メガリス

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”ハンセンヘーワ”にあらずんば人にあらず?NHK『龍馬伝』

2010年02月09日 19時56分00秒 | NHK大河ドラマ『龍馬伝』

 NHK『龍馬伝』(チーフプロデューサー鈴木圭)では何が何でも坂本龍馬を「平和主義者」として描きたいらしい。オープニング・タイトルでも映像に「Peacemaker」という文字が登場するし、第5回「黒船と剣」では、黒船来航の後に実家に出した手紙の有名な“異人の首を取りたい”旨の文章について「アレはウソじゃ」と福山龍馬に言わせていた。

  実在の龍馬は別に「平和主義者」などではない。そう言える根拠は幾らでもあって、例えば、盟友三吉慎蔵宛てに幕府軍と戦う場合の具体的構想を語った手紙も残っている。(この手紙を含めNHK『龍馬伝』に都合の悪い手紙は全部「アレはウソじゃ」ということにしてしまうつもりなのかな?)
 有名な「日本を今一度せんたく(洗濯)いたし申し候」という一節は「右申す所の姦吏を一事に軍(いくさ)いたし打ち殺し」という言葉に続けて書かれている。つまり“幕府のクサレ役人どもを戦争をして打ち殺し、日本をもう一度洗濯したい”と龍馬は言っている。〔余談だが、この言い回しは龍馬自身が思いついた物ではない。元々は肥後の学者横井小楠(よこい しょうなん)の言葉である。横井は「天下一統人心洗濯希うところなり(てんかいっとう じんしん せんたく ねがうところなり)」というのが口癖だった。横井に会ったことがある龍馬がこれを拝借し姉乙女への手紙に用いたわけだ。有り体に言ってしまうと所謂「パクリ」である。〕
  黒船来航の半年後に龍馬が佐久間象山の砲術学校に入門したことはよく知られている。ちゃんと門人帖に名前が残っている。第6回「松陰はどこだ?」ではその話は完全に無視され無かったことにされていた。「平和主義者」龍馬が欧米列強との戦に備えて砲術を学んだのでは都合が悪いからだろう。 

 龍馬から大砲を取り上げても、ピストルを所持していた有名な話までは無かったことに出来ないはずだ。腰の大小に加えてピストルまで持ち歩き、(龍馬)寺田屋事件では伏見奉行所捕方を射殺する「平和主義者」。あり得ない話だ。 

 平成20年度NHK大河ドラマ『篤姫』では篤姫や準主役小松帯刀は、事ある度に「戦だけは絶対に避けねばならぬ!」と絶叫していた。NHKは武家の頭領の妻や武士の国薩摩の家老までハンセンヘーワ主義者にでっち上げないと気がすまないらしい。
 NHKは“平家にあらずんば人にあらず”ならぬ“ハンセンヘーワにあらずんば人にあらず”なのだろう。
  平成23年度大河ドラマ『江 姫たちの戦国』では脚本を『篤姫』の田渕久美子氏が担当する。有名な戦国武将淺井長政の三女江(ごう)が主人公だが、やはり何か起きそうになると、あの上野樹里ちゃんが「戦だけは絶対に避けねばならぬぅうううう!」と金切り声を上げるに違いない。想像するだけでウンザリだ。









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