Nゲージの井川線車輌製作の続きである。次は上図の「ハコガタDL(井川タイプ)」を作る事にした。実際の井川線の主力ディーゼル機関車であるDD20形に似た形であり、細部が省略されているものの、類例が存在しないために、誰がどう見ても井川線の機関車に見えるであろう。
嫁さんは先の客車1輌を担当して仕上げて大満足だったらしく、「ここから先は見物してまーす」とニッパーをスマホに持ち替えた。
説明書を三読した。アルナインの説明書は御覧のように一枚の紙の左側が組み立て指示、右側が説明や別付けパーツの案内、完成見本図となっている。今回は動力車にあたるので、別にカトーの動力ユニットが必要である旨も述べられていた。完成見本図の塗装例は、現在の井川線のカラーではなく、昔のカラーであった。
中身である。客車と異なって、ボディと屋根が一体パーツとなっているので、組み立ても楽そうであった。
切り出して準備した状態である。この7つのパーツだけで、井川線のDD20形モドキが出来上がるのであるから、ちょっと信じられない気がした。
組み立ては、ものの10分で終了した。その簡単さは、もはや芸術的な見事さであった。アルナインのキットには熱狂的なファンが大勢居る、と以前に川本氏に聞かされていたが、そうだろうな、と納得した。
ただ、細部は完全に省略されているので、これでボディは完成となる。井川線の実物の車輌を見慣れている身には、ちょっと物足りないというか、あるべきものが欠けているという違和感があったりで、後でちょっと追加工作してみるか、と考えた。
まとめて買っておいた、指定の動力ユニットである。カトーの11-107番、Bトレインショーティー対応品というものであるが、Bトレインショーティーって何だろう、と思った。嫁さんも同じことを考えたのか、スマホで検索して、バンダイが展開して現在は休業状態になっている、Nゲージのミニチュア版シリーズだと教えてくれた。
そして更に上図の「床下タンク」のパーツセットが必要となる。動力ユニットの床下には何も無いから、こうした追加パーツが要るわけであるようだが、実際のDD20形の床下機器とは全然違うので、少し迷った。
だが、買ってしまったものを無下に切り捨てるわけにもいかず、上図のように取り付けた。実際のDD20形の床下機器はもっと色々付いていて、それらが台車を含めて衝撃から護るガードのフレーム枠で覆われている。そこまで再現するのも面白いが、台車を固定してしまうとカーブを曲がれなくなる。床下機器の追加工作については後で検討することにして、ここではいったん保留としておいた。
「ハコガタDL(井川タイプ)」の製作が一段落したので、続いて上図の「井川風客車A」にとりかかった。「井川風」とあるが、これは実際のクハ600形と仕様がほぼ同じである。クハとあるから運転台付きであり、列車の最後尾に繋ぐタイプである。
説明書である。前に作った「井川風客車B」と内容が殆ど同じである。
組み立ては、台車と車体を同時並行で進めた。
客車は先に作ったBタイプとほぼ同じパーツ構成で、片側の運転台の部分だけが形状が異なるだけであった。
それで、楽に組み上がって上図の通りとなった。
運転台のある部分は、これも御覧のように細部が省かれており、実車では目立つライト類やバックミラーや開放テコも無い。個人的にはやっぱり物足りないので、ライト類だけでも何とかしたいな、と考えた。
台車を仕上げた。これに付けたアーノルドカプラーはトミックス製品で、キットには含まれないので別に調達する必要があるが、私の場合は鉄道コレクションの車輌のNゲージ化作業において使用したパーツの余りがあったので、それを使用した。
かくして「井川風客車A」も組み立てが完了した。あとは塗装、窓ガラスの取り付け、車内シートの製作、が残っているが、窓ガラスの取り付け、車内シートの製作は塗装してからでないと出来ないため、仕上がった4輌をまとめて塗装した後に行うことにした。 (続く)