メガリス

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「日本人としてのアイデンティティを持ち英語をツールとして・・」リンデンホール小学校 福岡県太宰府市

2007年07月20日 09時25分00秒 | 諸々

 今朝平成19年7月20日、日本テレビの『ズームインSUPER』を見ていたら、福岡県太宰府市の私立リンデンホール小学校の紹介企画が放送された。
 この小学校は、国語以外の授業はすべて英語で授業をするという、通常の小学校としては独自の教育を行っている。
 授業風景などのビデオの後、生中継で、たしか「副校長」という肩書きだったと思うが、責任ある立場の白人男性がこのように話した。「日本人としてのアイデンティティを持ち英語をツールとして使いこなす国際人を育成したい。」
 人間としての基礎を形成するうえで大事な小学生時代を、学校内のみとはいえ英語漬けで育って本当に大丈夫なのか、「日本人としてのアイデンティティ」が身につくのか、という疑問を私は強く持つ。茶道などの日本文化についての教育も行うらしいが、日本の古典文化についての”知識”が即ち「日本人としてのアイデンティティ」というわけでもないだろう。じゃあ何だ、と問われると私のオツムではうまく説明できないが、やはり国語能力が最重要なのではないか。基礎的な知識や技能がほとんど英語経由という人間に「日本人としてのアイデンティティ」が期待できるとは思えない。英語が達者な人材の育成が必要なのは確かなことだ。それを実現する教育機関も必要である。だが、小学校からというのは早すぎるのではないか。古典・漢文を含む国語教育を中学くらいまで徹底的にやり高校から”英語漬け”というのが理想だ、と私は思う。
 だが、この副校長(多分)氏の語る学校の理念自体は立派であり、賛同する。

 報告者であるFBS福岡放送奥田美香子アナウンサーの、副校長(多分)氏の言葉を受けての発言が気になった。「国際人の育成、これがキーワードです。」
 間違いとは言えない。しかし、「日本人としてのアイデンティティを持ち英語をツールとして使いこなす」という点を、この副校長(多分)氏は強調したかったのではないか。奥田アナウンサーはそれを理解せずサラリと聞き流した、という印象を強く受けた。

 それに対し、日本テレビの西尾由佳理アナウンサーは、「英語をツール」即ち道具としてというところが注目すべき点、という意味の発言をしていた。英語は単なる道具であって「日本人としてのアイデンティティ」が大事と言いたかったのだろう。彼女は副校長(多分)氏の発言の趣旨を正しく理解している。




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