笛吹市八代ふるさと公園の次は、花鳥山一本杉公園に行きました。八代ふるさと公園の北の花鳥山丘陵の先端に位置し、八代ふるさと公園とは境川が流れる谷地形で隔てられています。
13時12分に八代ふるさと公園を出て南の道を東へと進み、四ッ沢川に架かる四ッ沢大橋を渡り、南東方向へ道なりに進んで大きく曲がって北東に進み、ひたすら直進しました。付近に標識や看板は一切無く、やがてリニア実験線の高架の下をくぐったのが唯一の目印でした。
リニア実験線の下をくぐると道は東に曲がり、登り坂になりましたが、少し走ってその登り坂が緩やかになり、やや下り気味にもなってきたところで、上図の標識を右側に見つけました。そのまま右折し、いったん停止して上図の写真を撮りました。
それから急な登り坂を進んで上図の広い駐車場に着きました。ここが花鳥山一本杉公園の駐車場で、展望所をも兼ねる広いスペースを有していました。車を停めて降りて、時計を見ると13時25分でした。八代ふるさと公園から13分で移動したわけです。
この花鳥山に来るのも初めてではありませんので、なんとなく地形や道を覚えていて、かすかな記憶のままに道をたどって、迷うことなく到達したという感じでした。
この花鳥山一本杉公園が、原作コミック第14巻39ページ1コマ目に、志摩リンの立ち寄り先として描かれます。各務原姉妹とフルーツライン展望所で別れた後の帰宅途中に、ここの見事な夜桜を見に行き、ベンチにて「南部井出キャンプ場」に泊まっている大垣千明とメールでやり取りしています。上図のアングルが、原作コミック第14巻39ページ1コマ目のそれです。
この花鳥山一本杉公園の中心部の桜並木の一帯は、神社というか神域であるようで、上図の鳥居が建てられていました。最初は何かの祠を祀っているのかと思いましたが、それらしき建物は見当たりませんでした。
平成7年春に、甲府の歴史観光団体の見学会でここへも訪れたのですが、記憶にあるのは見事な桜並木の姿のみです。見学地はもう少し上にある花鳥山遺跡だったので、たぶんこの一本杉公園は通過して桜並木を見ただけで終わったのだろうと思います。
祠はありませんでしたが、神域のほぼ中央のやや高い所に上図の立派な杉の老樹が聳えていました。しめ縄が巻かれて周囲に結界標が打たれてありましたので、この杉こそが花鳥山の一本杉そのもので、御神木として昔から崇められてきたもののようです。
一本杉の脇に立ててあった案内板です。江戸期の時点ではこの杉の老樹の下に日本武尊と浅間明神とを祀っていたことが知られますので、やはりここは神社としての歴史を有していたわけです。
神域は御覧のように桜並木の下に覆われています。西から南にかけて約180度に展望が開け、甲州盆地や八ヶ岳を望む事が出来ます。八代ふるさと公園よりも高所にありますから、景色もそれだけ広がりがあって楽しめます。上図の奥に駐車場の一部が見えており、白っぽくみえる車が私が今回利用したレンタカーです。
ここも桜が咲き始めていました。六分咲き、いや七分咲きでしょうか。満開よりもこちらのほうが風情があって個人的には気にいっています。
神域から駐車場へと戻る途中の景色にも既視感がありました。原作コミック第14巻39ページ2コマ目のアングルでした。作中で志摩リンが大垣千明とメールのやり取りをしている場面ですので、最初はこのあたりのどこかにベンチがあって、志摩リンはそこに腰かけてスマホを操っていたのだろうな、と考えたのですが・・・。
実際には駐車場のどこにもベンチは無く、駐車場の周囲は御覧の通りの草薮の傾斜面のみでした。あれ、志摩リンが立ち寄った公園のベンチは場所が違うのかな、と思って、しばらく駐車場から道を登って花鳥山の方向に行ってみたりして探し回りました。
御覧のように西を見ると、リニア実験線が右手下に見えました。志摩リンが居たベンチは、そのリニア実験線のすぐ横という感じの位置にあるようなので、たぶん公園の飛び地というか、展望所エリアがもう少し下にあるのではないか、と考えました。
そこで、現地の地形を確かめるべく、タブレットにグーグルマップを出してみたところ、私が居る駐車場からほぼ北側の約50メートル地点に「花鳥山展望所」の記号があるのが確認出来ました。ただ、一本杉の神域からの比高が約20メートルもあるのには驚きました。
そんな下方にあるのならば、駐車場からは草薮に遮られて見えないわけだ、と納得し、駐車場の北側のすぐ左に下へ降りる狭い農道があるのを見つけ、降りてゆきました。 (続く)