児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

うたた寝と歌

2015-03-27 | 日記


好きだった歌をひさびさに聴いたりすると、たくさんのことを思い出します。

もちろん嬉しかったこと嫌だったこと含めてです。

ぼんやりと、時には自分でもびっくりするぐらい事細かに浮かび上がったりします。

ついさっきまで忘れていたはずなのに
一瞬だけあの頃に引き戻されるような
感覚。

それがたまらなく不思議で

同時に少しホッとして



それは むかーし、忘れもしない小学2年生の頃「オトナはなにもわかってくれない! コドモだって大変なのに!」なんてことを考えていて、「だから、せめて自分だけはオトナになっても忘れないでいよう!」と決心したのですが

今ではそれが至難の業!

だからこそ たくさん歌を聴いていてよかったな、と思います。

嬉しかったり嫌だったりしたとき
その気持ちをCDのキラキラに溶かしたおかげで、何年も経ってもその欠片をみつけることができます。

ウォークマンなんてもってなかったから 必死に歌詞カードで覚えて
ちょっと気持ちが溢れかえりそうな日にはそれをこっそり歌いました。






その度にその歌には意味ができて
無意味に思えた歌詞やメロディーが
自分だけの記憶に置き換わっていく








だから、近頃スマホにしてから充電を気にして全然音楽なんて聴けてないけど、

また未来で聴きたくなるような歌を聴いていたいなー って思います。





眠ってしまう前に

2015-03-22 | 日記


眠ってしまう前に

ちょっとメモ代わりにひとつ

書いておこうと思います。


ホントはお話しに出来ればよかったんですけど、

上手くまとまらなくて…


だから、 とりあえずはメモとして。
今後またお話しを書くときのタネになるかもしれません。


例えば、
久しぶりの友達に会ったりだとか、
この歳にもなってプラネタリウムにいったりとか、
ピクニックっぽいことをしてみたり、
バイトで失敗ばかりだったり、
大学の友達んちの部屋がきちんと整っていてすごいなって思ったり、
昔っから裏表のない人っているのかなーとか考えたり、
そういえば、誰々ちゃんは○○をしているんだってー ってな話しを聞いたり、
自分はダメだなーってことをいろんなパターンで考えたり……


でも、
やっぱりマンガは面白いし、
やっぱりご飯は美味しいし、
今日はちょっと暖かかったし、
もうすぐ春も近いし、


世界とか将来とか
不安は消えないけど


消えないけど



今はただ春の足音に耳をすましていたいです。














グータラしていたい!(笑)






そんなところで
今日も おやすみなさい

わたし革命記念日

2015-03-16 | 物語 (電車で読める程度)


ホワイトデーなんて来なかった。わたしはそんな甘ったるい毎日を送っていない。むさ苦しい小さな職場で渡した義理チョコならぬ義務チョコを配っただけだ。そんな程度のものにお返しなんてのはなくて当然なのだ。だから週明けの今日だってスーツを着るし、一日のノルマだってちゃんとこなした。はぁ。帰宅中は安堵で顔が緩む。もちろん下に。昔は顔が緩むと自然と笑顔がこぼれたのに、いつの日かその笑顔がデスマスクになってしまった。だから会社から離れるごとにマスクは溶けて顔全体が下にただれてしまう。はぁ。

玄関をあけると目をそむけたくなるような陰惨な現実がわたしを迎え入れる。例えば、洗濯物がたまってたり、部屋がぐちゃぐちゃだったり、誰もいなかったりとか。あーやだやだ。でも、いくら駄々をこねても他に帰るとこなんてないし、彼氏だって生えてきたりはしない。なんだか急に、胸がぎゅっとツラくなった。パンプスを脱いで部屋の明かりをつける。営業部のスズキさんはもう誰かにクッキーを渡したりしたんだろうか…? いや、入浴剤かもしれない。紅茶とかだったら意外かも…!
ってそんな妄想がわたしに一瞬の活力と莫大な虚しさをプレゼントしてくれた。わたしは若くない。もう学生じゃないんだ。はしゃぐような歳でもない。けれどやっぱり義務チョコを配り歩いてたときにあの人が「どうも」と貰ってくれたことが嬉しかったりなんかして。




あぁ、きっとダメダメなんだ、わたし。


義理とか
義務とか
わたすばかりで。


ホワイトデーとか
ポイント2倍デーとか、
あわよくば、もらおうとするばかりで。



自分から
つかみにいかない。



いつまでたっても
始まらないんだ。




変わろう。
きっと、変われるはず!



だから今日は
わたしから始める小さな革命の日。

















スーパーで買った発泡酒をグビッと飲み、真っ赤な顔でわたしは決めた。




【おわり】

薄味

2015-03-11 | 物語 (電車で読める程度)


お父さんがお味噌汁を作ってくれた。
お母さんの味に近づけようとしたのか
薄味だった。塩分のとりすぎは身体に悪いってずっといってたもんね。

4月はまだ遠い。春になれば、新しいことがたくさん待ってるらしい。枯れ木のような桜の木が窓からみえた。パジャマのボタンを上まで締めて、肩にかかる髪を全部後ろに払った。 少し寒くて両足の裏をこすりあわせる。普段はあまり寝つけないのに今日に限って爆睡してしまった。時計の針は昼をとっくに過ぎていた。こたつにはお味噌汁とご飯が寄り合うように並んでた。お昼ご飯には遅すぎて、夕食には早すぎるこの時間に食べるお味噌汁はなんていうんだろう。お父さんと久しぶりにふたりっきりだった。珍しい。「今日は仕事休みなんだ。」と言いかけてやっぱりやめた。それはなんだか違う気がしたからだ。そのかわりに友達とプラネタリウムにいったことをぼんやり話した。
「まぁ、カップルとか多いからな。」って全然違う方向に話しがぶっ飛んで少し可笑しかった。茶碗の模様を眺める。親子連れウサギが跳ねていた。



3月ってのはきっと春への準備期間だと思う。3月はそれが相応しいからこそ、4月から年度は始まる。つまり冬眠から目覚めるための時間なんだ。私にはそう思えて仕方なかった。



「あのね、お父さん。」
私は薄いお味噌汁をすすってから言った。
「私、本当に進学して良かったの?」
お父さんはようやく我が家と呼べるようになった空間を仰ぎみていた。








「当たり前だ。」








その一言がこの部屋に染み渡る。
掛け時計の秒針が聞こえた。


「しっかり勉強してこい。」



「うん。」




私は部屋の隅にある銀のキャリーバックをちらりとみた。

あれは私がもっていける限界だ。

たったあれだけしか持ってはいけない

どんな思い出の品もあのキャリーバックひとつに入る分しかもってはいけない。

なんならいっそ私は今まで生きてきたなかの目にみえる、みえないもの全てを鞄につめて、弱虫だった頃の私を地平線の彼方まで探しにゆきたかった。





だけど、そんなことはできないから




だから、










「お父さん、今度出発までに教えてよ。お味噌汁の作り方。」















長い眠りから呼び起こしてくれる
やさしい味の。





【おわり】