児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

風邪と風

2021-08-26 | 物語 (電車で読める程度)
瞼を閉じて、あなたと一緒なれて
よかったっておもった

ようやく、やっと息が肺に届いた。

大切なあなたと大事なきみの

いのちと天秤にかければ

どんなことだって、些末なことになった。


胸が音を経てて軋む

もし仮に、あなたにもきみにも二度と会えなくなってしまったら、どうすればいいんだろう。

その瞬間から、なにもかも手遅れになって考えるだけで恐ろしくて、寒気がした。


なんらかの媒体で目に飛び込んだニュースが、二人の寝顔と重なって、いてもたってもいられなくなった。



だから、
瞼を閉じて、あなたと一緒なれて
よかったっておもった

ようやく、やっと息が肺に届いた。

大切なあなたと大事なきみの

いのちと天秤にかければ

今日のことだって、些末なことになった。




どうか、どうもない。平凡な風になれますように。





【おわり】