ゆるキャンの聖地のひとつ、花鳥山一本杉公園は、現地に行って初めて分かるのですが、二つの公園から成っています。笛吹市の公表資料類では、昔から桜の名所として知られる「花鳥山一本杉」と、平成28年にリニア実験線の展望所として新設された「花鳥山展望所」とを、ともにひとつの公園地域として扱い、これに「花鳥山一本杉公園」の名称をあてています。さらに「花鳥山展望所」を、資料によっては「リニアの見える丘公園」とも称していて、捉えようによっては三つの園地があるようにも思えて紛らわしいものがあります。
ですが、現地に案内標識がほとんど見当たらず、公園マップの案内板も無いため、「花鳥山一本杉」と「花鳥山展望所」が約50メートル、比高にして約20メートルも離れていることが分かりにくいです。原作コミックでもその状況を示す描写はなされていないので、「花鳥山一本杉」と「花鳥山展望所」が同じ場所にあると思われがちです。
ですが、志摩リンのベンチのある「花鳥山展望所」へは、「花鳥山一本杉」の駐車場の北側から、上図の農道を約50メートル下っていく必要がありました。上図ではあまり感じられませんが、比高20メートルを一気に下る感じの、かなりの急傾斜面の道です。上図奥に電柱が見えますが、その右手が駐車場の位置です。
農道を下りきって右手に、上図の「花鳥山展望所」がバッと開けたところに見えてきました。「花鳥山展望所」の左奥にリニア実験線のアーチ屋根が見えました。つまり、ここが「リニアの見える丘公園」でもあるわけです。
同位置から北西側を見下ろすと、そのまま原作コミック第14巻39ページ3コマ目のアングルでした。二つあるベンチの左側が、志摩リンの居たベンチでした。
やっと位置を突き止めたので、次にとる行動はひとつしかありませんでした。とにかく志摩リンのベンチへと向かいました。
確かにここですな。原作コミック第14巻41ページ3コマ目のアングル。付近に桜の木は見当たりませんでしたから、見えるのはリニア実験線のみ、まさに「リニアの見える丘公園」でした。「花鳥山展望所」の名称はどう考えても一本杉のほうと混同されるなあ、と思いました。
ここに志摩リンが座っていたのですか・・・。というか、こんな分かりにくい位置にあるこのベンチに、よく夜中に来たもんだなあ、と感心してしまいました。現地への道は分かりにくいので、車で行ったら迷ってしまいがちですが、志摩リンは原付のビーノで小回りもききますから、細い農道もスイスイ通ってここにやってきたのでしょう。
同じ位置に座ってみました。もう最高ですな。記念の自撮りの時にも、テンション上がりまくりで、嬉しさのあまり笑いを堪えきれず、この状態でした。客観的に見ますと、ただのアホなオッさん、もしくは不審人物に見えるでしょうが、これが聖地巡礼を楽しんでいるゆるキャンファンの普段の姿です。
園地を一周して戻る時に、上図の景色を見つけました。原作コミック第14巻41ページ2コマ目のアングルです。この園路を山側へ少し登ると、東屋があり、さらに進むと小さな駐車場があります。志摩リンはビーノをその小さな駐車場に停めた可能性かありますが、その描写は無く、帰路は42ページ3コマ目のように一本杉エリアの広い駐車場から南への坂道を登って行くシーンでしめくくられていますので、私がレンタカーを停めた広い駐車場のほうに、志摩リンもビーノを停めたのかもしれません。
ということは、「リニアの見える丘公園」のベンチから「花鳥山一本杉」の駐車場への最短ルートである上図の急な農道を志摩リンも私と同じように行き来していたのかもしれません。
そして志摩リンはビーノに乗って、上図の原作コミック第14巻42ページ3コマ目のアングルで、花鳥山一本杉公園を後にして南へ走り去るのでした。
南へ行ったということは、富士五湖方面へ峠越えのルートで帰ったということになるのでしょうか。おそらくは国道358号線で精進湖の脇に出て、本栖湖の北からいろは坂を経て古関の自宅へ向かったのでしょうね・・・。 (続く)