ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

近所でごはん

2008年01月10日 | Weblog
今日は一日中家で作業。去年の京都取材のデータ整理に明け暮れる。久しぶりに見た京都の紅葉に染まる庭園の写真。やっぱり南禅寺塔頭の天授庵は美しかった。
唯一の楽しみは食事。しかしわざわざ遠くへ出かけるのは億劫、近所で済ませたい時まず最初に名前が挙がるのが荻窪すずらん通りの「スパイス」。ということでランチに出かける。客層が中央線沿線的なところが難点だが、ここのカレーは絶品。今日の特別メニューは牡蛎のカレー。私が好きな牛スジとトマトのカレー、イベリコ豚とゴーヤのカレーはお休み中。そういう時は野菜たっぷりカレー半熟卵のせ。カレーにはホウレンソウとトマトのサラダ、ルイボスティーを欠かさずつける。今日もやっぱりおいしかった。
夜は高円寺、環七沿いにあるうどん屋「さぬきや」へ。21:30頃店に到着したのだが、店内は大賑わい。利酒師のご主人が提供するこだわりのお酒目当てか。我々はアルコールを分解できない障害者なので黙々とひたすら食べる。そんな甲斐のない我々にも店は嫌な顔ひとつせず対応してくれる。うどんはもちろんだが、料理がどれもおいしい。最近季節メニューの舞茸つけ汁うどんにはまっていたが、初心に戻って米沢牛の霜降りうどんを注文。ほのかにピンク色が残る牛肉の旨味が関西風の出汁と相まってうどんを引立てる。新メニューのアン胆どぶ汁(味噌仕立て)うどんもかなり興味深い。

今年の初フレンチはロオジエでスタート

2008年01月09日 | Weblog
今年の初フレンチ、銀座のロオジエにて夕食。
アール・デコな建物、一歩入ると美しい螺旋階段が。階段を上りたい衝動に駆られつつも案内されるままエレベーターで二階へ。
ダイニングフロアは意外なほど小さい。テーブル数は少ないがフロアの人数が多く、サービスに対する心意気を感じる。装飾品は一流品ばかりで美術館のようだ。壁際のテーブルには照明があたっているが、中央はやや暗め。銀座という土地柄仕方がないが、接待客やホステス連れが目立つ。ドレスコードがないということもあってか、ジーンズ姿の女性がいた。
メニューの名前はほとんど覚えていない。残念。アミューズ・ブーシュは赤がキーカラーの見た目に美しい3種(赤ピーマンのムース?ゼリー?がとてもおいしかった)と、フォアグラ風味のロワイヤルにハーブのすっきりしたクリームを添えたもの。
前菜に貝のタルタルを注文。表面はキャビアで覆われていて、その下に細かく刻んだキュウリ、貝と3層になっている。その塩味と貝の甘さ、そしてプチプチコリコリした食感が絶妙。量は少なめだが彩り美しく、満足度は高い。
そしてもう一つ前菜にシャンピニオンスープ、ロワイヤル仕立て。トリュフの香りが料理を引立てる。アミューズとややかぶり気味。シャンピニオンの旨味が最大限に引き出されていてキノコ好きには堪らない。値段が格安にもかかわらず味はやっぱりグラン・メゾン。
メインは仔豚。ハチミツがかかっているかのように、ほんのり甘く独特のとろりとした食感。肉のうま味が凝縮されている。濃厚な豚肉はポレンタ(トウモロコシの粉)との相性ピッタリ。添えられたサラダの酸味が豚肉の脂を爽やかに中和してくれる。そしてブーダン・ノワールの上品な味にびっくり。これほどおいしい豚肉はなかなかお目にかかれない。量も味も食べ応えあり。
プティ・フールはクレームブリュレ、5種のマカロン、タルトなどがテーブル一杯に並べられ、見た目に楽しい。お腹一杯なのについ手が伸びる。ワゴンサービスのデザートも我慢しきれずマドレーヌとオレンジピール、パルミエをいただく。仕上げにミントとレモングラスのハーブティー。残ったプティ・フールは持ち帰り用に詰めてくれる。
全体の印象としては、クラシックな中にモダンなセンスが程よくちりばめられていて、安心感がある。そしてどの皿も宝石のように美しい。サービスは丁寧でどことなく風格を感じさせるが、質問には気さくに応じてくれる。気持ち的に気張らず出かけられる店。

談春独演会@にぎわい座

2008年01月07日 | Weblog
横浜にぎわい座にて談春の会。
開口一番はこはる「小町」。新ネタか?咳がとまらずかわいそうだった。
そして談春、初夢と立川流新年会についてのマクラから「棒鱈」。談春の田舎侍の愛嬌あふれる表情、口調は永遠の愛されキャラ。「じゅうにかげち」の歌の「とな~」によじれる。
仲入後、談春のマクラは弟子に花札を教える話など。弟子からお年玉を奪い、それでこはるは病院に行けないとか。くわばらくわばら。そして「妾馬」。八五郎が紋付き姿を母親に見せに帰り、親子ケンカの果てに強気の母親がつい弱さを見せるところで涙。この緩急が談春のうまさ。お鶴の前で兄としてのふがいない自分をちょっと反省する姿、母親を思う姿に再び胸を打たれるが、これに追い討ちをかけるのが談春の都々逸。あの歌声を聞くと、どうしても涙がこぼれてしまう。また歌の文句がいい。

~今日の都々逸~
四国西国島々までも、都々逸は恋路の橋渡し
九尺二間に過ぎたるものは紅のついたる火吹き竹
羽織着せかけ行く先訪ね拗ねてたんすをせなで閉め
いっそ聞こうかいや聞くまいかたたむ羽織に紅の跡
よろしくと伝えて欲しいはあの方ひとり皆々さまとは世間体
逢えば気疲れ逢わねば気病み首尾に不首尾にやせる秋
蜩が鳴けば秋来る私は今日で三晩泣くのに来ない人
明けの鐘ごんと鳴る頃三日月型の櫛が落ちてる四畳半
まじないもみんなはずれておみくじまでも待ち人来たると嘘をいい
悪縁か因果同士か敵の末か添えぬ人ほどなお可愛い

終演後は馬車道にあるスープカレー屋「キャンディーロード」で夕食。本当は「あかベロベロの醤油漬け」が食べたかったのだが、都合良く「マグロのカルパッチョ」がメニューにあり、すかさず注文。牛すじのスープカレーがおいしかった。

月例三三独演会/第60回新春プラザ寄席

2008年01月05日 | Weblog
今年最初の落語会。ひとつめは内幸町ホール昼席で三三独演会。
まず古今亭朝太で「二人ぐせ(のめる)」。
そして三三「かつぎや」。マクラは新年寄席での顔見せ興行の出来事。前座に指示される高座の時間をどうやって守るか、「なるべく早く」と言われた紫文が新内流しの姿で三味線鳴らしながら上手から下手に歩いていく後ろを小猫が鈴虫の鳴き真似で追っかけて2人で30秒。同じく小三治が「なるべく早く」という指示に上手から下手まで歩いて出たものの全くウケなかったものだから結局高座に戻って一席披露した、などなど。
そして柳家小満ん「盃の殿様」。
仲入り後三三「大工調べ」(通し)。前半の八五郎/与太郎の啖呵まではなんとなく盛り上がりに欠ける。流れが一辺倒。しかし大岡越前守お取り調べからまとまってくる。お白州の情景が目に浮かんでくるようだった。
新年ということで手拭いを観客めがけてばらまいて終了。車に乗り込み大田区へ移動。途中ヘリが2基上空を飛んでいて何事かと思ったら戸越銀座で切りつけ騒動。案外早く到着したので入船寿司で早めの夕食。マグロ主体のおまかせ。しかしトロのニンニク醤油で最後までニンニクの味が口から消えずいまいち楽しめなかった。青森産巨大シジミの味噌汁はおいしかった。明朗会計。

新年第2弾は第60回新春プラザ寄席。新年に相応しい豪華で贅沢な顔ぶれ。
志らく、花緑の挨拶に続きまずは市馬。最初に市馬があがってしまうことがとても贅沢。相撲甚句で自慢の喉を披露し、「一目上がり」。新春に相応しいのんびりとしたうららかな調子で市馬の良さがにじみ出ていた。
次に志らくで「洒落小町」。相変わらず性急な語り口調だが、おかみさんのキャラには似合っている。
そして喬太郎「初天神」。不覚にも途中で居眠りしてしまったが、金坊のサイレンのような周波数の「買って~」という声で目が覚める。あの声はどこから出てくるのか。
仲入後は可緑で「時そば」。
そしてトリに談春。マクラは初夢の話。以前超高級温泉旅館でデ・ニーロに会った思い出が強烈だったのか、初夢の舞台はやはり温泉。素っ裸で廊下を歩く自身の姿に恥ずかしさを覚え駆け込んだ部屋にイチローが入ってきて、同じように素っ裸になたイチローがバットを構え打法の説明をしてくれるという夢。さらに競艇仲間の蛭子さんから電話が入り、立川流が芸術協会に吸収
されたというニュースを聞かされる夢。そして「夢金」。今日はとても良かった。闇夜から虫のように降ってくる雪の景色が眼の前に感じられただけでなく、風や肌を切りつけるような寒さまで伝わってきた。舟を漕ぐ仕草は談春のそれがピカイチ。
五人がそれぞれ違ったカラーで演じ分け、最初から最後まで幸せな気分に浸れる会だった。