少数派シリーズ/羽田新飛行ルート
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!1
大型旅客機が都心を1分20秒ごとにスカイツリーより低空飛行する羽田増便計画
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南風時の羽田空港・離発着ルート[国交省HPより・転載了解済]。上・画像1が現行ルート、下・画像2が計画。少々見にくいのですが、赤ラインが好天時・オレンジは悪天時の着陸ルート、青ラインが離陸ルート。
<変更点>従来、着陸時に東京湾上を降下するルートだったものを変更し、埼玉県上空に迂回し都心の北西から着陸態勢に入る。
*2017年の投稿であり、その後、ブログ移転したため現投稿日になっています。
■南風時の着陸はスカイツリー以下・北風時の離陸は荒川上空(江東区・江戸川区)を飛行
羽田新飛行ルートの重大問題について、5回に渡り説明します/外国人観光客を年間4,000万人に倍増する計画や東京オリンピックなどの来日客増加のために、国交省は2020年に向けて、羽田空港の巨大な大型ジェット旅客機などの離発着を増便させる計画を発表しました。国際便は、現在の年間発着枠6万回から9.9万回へと拡大されます。さて従来の離発着ルートは、危険回避・騒音問題から周辺自治体や地元住民に配慮して、主に東京湾上空を飛行させてきました。旅客機の離着陸は、原則、風に向かって進路を取るため、計画は①南風時の着陸ルートは渋谷などの都心の真上を縦断、東京スカイツリー以下の高度、②北風時の離陸ルートは、江東区・江戸川区の荒川沿いを飛行する(次号以降紹介)大幅なルート変更がされます。多大な危険があるため安全上許されない計画として、双方のルート下にある各地元では大反対の抗議が広がっています。当ブログでは、便宜上、2つのルート変更案の名称を、「南風時・都心着陸降下ルート」(新宿=渋谷=羽田)・画像2、「北風時・荒川離陸上昇ルート」(羽田=湾岸エリア=荒川沿い)とします。
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■大型機の墜落・機体部品の落下など甚大な惨事の恐れがある飛行ルートの変更
次に画像3「南風時・着陸ルート」の高度を詳しく見ると、埼玉県南部上空から南下し、練馬・中野・新宿・渋谷・港・品川・大田各区の上空を降下します。麻布・恵比寿・渋谷付近の飛行高度は、東京スカイツリー(634m)より低空の約610m、大井町付近では東京タワー(333m)よりも低い約305m、そして大井埠頭・八潮団地では何と約200mの超低空を巨大な大型機が飛行します。100m以上の超高層ビルやタワーマンション(タワマン)が林立するエリアなので、さらに旅客機と建物の高度差はなくなります。台湾の旅客機墜落・調布市の小型機墜落など、住宅街・都心での墜落事故は十分あり得ます。大型機が墜落すれば、極めて甚大な惨事になってしまいます。また成田空港や全国各地の空港近くでは、機体部品の落下、車輪近くに固まった氷塊が落ちてくるのは日常茶飯事です。極めて危険な飛行ルートの変更と、言わざるを得ません。
追記/2019年の最新計画では、新宿上空は1037m、渋谷は701mなどに修正された。
飛行する旅客機は、大型機・中型機など様々な機種があります。国交省の資料によると、代表する「大型機」はボーイング社777-300型と777-200型をあげています。ANAとJALのホームページを確認したところ、300型は概ね乗客が500人規模・200型は400人規模です。機体は、前者/全長約74m・全幅(翼長)約61m、最大離陸重量(機体・乗客・貨物・燃料など総重量)240tです。後者/全長約64m・全幅約61m、最大離陸重量200t。このような大型機がわずか数百mの低空を飛行すれば、かなりの圧迫感を抱き、それどころか自宅や職場に突っ込む・墜落する恐怖感を覚えるのです。日頃よく見る、ヘリコプターやセスナ社などの小型機とは比べ物になりません。
■南風時・着陸ルート下は午後3時~7時まで1時間当たり44機、1分20秒ごとに着陸
さらには騒音も酷く、高度200mの八潮団地付近では80デシベルを遥かに超えることが予測されます。80デシベルは地下鉄車内で窓を開けた状態に匹敵、あるいは電車のガード下と同じでテレビや電話の声は聞えません。計画では南風時の飛行時間帯は、国際線が集中する午後3時~7時まで1時間当たり44機、JR山手線の運転間隔より短い1分20秒ごとの間隔で大型機が着陸します(注)。そのために、都民(住民)と近県からの通勤者合わせて数百万人以上に恐怖を及ぼすことは、人命軽視・住民軽視も甚だしいに尽きます。
注/間隔が短いのは、羽田空港のA滑走路・C滑走路2本を同時併用するためです。
普通なら新滑走路を増設すれば?と思われますが、旅客機が東京湾上空で大混雑しているので、新滑走路を造っても離着陸回数が増やせないとしています。昭和50年前後、地権者と大騒動になり死者3人を出した成田空港建設は何だったのでしょうか? 国の行き当たりばったりの無政策が、ここでも現われています。都民に、いつ大型機が落ちてくるか分からない状況にさせておいて、来日外国人にウエルカムや“おもてなし”もあったものではないでしょう。1985(S60)年、「レーダーから機影が消えました!」~520人が死亡した日航機墜落事故の際、投稿者はリアルタイムでTVのニュース速報・その後の報道に食い入りました。その衝撃は、今でも忘れません。羽田新飛行ルート下の地元住民は、危険や不安から反対活動に参加しています。国交省は直ちに計画を撤回し、周辺住民の安全・安心を確保すべきです。
次号/2.羽田増便計画によって江東区・江戸川区にも大型旅客機が低空飛行する
都心を低空で離陸・着陸を繰り返す羽田新ルートは許されない!1
大型旅客機が都心を1分20秒ごとにスカイツリーより低空飛行する羽田増便計画
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南風時の羽田空港・離発着ルート[国交省HPより・転載了解済]。上・画像1が現行ルート、下・画像2が計画。少々見にくいのですが、赤ラインが好天時・オレンジは悪天時の着陸ルート、青ラインが離陸ルート。
<変更点>従来、着陸時に東京湾上を降下するルートだったものを変更し、埼玉県上空に迂回し都心の北西から着陸態勢に入る。
*2017年の投稿であり、その後、ブログ移転したため現投稿日になっています。
■南風時の着陸はスカイツリー以下・北風時の離陸は荒川上空(江東区・江戸川区)を飛行
羽田新飛行ルートの重大問題について、5回に渡り説明します/外国人観光客を年間4,000万人に倍増する計画や東京オリンピックなどの来日客増加のために、国交省は2020年に向けて、羽田空港の巨大な大型ジェット旅客機などの離発着を増便させる計画を発表しました。国際便は、現在の年間発着枠6万回から9.9万回へと拡大されます。さて従来の離発着ルートは、危険回避・騒音問題から周辺自治体や地元住民に配慮して、主に東京湾上空を飛行させてきました。旅客機の離着陸は、原則、風に向かって進路を取るため、計画は①南風時の着陸ルートは渋谷などの都心の真上を縦断、東京スカイツリー以下の高度、②北風時の離陸ルートは、江東区・江戸川区の荒川沿いを飛行する(次号以降紹介)大幅なルート変更がされます。多大な危険があるため安全上許されない計画として、双方のルート下にある各地元では大反対の抗議が広がっています。当ブログでは、便宜上、2つのルート変更案の名称を、「南風時・都心着陸降下ルート」(新宿=渋谷=羽田)・画像2、「北風時・荒川離陸上昇ルート」(羽田=湾岸エリア=荒川沿い)とします。
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■大型機の墜落・機体部品の落下など甚大な惨事の恐れがある飛行ルートの変更
次に画像3「南風時・着陸ルート」の高度を詳しく見ると、埼玉県南部上空から南下し、練馬・中野・新宿・渋谷・港・品川・大田各区の上空を降下します。麻布・恵比寿・渋谷付近の飛行高度は、東京スカイツリー(634m)より低空の約610m、大井町付近では東京タワー(333m)よりも低い約305m、そして大井埠頭・八潮団地では何と約200mの超低空を巨大な大型機が飛行します。100m以上の超高層ビルやタワーマンション(タワマン)が林立するエリアなので、さらに旅客機と建物の高度差はなくなります。台湾の旅客機墜落・調布市の小型機墜落など、住宅街・都心での墜落事故は十分あり得ます。大型機が墜落すれば、極めて甚大な惨事になってしまいます。また成田空港や全国各地の空港近くでは、機体部品の落下、車輪近くに固まった氷塊が落ちてくるのは日常茶飯事です。極めて危険な飛行ルートの変更と、言わざるを得ません。
追記/2019年の最新計画では、新宿上空は1037m、渋谷は701mなどに修正された。
飛行する旅客機は、大型機・中型機など様々な機種があります。国交省の資料によると、代表する「大型機」はボーイング社777-300型と777-200型をあげています。ANAとJALのホームページを確認したところ、300型は概ね乗客が500人規模・200型は400人規模です。機体は、前者/全長約74m・全幅(翼長)約61m、最大離陸重量(機体・乗客・貨物・燃料など総重量)240tです。後者/全長約64m・全幅約61m、最大離陸重量200t。このような大型機がわずか数百mの低空を飛行すれば、かなりの圧迫感を抱き、それどころか自宅や職場に突っ込む・墜落する恐怖感を覚えるのです。日頃よく見る、ヘリコプターやセスナ社などの小型機とは比べ物になりません。
■南風時・着陸ルート下は午後3時~7時まで1時間当たり44機、1分20秒ごとに着陸
さらには騒音も酷く、高度200mの八潮団地付近では80デシベルを遥かに超えることが予測されます。80デシベルは地下鉄車内で窓を開けた状態に匹敵、あるいは電車のガード下と同じでテレビや電話の声は聞えません。計画では南風時の飛行時間帯は、国際線が集中する午後3時~7時まで1時間当たり44機、JR山手線の運転間隔より短い1分20秒ごとの間隔で大型機が着陸します(注)。そのために、都民(住民)と近県からの通勤者合わせて数百万人以上に恐怖を及ぼすことは、人命軽視・住民軽視も甚だしいに尽きます。
注/間隔が短いのは、羽田空港のA滑走路・C滑走路2本を同時併用するためです。
普通なら新滑走路を増設すれば?と思われますが、旅客機が東京湾上空で大混雑しているので、新滑走路を造っても離着陸回数が増やせないとしています。昭和50年前後、地権者と大騒動になり死者3人を出した成田空港建設は何だったのでしょうか? 国の行き当たりばったりの無政策が、ここでも現われています。都民に、いつ大型機が落ちてくるか分からない状況にさせておいて、来日外国人にウエルカムや“おもてなし”もあったものではないでしょう。1985(S60)年、「レーダーから機影が消えました!」~520人が死亡した日航機墜落事故の際、投稿者はリアルタイムでTVのニュース速報・その後の報道に食い入りました。その衝撃は、今でも忘れません。羽田新飛行ルート下の地元住民は、危険や不安から反対活動に参加しています。国交省は直ちに計画を撤回し、周辺住民の安全・安心を確保すべきです。
次号/2.羽田増便計画によって江東区・江戸川区にも大型旅客機が低空飛行する