坂本龍馬は紀州藩から3万両前後、現代なら15億円前後の金を騙し取っている。
龍馬は立派な詐欺師である。
「いろは丸沈没事件」 は有名だ。
慶応3年(西暦1867年)4月23日、海援隊運用中の「いろは丸」と紀州藩軍艦明光丸が衝突し、いろは丸が大破、後に広島県宇治島沖で沈没した。龍馬はミニエー銃400丁等武器3万5630両や金塊など計4万7896両198文を積んでいたと主張し、紀州藩に8万3526両198文を弁償させる約束をさせ、後に減額して7万両を支払わせた。
ところが、平成元年(西暦1989年)に「いろは丸」船体が海中で発見され、以後数次に渡って潜水調査が行われた結果、積荷には龍馬が主張したミニエー銃や金塊等は一切含まれていなかったことが判明した。
鮫皮や水銀朱などが積まれていたのが確認されたが、その金額が武器金塊の「4万7896両198文」には到底及ばないのは明らかだ。実際の積荷の代金が幾らなのかはっきりとは判らないが多めに見積もってもせいぜい 数千両というところだろう。いろは丸船体の弁償額は7万両の約半分で残りが積荷代ということになるので、龍馬は3万両前後の金を紀州藩から騙し取ったことになる。
この時期の1両は現代の5万円に相当するという或る研究者の見解があり、それに従って計算すると15億円前後の金を龍馬は詐取したわけだ。
かなり以前にテレビ放送された歴史上の偉人有名人の人気度を視聴者投票で順位付けし発表するという内容のバラエティ番組で、タレント島田紳助氏が坂本龍馬について「嫌い」「商売人やんか」と語っていたのを覚えている。
だが、まともな「商売人」は他人を騙して金を詐取したりしない。坂本龍馬は立派な「詐欺師」と言うべきだろう。