少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.99
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 24
ニュース◇スポーツドクターではコロナ対応できず・専用バス乗務員8万人ワクチン未接種
■専用車ドライバー・バス運転手もワクチン未接種、これでも完璧「バブル方式」と言えるのか
まず投稿者の文章/前号に続き、最近の東京五輪に関するニュースです。選手の移動は、選手村と競技会場の往復だけに限る「バブル方式」を実施します。政府や組織委員会は自ら絶賛するが、実際は「大穴」だらけなのです。前号で“五輪貴族”を昼夜(なぜか深夜も使用)に渡り乗せる専用車を運転するハイヤー・タクシー運転手4000人が、「ワクチン接種」が済んでいないとお伝えしました。同様に五輪関係者やメディア陣を乗せる専用バス(観光バス)の運転手8.1万人も、ワクチン接種の目途が立っていないことが分かりました。「バブル方式」と言いながら、そこら中で大穴・泡が弾けてばかりなのです。これでは、五輪感染・感染拡大が目に見えています。さて今号の特筆は、東京都医師会会長・尾崎治夫氏のインタビュー記事です。組織委員会は、会場で待機・措置対応する医師は「ほぼ確保できた」と発表しましたが、とんだ出鱈目だったことが尾崎氏の発言で明らかになりました。集められたいわゆる「スポーツドクターでは、重大な救急やコロナ感染には対応できない」ということです。本文をご覧下さい。
東京都医師会会長・尾崎治夫氏「スポーツドクターでは救急やコロナ感染には対応できない」
5/15付・しんぶん赤旗記事(概要)・インタビュー記事/「私は組織委員会の橋本聖子会長に、「コロナ医療の障害になることは絶対にやめてほしい」と言いました。ワクチン接種も始まり、(医療者が)五輪に時間を取られれば障害となるし、ひずみが生まれます。そもそも五輪など大きなスポーツ大会で中心を担うのは、救急医療の医師、看護師たちです。熱中症や感染症対応なども必要ですから。まさしくそれは、いまコロナの最前線で踏ん張り、頑張ってくれている医療従事者です。組織委はスポーツドクターの確保をしていますが、多くは整形外科。救急対応しきれるのかという心配がぬぐえません。組織委は看護協会に、看護師確保を要請しています。菅首相は、「現在休まれている方もたくさんいらっしゃるから可能だ」と。しかし、いま現場で働き、臨床感覚がある人でなければ務まるものではありません。」
投稿者補足/記事(文字数)の枠のせいか総花的・尻切れトンボのような編集になっているが、投稿者はTV・新聞等で氏の言動を何度か聞いているので補足する。組織委員会が会場に待機・常駐させる医師が確保できたと言っていたが、大変な勘違い。スポーツドクターは、選手の怪我や筋肉を傷めたなどの初期対応が主体。平常時なら問題はないが、この時期、観客の熱中症やコロナ感染が起きれば彼等では対処できず、結局、一般医療者の措置・一般病棟への入院が必要。その結果、国民へ医療負担を掛けることになる。
専用バス乗務員8万人を動員もワクチン計画まだ・自宅などから現場へ五輪感染対策に大穴
6/10付・しんぶん赤旗記事(概要)/選手・大会関係者やメディア関係者を競技場やホテルに移動する場合、民間から借り上げたバス(観光バス等)を運行する。輸送するバスの乗務員が、延べ8.1万人にのぼる。バス乗務員の内訳は、五輪とパラを合わせて選手・国際競技連盟関係者向けが延べ2.5万人、最も割り当てが多いのはメディア関係者向けで延べ計3.6万人だ。必要なバスの台数は最大で1日約2200台、うち東京圏では2000台を利用する。1日あたりの最大乗務員数は、7月23日(開会式)の2800人としている。政府、東京都、組織委などは、感染防止対策として、選手らの宿泊場所、競技場を泡で包むようなやり方で外部との接触を限定する「バブル方式」を採用しているが、バスの乗務員は自宅などから通うことで「バブル」の外から出入りを繰り返す。組織委は、乗務員むけにワクチンを接種する具体的な計画をたてていない。感染対策の「バブル方式」に大きな穴があいている状況だ。
投稿者補足/組織委員会の橋本会長は、「接触する関係者はワクチンを打って準備に取り組むことが組織委員会としての『おもてなし』だと考えている」と発言した。ふざけた発言で、全く現場の状況が分かっていない。関係者と運転手の相互間に、感染させる危険性がある。前号の専用車そしてバス運転手へのワクチンの目途が立っていないなど、開催を延期したこの1年、何をやってきたのか。この国は、国民の命と健康を守ろうとしない。政府・組織委員会の場当たり的な対応では、“バブル”が弾ける。なお観光バスは、関東圏はもちろん全国から搔き集めてきた。そのため小中高校生が五輪観戦に動員されてもバスは使えず、大混雑・熱中症の危険の中、公共交通機関を使うはめになった。
ボランティア辞退1万人・組織委「コロナ感染への不安」認める
6/3付・毎日新聞記事(概要)/組織委員会の武藤敏郎事務総長は、会場案内や競技運営で大会を支える約8万人の大会ボランティアのうち、約1万人が辞退したと明らかにした。新型コロナウイルスの影響で、ボランティアの1割超が感染の不安などから離反する事態となっている。武藤氏は辞退の理由について、「コロナ感染への不安があるのは間違いない」と述べた。組織委によると、3月下旬から辞退者が増加傾向にあったという。変異株の広がりなどで開催に懐疑的な声が高まる中、辞退者が大幅に増えたことになる。
投稿者補足/森会長の暴言をきっかけに、政治とカネに塗れた「東京五輪」の真相が、国民の間に広がったと思える。コロナ感染の不安もさることながら、主原因は政府・都・組織委員会への「不信」だろう。隠れた本音は、自宅から会場まで青を基調とした派手なユニフォームを着ていかねばならない。今となっては、世間から見られる冷たい眼を気にしている方も多い。
JOC経理部長が地下鉄ホームから転落・警視庁は自殺とみている
6/8付・毎日新聞記事(概要)/7日午前、都営浅草線中延駅でJOC経理部長の男性(52)がホームから転落し、泉岳寺行き普通電車にはねられた。男性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。警視庁荏原署は目撃者の証言から自殺とみている。
投稿者補足/新聞記事は抑制的に書かれているが、TVニュースなどは飛び込み自殺と報道された。4月に現職に昇格したばかりで、選手の派遣費・強化費など150億円以上を扱う部署。現時点では、自殺の真相は明らかになっていない。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
次号/山田孝男・編集委員コラム◇五輪貴族・五輪ファミリーが最大の感染リスク(警戒の大穴)
前号/ニュース◇五輪貴族送迎車2.7千台・会場の消防隊員延べ3万人・ビューイング250か所
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 24
ニュース◇スポーツドクターではコロナ対応できず・専用バス乗務員8万人ワクチン未接種
■専用車ドライバー・バス運転手もワクチン未接種、これでも完璧「バブル方式」と言えるのか
まず投稿者の文章/前号に続き、最近の東京五輪に関するニュースです。選手の移動は、選手村と競技会場の往復だけに限る「バブル方式」を実施します。政府や組織委員会は自ら絶賛するが、実際は「大穴」だらけなのです。前号で“五輪貴族”を昼夜(なぜか深夜も使用)に渡り乗せる専用車を運転するハイヤー・タクシー運転手4000人が、「ワクチン接種」が済んでいないとお伝えしました。同様に五輪関係者やメディア陣を乗せる専用バス(観光バス)の運転手8.1万人も、ワクチン接種の目途が立っていないことが分かりました。「バブル方式」と言いながら、そこら中で大穴・泡が弾けてばかりなのです。これでは、五輪感染・感染拡大が目に見えています。さて今号の特筆は、東京都医師会会長・尾崎治夫氏のインタビュー記事です。組織委員会は、会場で待機・措置対応する医師は「ほぼ確保できた」と発表しましたが、とんだ出鱈目だったことが尾崎氏の発言で明らかになりました。集められたいわゆる「スポーツドクターでは、重大な救急やコロナ感染には対応できない」ということです。本文をご覧下さい。
東京都医師会会長・尾崎治夫氏「スポーツドクターでは救急やコロナ感染には対応できない」
5/15付・しんぶん赤旗記事(概要)・インタビュー記事/「私は組織委員会の橋本聖子会長に、「コロナ医療の障害になることは絶対にやめてほしい」と言いました。ワクチン接種も始まり、(医療者が)五輪に時間を取られれば障害となるし、ひずみが生まれます。そもそも五輪など大きなスポーツ大会で中心を担うのは、救急医療の医師、看護師たちです。熱中症や感染症対応なども必要ですから。まさしくそれは、いまコロナの最前線で踏ん張り、頑張ってくれている医療従事者です。組織委はスポーツドクターの確保をしていますが、多くは整形外科。救急対応しきれるのかという心配がぬぐえません。組織委は看護協会に、看護師確保を要請しています。菅首相は、「現在休まれている方もたくさんいらっしゃるから可能だ」と。しかし、いま現場で働き、臨床感覚がある人でなければ務まるものではありません。」
投稿者補足/記事(文字数)の枠のせいか総花的・尻切れトンボのような編集になっているが、投稿者はTV・新聞等で氏の言動を何度か聞いているので補足する。組織委員会が会場に待機・常駐させる医師が確保できたと言っていたが、大変な勘違い。スポーツドクターは、選手の怪我や筋肉を傷めたなどの初期対応が主体。平常時なら問題はないが、この時期、観客の熱中症やコロナ感染が起きれば彼等では対処できず、結局、一般医療者の措置・一般病棟への入院が必要。その結果、国民へ医療負担を掛けることになる。
専用バス乗務員8万人を動員もワクチン計画まだ・自宅などから現場へ五輪感染対策に大穴
6/10付・しんぶん赤旗記事(概要)/選手・大会関係者やメディア関係者を競技場やホテルに移動する場合、民間から借り上げたバス(観光バス等)を運行する。輸送するバスの乗務員が、延べ8.1万人にのぼる。バス乗務員の内訳は、五輪とパラを合わせて選手・国際競技連盟関係者向けが延べ2.5万人、最も割り当てが多いのはメディア関係者向けで延べ計3.6万人だ。必要なバスの台数は最大で1日約2200台、うち東京圏では2000台を利用する。1日あたりの最大乗務員数は、7月23日(開会式)の2800人としている。政府、東京都、組織委などは、感染防止対策として、選手らの宿泊場所、競技場を泡で包むようなやり方で外部との接触を限定する「バブル方式」を採用しているが、バスの乗務員は自宅などから通うことで「バブル」の外から出入りを繰り返す。組織委は、乗務員むけにワクチンを接種する具体的な計画をたてていない。感染対策の「バブル方式」に大きな穴があいている状況だ。
投稿者補足/組織委員会の橋本会長は、「接触する関係者はワクチンを打って準備に取り組むことが組織委員会としての『おもてなし』だと考えている」と発言した。ふざけた発言で、全く現場の状況が分かっていない。関係者と運転手の相互間に、感染させる危険性がある。前号の専用車そしてバス運転手へのワクチンの目途が立っていないなど、開催を延期したこの1年、何をやってきたのか。この国は、国民の命と健康を守ろうとしない。政府・組織委員会の場当たり的な対応では、“バブル”が弾ける。なお観光バスは、関東圏はもちろん全国から搔き集めてきた。そのため小中高校生が五輪観戦に動員されてもバスは使えず、大混雑・熱中症の危険の中、公共交通機関を使うはめになった。
ボランティア辞退1万人・組織委「コロナ感染への不安」認める
6/3付・毎日新聞記事(概要)/組織委員会の武藤敏郎事務総長は、会場案内や競技運営で大会を支える約8万人の大会ボランティアのうち、約1万人が辞退したと明らかにした。新型コロナウイルスの影響で、ボランティアの1割超が感染の不安などから離反する事態となっている。武藤氏は辞退の理由について、「コロナ感染への不安があるのは間違いない」と述べた。組織委によると、3月下旬から辞退者が増加傾向にあったという。変異株の広がりなどで開催に懐疑的な声が高まる中、辞退者が大幅に増えたことになる。
投稿者補足/森会長の暴言をきっかけに、政治とカネに塗れた「東京五輪」の真相が、国民の間に広がったと思える。コロナ感染の不安もさることながら、主原因は政府・都・組織委員会への「不信」だろう。隠れた本音は、自宅から会場まで青を基調とした派手なユニフォームを着ていかねばならない。今となっては、世間から見られる冷たい眼を気にしている方も多い。
JOC経理部長が地下鉄ホームから転落・警視庁は自殺とみている
6/8付・毎日新聞記事(概要)/7日午前、都営浅草線中延駅でJOC経理部長の男性(52)がホームから転落し、泉岳寺行き普通電車にはねられた。男性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。警視庁荏原署は目撃者の証言から自殺とみている。
投稿者補足/新聞記事は抑制的に書かれているが、TVニュースなどは飛び込み自殺と報道された。4月に現職に昇格したばかりで、選手の派遣費・強化費など150億円以上を扱う部署。現時点では、自殺の真相は明らかになっていない。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
次号/山田孝男・編集委員コラム◇五輪貴族・五輪ファミリーが最大の感染リスク(警戒の大穴)
前号/ニュース◇五輪貴族送迎車2.7千台・会場の消防隊員延べ3万人・ビューイング250か所