漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

標的(7/16) 親友ゼプセー

2008年05月11日 11時35分37秒 | 第8話/標的

 中学・高校時代に交流のあった同級生の中で、
「お友達が沢山いる」という事がその人一番の特徴となっている人がいました。

 その人は、中高通じて週一のクラブの時間以外は活動のない「帰宅部」だったので、
平日は授業が終われば、同性のクラスメートや元クラスメート、友達の友達とも交流、
休みの日も、もちろんいろいろな同性の人たちと交流していました。

 でも、作者はその人から直接聞いたのですが、
「自分の周りにどんなに沢山友人がいても、自分は一人ぼっちだと思う事がよくある。」
― と、そう言っていたのです。

 実はウォルポールさん、クールな外見の割りにはとっても親切な人で、
結構情熱家の尽くしタイプなのですが、
「自分が親切にした割には、見返りが少ない。」
― といつも相手に対して不満に思ってしまっているらしいのです。

 ウォルポールさん、
総理大臣の息子さんで、爵位の継承権もあって、
国会議員の地位自由に使える財産知性教養もあって、しかも若く見えて容姿端麗で、
もう何でもかんでも持っている、端から見ればうらやましい限りの紳士なのに、
それでも自分の存在に何か曖昧感でもあるというのでしょうか?

 親切にされた側は、親切にされても、
「本当に自分のためではなく、あいつの自己確認のために自分は利用されただけじやないのか?」
― と思ってしまうのかもしれません。
そして、
親切にしてもらってやった事で、すでにあいつの願いも叶えたんだから、
礼は言うけど、それ以上は何もする必要はない。」となってしまうのでしょうか?
― 確かにあれだけ何でも持っていれば、それ以上何をしたらいいんやらやと ― 。

 ウォルポールさんも、ショックを受けてしまうんでしょうけど、
プライドとか、「イジケていたり、怒りを真っ向からぶつけるのは自己イメージに合わない!」とか思い、
あくまでも外観は平静を装い、相手から距離を取って、また別の新しい「親友候補」を求めて
彷徨ってしまうのでしょうか?


― だったとしたら、何かこの人も可愛そうになって来たわね。

でも、中にはハリソンのように、
最初っから「お友達にはなりませんよ。」というメッセージを発するヤツもいる。
それで逆にムキになって喰いついて来たのかい!?
ま、確かに外観はクールなままだけどさ。

ハリソンさん、お友達になってあげればいいのにィ~。

― アッと、分ったぞ~!
もしかしたら、パリに連れて来ている犬猫とは上手くやってんのかもしれないぜ!
「おーおー!お前達だけだ~!」とか ― 前にアイ*スのTVCMでやってたみたいにな。

特に犬とはそうかもしれんな~。
猫だって飼って見れば、喜怒哀楽をむき出しにして来る実に分りやすい輩なので、
うらやましいと思って、大層可愛がっているのかもしれん。


次週からは、登場人物三人で「中世美術の話」とかになって行ってしまいますが、
分らない方は…この際、一緒に勉強しちゃって下さい―。

〈次回の更新は5月17.18日の予定〉
 


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