作者は子供の頃、日曜の夜7時半から放映の「フランダースの犬」という、
世界名作物アニメを見ていました。
ベルギーのフランダース地方が舞台で、
絵の上手なネロ少年が、保護者である祖父との死別、周囲の無理解、貧窮の中で夢も失い、
雪の日に教会で、憧れのルーベンス(1577-1640)の絵を見る事ができた後、
飼い犬のパトラッシュと凍死してしまうという、
も~涙ナミダの悲劇でした。
ついでながら作者、
「フランダースの犬」のネロ
「タイタニック」のジャック・ドーソン
それから擬中世詩人のチャタトン少年(1752-70) ← この人は実在の人
― この物語の数年後、ロンドンで貧窮と絶望の中に服毒自殺してしまい、
「何で助けてあげなかったぁああーっ!!!」
― と、ウォルポールさんがその元凶として、世間から吊るし上げを喰らう(全くウォルポールさん踏んだり蹴ったりですわな~。)
事となるのですが、
…この3人は実に身につまされますな~。
一方、同じフランダースの画家でも、15世紀前半に活躍したファン・アイク兄弟は、
歴史上実在した画家で、特に弟のヤン(1390頃-1441)は絵画史に燦然と輝いています。
ウォルポールさんも、この画家の事を自分の著作の中で書いていて、
油絵はこの画家よりも前にあったのではないか ―?という内容らしいです。
現在の絵画史の本では、「油彩の確立者」と書かれているようです。
ジョージさんは、奥さんのエリーズ妃とパリに来る前に、ベルギーにも寄っていました。
ファン・アイク兄弟の作品も ― 多分「ヘントの祭壇画」の事なのでしょうが、見学しているようです。
この祭壇画の中の「神秘の子羊の礼拝」の右上部分に、アヤメ(アイリス)の花を見つけた時には、
作者もびっくりしました。
見たのはヘントの聖バーフ聖堂ではなくて、日本で居住地区にある図書館の美術書で見たのでしたが― 。
「フランダースの犬」 私も若い頃に、年の離れた妹弟と見ていたわ。
今でもアニメの名場面を集めたスペシャル番組で、ネロとパトラッシュの悲しい最期のシーンが見られるわね。
欧米では、主人公のネロは「負け犬」と言われているって、ネットのニュースで書いてあったぜ。
パトラッシュも本当は全然違う犬種で、アニメとは似ても似つかない容姿だってさ。
ひどーい。ネロさんの事をそんな風に言わないでよー!
何かその情報、すごくムカつく~!!
ジョージ殿、自分も芸術好きで、
だからウォルポール殿を「お師匠様よ」、「大御所様よ」と崇めているのに、
純粋なだけに、これから後はハリソンとの事で、利用されてしまうんじゃないかという気もするのじゃが ― 。
「トリストラム・シャンディ」のトバイアス・シャンディ大尉は、
「フランダース」といえば、自分が加わっていた戦闘の事を思い出すようですが ― 。
日本人は何てったって「フランダースの犬」ですよね~!?
来週は、「ハリソンさんの好きな絵と嫌いな絵」です。
〈次回の更新は5月24・25日の予定〉