食品のカラクリシリーズ オススメ・おまかせメニュー/食べ物視点
店のオススメ・おまかせメニューを頼めばカモ客にされる
早く処分したい古いネタの“アニキ”のフルコースかも知れない
■おまかせコースなら店は利益アップと在庫処分ができる
前号で、松竹梅コースのカラクリをご紹介しました。お客が騙されるコースは、他にもあります。「オススメ・メニュー」や「おまかせコース」は、新鮮でリーズナブルなコースと思いがちです。しかしこれが、店を儲けさせるだけでなく古いネタの在庫処分までしてあげる、とんでもないカラクリなのです。
もちろん本当にサービスとして、活きの良いネタを出す善良な店もあります。しかし飲食店には、“アニキ”という業界用語があります。プロ野球の元選手ではありません。先に仕入れたネタ、あるいは古いネタのことです。このように多くの店では、やや時間が経過した残り物ネタを早く捌きたいので、オススメ・おまかせコースを設定しているのです。
こうしたことを知らない善良なお客は、カモ客として店では大助かりです。因みに季節コースや季節限定商品も、あなたの心を和ませたくて出す訳ではありません。季節品や限定品なら、お客は多少高くてもオーダーするので、店の儲けが増えるからです。
■これからはオススメ・おまかせコースの概念を改めましょう
不況の折り、確かに安価でいろいろ食べられるなら客側にもメリットがある考え方も成り立ちます。オススメ・おまかせコースは経営者は笑いが止まらなくても、雇われている板前さんやシェフの心情を傷つけていると言います。本物の職人なら、お客が本当に食べたい料理をキチッと作り上げることを喜びとしているからです。
プライドを持つ職人に対しおまかせコースの注文は、職人の技術は生かせず、取り方によっては“古くても・どんなネタでも適当に作ってヨ”と言っているに等しいのです。気の弱い貧乏旦那の私(投稿者)は、マイ妻料理にこう言わざるを得ませんが…(苦)。
グルメ評論家や外国人は、食べたいものを人任せにするのは日本人の悪い癖と言います。多少勘定が高くなっても自分でお金を払う以上、自分が食べたいものをしっかり注文すべきと言います。これからは、「オススメ・おまかせコース」の概念を改めましょう。とにかく何度か通い、信頼できる店か見極めることが大事です。
注文するなら断然梅コース、竹コースは店を儲けさせるだけ
古い食材を「アニキ」と呼び月曜日のランチ時に大活躍する
古い食材のことを言う「アニキ」は正月・盆・5月連休明けにも大活躍する