみの歌はまさしく渡し船だが、細川たかしの歌はモーターボートで渡った感じがするとの逸話が残る。
▽疫病神(やくびょうがみ) = ①病気をはやらせる神。疫神。②転じて、人から忌み嫌われる人。奈良「古事記」疫病(えやみ)、平安「続日本紀」に疫そう等の文字あり。現在まで、天然痘・赤痢・コレラなど、数々の感染症との闘いだった。投/約100年前のスペイン風邪(実はウイルス)は、世界で5000万人、日本では45万人が死亡。当時、日本はマスクの徹底と人混みには行かない対策で終息させた。こんな貴重な経験があるのに、自民党政権はエビデンスがないと言い張り、何の効果もなく却って感染を広げたアベマスクの配布とGoToトラベルの強行など、科学に基づかない政策で感染爆発させた。
▽役不足 = ①俳優などが、自分に割り当てられた役に対して不満を抱くこと。 ②その人の力量に比べて、役目が軽すぎること。投/「力不足」との混同誤用に注意。「力不足」は、与えられた職務・役割を果たす力が足りないこと。課長や部長が昇格の挨拶で、謙遜のつもりで「甚だ、役不足ながら~」と言ったら、何て不遜な奴だと思われてしまいますよ! ところで岸田首相は、「役不足」「力不足」?
▽約物(やくもの) = 印刷で、文字・数字以外の記号活字の総称。句読点・括弧(かっこ)・数学記号など。投/大袈裟に言えば、文字以外のマークはほぼ約物と言える。「約物」の語源に明確に記したものはなく、不確かながら「約」の「まとめる」意からか? ハートマークや絵文字は現在のところ約物の定義に含まないが、多用されており“約物的”と言われる。思えばSNSやTV番組は、強調することが多く約物だらけ。少ない文字や短い時間にアピールするには打って付け。
(ほんの一例)。
▽焼け石に水 = 焼け石に少しの水を掛けても冷えないように、援助や努力がわずかで効果が上がらない喩え。投/夏の「打ち水」は、夕方や日陰には効果的。でも暑い日中に道路やコンクリートに撒いても一時しのぎで、まさしく言葉通り“焼け石に水”。
▽やさ = 刀の鞘(さや)が転じて刀の収まる先、自宅・家。投/倒語、種とネタのような使い方。だから、何冊も辞書を調べても載っていなかった。言葉は知っていたが、初めて意味を知った。
▽野趣(やしゅ) = ひなびた味わい、自然のままの素朴なおもむき。田野の風趣。「-に富む」。
▽八千代(やちよ) = 8000年。また、極めて多くの年代。千代は1000年。「千代に八千代に」非常に長い年月に渡って。幾千年も永久にお栄えなさいと祈る句。投/君が代は、10世紀初頭における古今和歌集を元にしている。君が(の)代の「君」は、国民の繁栄を願う説と天皇の永遠を指す説がある。昨今は前者を強調する流れになっているが、政府の詭弁。歴史的には1000年近くが天皇を意味し、天皇のための君が代・日の丸の下に、明治以降、理不尽な戦禍に散った大勢の方々の悲惨さ無念を忘れてはならない。だから投稿者は、君が代を歌わないことにしている。国籍は日本だが、非国民と言われる(苦)。
▽奴(やっこ) = 中間(ちゅうげん)は、江戸時代の武家の下僕・中間。足軽と小者との中間(ちゅうかん)の身分とされた。鎌髭(かまひげ)~口ひげをピンと跳ね上げた姿で、大名行列の先頭で槍や挟み箱などを持って主人の供をした。槍持奴(やりもちやっこ)に由来する。槍持奴は大きな四角形を染めた半纏(はんてん)を着ており、その柄は「釘抜紋」(くぎぬきもん)と呼ばれる。奴がなぜ凧になったか諸説あり、虐げられていた町民が、蔑まされていた奴の絵凧を武家屋敷の上に飛ばし、低い身分の奴が偉い武士を見下ろすことで、町民は意気を挙げたとも言われる。なお奴豆腐、冷奴(ひややっこ)は、豆腐が四角い釘抜紋と似ていることから。
▽八つ時(やつどき) = 午前2時、午後2時頃。投/御八つ(おやつ)の語源は、八つ時にお菓子などを食べることから。
▽弥の明後日(やのあさって) = ①(東日本で)あさっての次の日。明明後日。②(東京で)あさっての翌々日。明明後日の次の日。投/4~5日目、日本の東地域で使われる。
▽藪入り(やぶいり) = 奉公人が正月および盆の16日前後に、主家から休暇をもらって親元などに帰ること。
▽山鯨(やまくじら) = ①猪の肉、獣肉。獣肉を食べることは禁忌であったことから、言い換えたもの。「牡丹(ぼたん)鍋」=猪肉・野菜・豆腐などを具材とした味噌味の鍋料理、猪鍋、ししなべ。牡丹鍋の謂われは、①猪肉を薄切りにし牡丹の花に似せて皿の上に盛りつける。②花札の6月の役札には牡丹の花に猪の絵柄から、他説あり。投/投稿者の地元に近い墨田区・両国橋のたもとに、300年の歴史を持つ猪料理で有名な「もゝ(も)んじや」がある。猪のオブジェ?(立体看板・画像参照)があり、投稿者が子供の頃から存在を知っていた店だが、まだ行ったことはない。時代か、現在では「ジビエ料理の老舗」と銘打っている。
▽山路来て~(やまじ・-) = 「山路来て何やらゆかしすみれ草」。江戸時代の俳人・松尾芭蕉の紀行文のひとつ、「野ざらし紀行」に所収。山路を辿って歩いてきたら、すみれの花を見つけた。なんともいえず、そのすみれの花を慕わしいものに思ったの意。
▽大和仮名(やまとがな) = 漢字に対して、片仮名・平仮名。チコ情報/4~5世紀頃、中国から漢字が入ってきた。漢字を本来の意味を離れ仮名的に用いた文字が、万葉仮名(まんようがな)。貴族の私的の場合や女性文学者が漢字を簡略化したのが「ひらがな」、安→あ、以→い、宇→う、など。一方、僧侶がお経を読むために略したのがカタカナ。江→エ、於→オ、加→カ、など。
▽山懐(やまふところ) = 山間がくぼまって懐のように入りこんでいる所。投/山懐・山裾(やますそ)・山肌など、山を人に例えた言葉は余韻があっていい。武田信玄が用いた軍旗に記された「風林火山」は、動かざること「山のごとし」。我が家は、動かざること「妻のごとし」。
▽闇夜(やみよ)の錦 = 夜(よる)の錦とも言い、夜に美しい錦の着物を着ても甲斐がないように、せっかくの功労や美事などが空しく埋もれてしまうこと。転じて、甲斐のないこと。
▽弥生土器(やよいどき) = ①陰暦3月の異称。草木が盛んに生える意味の「いやおい」に由来する。②弥生時代と言う名称は、東京文京区・本郷弥生町の貝塚で発見され名づけられた土器による。縄文土器は形状、弥生土器は地名が元。投/ご年配の方は、昔は縄文式土器・弥生式土器と習ったはず。調べたら変更があったのは学術部門は1975年、教科書は90年代から「弥生土器」に変更された。理由は、弥生式土器を細分化すると、遠賀川式土器や○○式、□□式などと表記されて紛らわしいため、弥生式土器表記が改められ→以降、「弥生土器」、「縄文土器」とされるようになった。
▽遣らずぶっ手繰り(やらず・ぶったくり) = 与えることをせず、人からとりあげるだけであること。
▽柔肌の熱き血潮に触れもみで悲しからずや道を説く君 = 与謝野晶子の「みだれ髪」。投/何とも艶っぽい。野暮な投稿者が説明するまでもない。
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「毎日新聞クロスワード」に出題されたワードから、ピックアップしたものです。
「気になる言葉の辞書」の説明は、広辞苑第七版と明鏡国語辞典第三版・三省堂国語
辞典第八版の解釈を主体に、その他複数の辞書・ネット検索・過去の投稿ネタ、投稿者
の感想(投/~と表記)を加え編纂しております。
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【や】
▽家移り(やうつり) = 引っ越すこと。林修情報/引っ越しの「引っ」は当て字で、引くことの意味はない。「ひっぱたく・ひっとらえる・ひっくるめる」など、勢いを強める強調言葉の1つ。引っ越し蕎麦は、引っ越し先で食べることではなく、引っ越し先で近づきのしるしに近隣に配る蕎麦が本来の意味。
▽八重咲き(やえざき) = 花弁が幾枚も重なって咲くこと、重弁であること。八重咲きの花を、「重弁花」(じゅうべんか)と言う。投/「八重咲き」の言葉に情緒あり、八重山吹(やまぶき)・八重の椿など。大河ドラマ「八重の桜」(主演:綾瀬はるか)、こちらは新島(にいじま)八重のこと。八重山は、幾重にも重なっている山。八重歯(やえば)は、歯のわきに重なったように生える歯。
▽八重洲<ヤン・ヨーステン>(やえす) = 八重洲は東京駅東側の商業地区、屈指の地下街。ヤン・ヨーステンは、オランダの船員・貿易家。1600年、乗っていた帆船が豊後に漂着。徳川家康に用いられ、江戸に居住。その場所がヤン・ヨーステンの名に因み、現在の八重洲と名付けられた。投/船が漂着しなければ、家康が重用しなければ、あるいは外国人名が異なっていれば、今の八重洲の地名も違っていただろう。
▽八百万の神(やおよろずのかみ) = 八百(やお)は数が極めて多いこと、万(よろず)は様々であること。八百万の神とは、多種多様な数多くの神。毎年、旧暦10月には全国の八百万の神が出雲の国に集まり 縁結びや来年の収穫・諸事の会議をするいわれ。
▽焼きが回る = ①刀の刃などを焼く時、火が行きわたり過ぎて却って切れ味が悪くなる。 ②転じて、年を取ったりして能力が落ちることを言う。
▽矢切の渡し = 江戸川の渡し場。東京都葛飾区柴又と対岸の千葉県松戸市下矢切(しもやぎり)とを結ぶ。1632(寛永9)年創設。松戸側は、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」の舞台でもある。歌は、細川たかし・ちあきなおみ・瀬川瑛子などの競作。1983(S58)年、細川たかしが第25回日本レコード大賞を受賞した。投/元々は、作曲の船村徹がちあきなおみに提供。投稿者も、ちあきの歌のほうが情感が溢れ好き。生前、船村氏は、ちあきなおみの歌はまさしく渡し船だが、細川たかしの歌はモーターボートで渡った感じがするとの逸話が残る。
▽疫病神(やくびょうがみ) = ①病気をはやらせる神。疫神。②転じて、人から忌み嫌われる人。奈良「古事記」疫病(えやみ)、平安「続日本紀」に疫そう等の文字あり。現在まで、天然痘・赤痢・コレラなど、数々の感染症との闘いだった。投/約100年前のスペイン風邪(実はウイルス)は、世界で5000万人、日本では45万人が死亡。当時、日本はマスクの徹底と人混みには行かない対策で終息させた。こんな貴重な経験があるのに、自民党政権はエビデンスがないと言い張り、何の効果もなく却って感染を広げたアベマスクの配布とGoToトラベルの強行など、科学に基づかない政策で感染爆発させた。
▽役不足 = ①俳優などが、自分に割り当てられた役に対して不満を抱くこと。 ②その人の力量に比べて、役目が軽すぎること。投/「力不足」との混同誤用に注意。「力不足」は、与えられた職務・役割を果たす力が足りないこと。課長や部長が昇格の挨拶で、謙遜のつもりで「甚だ、役不足ながら~」と言ったら、何て不遜な奴だと思われてしまいますよ! ところで岸田首相は、「役不足」「力不足」?
▽約物(やくもの) = 印刷で、文字・数字以外の記号活字の総称。句読点・括弧(かっこ)・数学記号など。投/大袈裟に言えば、文字以外のマークはほぼ約物と言える。「約物」の語源に明確に記したものはなく、不確かながら「約」の「まとめる」意からか? ハートマークや絵文字は現在のところ約物の定義に含まないが、多用されており“約物的”と言われる。思えばSNSやTV番組は、強調することが多く約物だらけ。少ない文字や短い時間にアピールするには打って付け。
(ほんの一例)。
▽焼け石に水 = 焼け石に少しの水を掛けても冷えないように、援助や努力がわずかで効果が上がらない喩え。投/夏の「打ち水」は、夕方や日陰には効果的。でも暑い日中に道路やコンクリートに撒いても一時しのぎで、まさしく言葉通り“焼け石に水”。
▽やさ = 刀の鞘(さや)が転じて刀の収まる先、自宅・家。投/倒語、種とネタのような使い方。だから、何冊も辞書を調べても載っていなかった。言葉は知っていたが、初めて意味を知った。
▽野趣(やしゅ) = ひなびた味わい、自然のままの素朴なおもむき。田野の風趣。「-に富む」。
▽八千代(やちよ) = 8000年。また、極めて多くの年代。千代は1000年。「千代に八千代に」非常に長い年月に渡って。幾千年も永久にお栄えなさいと祈る句。投/君が代は、10世紀初頭における古今和歌集を元にしている。君が(の)代の「君」は、国民の繁栄を願う説と天皇の永遠を指す説がある。昨今は前者を強調する流れになっているが、政府の詭弁。歴史的には1000年近くが天皇を意味し、天皇のための君が代・日の丸の下に、明治以降、理不尽な戦禍に散った大勢の方々の悲惨さ無念を忘れてはならない。だから投稿者は、君が代を歌わないことにしている。国籍は日本だが、非国民と言われる(苦)。
▽奴(やっこ) = 中間(ちゅうげん)は、江戸時代の武家の下僕・中間。足軽と小者との中間(ちゅうかん)の身分とされた。鎌髭(かまひげ)~口ひげをピンと跳ね上げた姿で、大名行列の先頭で槍や挟み箱などを持って主人の供をした。槍持奴(やりもちやっこ)に由来する。槍持奴は大きな四角形を染めた半纏(はんてん)を着ており、その柄は「釘抜紋」(くぎぬきもん)と呼ばれる。奴がなぜ凧になったか諸説あり、虐げられていた町民が、蔑まされていた奴の絵凧を武家屋敷の上に飛ばし、低い身分の奴が偉い武士を見下ろすことで、町民は意気を挙げたとも言われる。なお奴豆腐、冷奴(ひややっこ)は、豆腐が四角い釘抜紋と似ていることから。
▽八つ時(やつどき) = 午前2時、午後2時頃。投/御八つ(おやつ)の語源は、八つ時にお菓子などを食べることから。
▽弥の明後日(やのあさって) = ①(東日本で)あさっての次の日。明明後日。②(東京で)あさっての翌々日。明明後日の次の日。投/4~5日目、日本の東地域で使われる。
▽藪入り(やぶいり) = 奉公人が正月および盆の16日前後に、主家から休暇をもらって親元などに帰ること。
▽山鯨(やまくじら) = ①猪の肉、獣肉。獣肉を食べることは禁忌であったことから、言い換えたもの。「牡丹(ぼたん)鍋」=猪肉・野菜・豆腐などを具材とした味噌味の鍋料理、猪鍋、ししなべ。牡丹鍋の謂われは、①猪肉を薄切りにし牡丹の花に似せて皿の上に盛りつける。②花札の6月の役札には牡丹の花に猪の絵柄から、他説あり。投/投稿者の地元に近い墨田区・両国橋のたもとに、300年の歴史を持つ猪料理で有名な「もゝ(も)んじや」がある。猪のオブジェ?(立体看板・画像参照)があり、投稿者が子供の頃から存在を知っていた店だが、まだ行ったことはない。時代か、現在では「ジビエ料理の老舗」と銘打っている。
▽山路来て~(やまじ・-) = 「山路来て何やらゆかしすみれ草」。江戸時代の俳人・松尾芭蕉の紀行文のひとつ、「野ざらし紀行」に所収。山路を辿って歩いてきたら、すみれの花を見つけた。なんともいえず、そのすみれの花を慕わしいものに思ったの意。
▽大和仮名(やまとがな) = 漢字に対して、片仮名・平仮名。チコ情報/4~5世紀頃、中国から漢字が入ってきた。漢字を本来の意味を離れ仮名的に用いた文字が、万葉仮名(まんようがな)。貴族の私的の場合や女性文学者が漢字を簡略化したのが「ひらがな」、安→あ、以→い、宇→う、など。一方、僧侶がお経を読むために略したのがカタカナ。江→エ、於→オ、加→カ、など。
▽山懐(やまふところ) = 山間がくぼまって懐のように入りこんでいる所。投/山懐・山裾(やますそ)・山肌など、山を人に例えた言葉は余韻があっていい。武田信玄が用いた軍旗に記された「風林火山」は、動かざること「山のごとし」。我が家は、動かざること「妻のごとし」。
▽闇夜(やみよ)の錦 = 夜(よる)の錦とも言い、夜に美しい錦の着物を着ても甲斐がないように、せっかくの功労や美事などが空しく埋もれてしまうこと。転じて、甲斐のないこと。
▽弥生土器(やよいどき) = ①陰暦3月の異称。草木が盛んに生える意味の「いやおい」に由来する。②弥生時代と言う名称は、東京文京区・本郷弥生町の貝塚で発見され名づけられた土器による。縄文土器は形状、弥生土器は地名が元。投/ご年配の方は、昔は縄文式土器・弥生式土器と習ったはず。調べたら変更があったのは学術部門は1975年、教科書は90年代から「弥生土器」に変更された。理由は、弥生式土器を細分化すると、遠賀川式土器や○○式、□□式などと表記されて紛らわしいため、弥生式土器表記が改められ→以降、「弥生土器」、「縄文土器」とされるようになった。
▽遣らずぶっ手繰り(やらず・ぶったくり) = 与えることをせず、人からとりあげるだけであること。
▽柔肌の熱き血潮に触れもみで悲しからずや道を説く君 = 与謝野晶子の「みだれ髪」。投/何とも艶っぽい。野暮な投稿者が説明するまでもない。
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