明治天皇の御製(ぎょせい)について
御製とは天皇や皇族の書かれた文章や詩歌、絵画などのことです。
現代では主に天皇の作られた和歌のことを「御製」と示し、皇族の作られた和歌は
「御歌」(おうた)と表記するようです。
日本最古の和歌集といえば「万葉集」ですが、その編纂より前から歴代の天皇は
「言霊」の力を信じ、国民の幸福と五穀豊穣を末永く祈るために御製を詠んでこらrました。
明治天皇は大変な霊格者であったようです。
明治神宮へ行ったことがある人はご存じかもしれませんが、入り口に設置されている
大きな看板に御製が記されています。
また、明治神宮のおみくじは「大御心」(おおみこころ)となっています。
普通のおみくじのように吉凶を占うものではありません。そこに記されているのは
明治神宮のご祭神である明治天皇の御製と昭憲皇太后の御歌なのです。
明治天皇は、59年間の生涯で約10万首もの歌を詠みました。
その中から厳選された8936首が一般公開されているそうです。
その中から一首をご紹介させていただきます。
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目に見えぬ 神にむかひて はじざるは
人の心の まことなりけり
現代誤訳
「神様は目に見えませんが、常に私たちの心の奥底までを見通しておられます。
神様に対して少しも恥じることのない心、それが「誠」の心なのです。」
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昨今は日本人の精神性が変わってきていると感じます。
目に見えないものを畏れ敬う気持が薄れてきています。
昔の人は、ご神徳を仰ぐ=あやかるという観念を持っていました。
「見守ってくださり、ありがとうございます」という感謝の心が根底に」あり、
常に生かされていることへの感謝の思いを忘れていませんでした。
時代を超えて日本人の魂に響く明治天皇の御製の数々は、人生訓であり、
哲学であり、生きていくうえでの羅針盤になると思います。
明治天皇の御製に出会い、とても貴重な叡智を教えて頂けること感謝いたします。
また、近々明治神宮へ参拝に行ってみようと思います。