お箸を使う
戦後に洋食文化が入ってきて、フォーク、スプーン、ナイフなどが
家庭で当たり前になってきました。
和洋折衷の献立は、使う箸の頻度が以前より少なくなっているのでは
ないでしょうか。
それでも日本人の食事にお箸は欠かせません。
最近では、洋食レストランでもお箸を用意する所が増えてきました。
お皿からご飯をフォークとナイフで口に入れるのは、どうも
御飯を美味しく頂いた気がしません。
やっぱりお茶碗にお箸がいいですね。
以前から気になっていたのですが、日本人の子供から大人まで
お箸の持ち方が下手な人が多いと感じています。
持ち方は、子供の低学年からしっかり教えてこないと、
社会人になり、そのまま直らなくて恥を掻くこともあります。
笑って済まされればいいですが、正式の場などでは日本人としての
品格が疑われてしまい兼ねません。
むしろ昨今は、外人のほうが日本食ブームもあってか御上手なかたが
多いです。
日本人は、箸に始まり、箸に終る唯一の民族です。
生まれてまもなくお食い初めの儀式で箸を使い、三度の食事で箸を使います。
葬儀では、お骨を箸で拾い、お供え物の御飯には箸を立てて供養します。
いつ頃から使い出したかは、定かではありませんが、「古事記」や「日本書紀」
には「神代の昔からお箸が存在していた」という内容の記述があるようです。
元々は神聖な道具として神事に使われていたようです。
日本各地の神社仏閣でも夫婦箸や長寿箸といった各種の箸が授与されます。
そういえば以前、神戸の廣田神社で昇殿参拝したときに授与された中に、
お神酒とお箸が入っていました。
日本人にとってお箸は、生活に深く溶け込んだ必需品であり、
精神的にも非常に重要なものであります。
”いただきます” と ”ごちそうさま” の橋渡しに
お箸を上手に使って感謝しましょう。